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魔神再び


 魔獣キングミノタウロスの群れが、サブリナの鼻息で全滅したのを見たグルグは驚愕していた。


「……バ、バカなあああーっ!!魔獣の群れを鼻息だけで吹き飛ばすだとおおおおおーっ!?」



 立ちすくむゲルグに、ヨシダールが言い放つ。



「黒魔術で作った偽りの絆などでは、本物の絆には勝てないという事じゃ。」


「……おのれ~っ!この老いぼれがっ!!」


「バカ息子よ、念の為に聞いておこう。全ての罪を懺悔して人生をやり直すつもりはないか……?」


「……クククク、グハハハハハハーっ!!何を言うかと思えば、くだらぬ事を言うジジイだ!俺様をバカにした人間どもに天罰を与え、この世界を支配する!もう俺様は誰にも止められはせぬわっ!!」


「何を言っても無駄のようじゃな。……キャサリン、サブリナ、やってしまいなさいっ!!」



 命令された2匹のキングオークは、それぞれ巨大な腕を振り上げゲルグを仕留めようとする。


 しかし、突如巨大な黒い姿の魔獣が出現し、ゲルグを守るようにキャサリンとサブリナの攻撃を受け止めていた。



「……お、お前はハナ子でねーかっ!?」



 グルグを守った巨大な魔獣は、キングミノタウロスとなった牛のハナ子であった。


「ハ、ハナ子!!オラが分からねーか!オラだ、ヨシダだぞっ!!」



 黒魔術で魔獣と化したハナ子にヨシダの声は届かず、目の前のキャサリンとサブリナに猛反撃を繰り出すハナ子。



「ブンっっモオオオオオオオーっ!!」


「ブヒイイイィィィイイイイーっ!!」



 しばらく両者は激しくぶつかり合っていたが、キャサリンとサブリナの息の合ったコンビネーション攻撃に、ジワジワとハナ子の攻撃の手数は少なくなっていった。



 すると突然、キャサリンはサブリナの体の後に張り付き、完全にその姿を消してしまった。



「ンモオオオー!?(どこに消えた!?)」


「ブヒブヒ!!(今だ!兄者!)」


「ブヒイイイっ!!(もらったあああーっ!!)」



 サブリナの攻撃をかわしたハナ子であったが、突然サブリナの背中から飛び出してきたキャサリンの攻撃にまったく反応する事が出来ずに、キャサリンの飛び蹴りを正面から食らってしまったのだった。



「ンっモオオオオオオオーっ!!(グハアアアアアアーっ!!)」



 ハナ子の巨体は30メートル程吹き飛ばされ、盗賊のアジトは全壊してしまった。



「ハ、ハナ子おおおおーっ!」


 ヨシダが吹き飛んだハナ子のそばに駆け寄ろうとするが、ゲルグが一足先にハナ子の元にたどり着く。


「こ、この役立たずのバカ牛がああああっ!!もういい、合体だ!俺様と魔神になるのだハナ子っ!!」



「おめえ、ハナ子に何て事を言うだ!ハナ子はお前を守ってくれたんだぞーっ!!」



 ヨシダは涙を流しながら、ハナ子とゲルグの方に駆け寄って行く。



「い、いかん!まさか魔神化まで出来るとは!!キャサリン、サブリナ、ヨシダ君を止めるのじゃ!!」



 ヨシダールが2匹の魔獣に命令するが、もうハナ子とゲルグはお互いの手の平を合わせて強烈な光を辺り一面に放っていた。



 その場にいた全員が眩しい光に目を反らし、やがて光が収まる頃にはとんでもない光景を目の当たりにしたのであった。



 ――――魔神。


 かつて古代竜エイシェント・ドラゴンを往復ビンタで死に至らしめた、戦慄の破壊神の超巨大な姿がそこにあったのである。




個人的に「今だ兄者!」の所が気に入ってます。

でもどっちもメスブタなんですけどね。(;^ω^)

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