表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/27

魔術師カーティスと盗賊団


酪農家ヨシダと盗賊団のトムは、辺り一面キングミノタウロスの大群に囲まれてしまった。


猛獣達は少しずつ歩を進め、ジワジワとヨシダとトムを追い込んでいく。



「クソが!1匹でも厄介なキングミノタウロスが30匹はいるぞっ!誰がコイツらを操ってやがるんだっ!?」


「・・・ト、トムさんだけでも逃げてくれ!1人なら何とか逃げるられるはずだべっ! 」


「バカヤローっ!!命の恩人を見捨てるほど、俺は腐っちゃいねーんだよっ!!絶対どうにかしてやるから俺達を信じろっ!!」


「・・・うう、ありがとう!本当にありがとうトムさんっ!分かった、オラはトムさん達を信じるだ!!」



 そして、ヨシダ達を射程圏内に捕えたキングミノタウロスの集団は、獲物を殺戮しようと戦闘斧を次々と大きく振り上げた。



 ――――とその時だった。


 ヨシダ達がいる王都の街の空から無数の矢が、キングミノタウロスに襲いかかった。

上空からの落下速度も加わって、放たれた矢が次々と猛獣の体に突き刺さっていく。



 鋼のような強靭さを誇るキングミノタウロスであったが、致命傷にはならずとも十分な足止めになった為、ヨシダとトムはその隙に猛獣達と十分な距離を取る事が出来た。


「遅かったじゃねーか!リンダ!!」


 トムの言葉に反応したヨシダが後方を見てみると、数十人の盗賊団を率いている盗賊リンダの姿があった。


そして、辺りの建物の2階、3階、そして屋根の上には、さらに数十名の盗賊団たちが各自、弓矢を構えていた。リンダの合図でいつでも矢を放てる状態である。



「ここは私達が完全に包囲した!もう大丈夫だよ、酪農のおじさん!!」


「・・・あ、あんたは親切なお姉さんっ!」


「リンダよ!今度は私達がおじさんを助ける番ね!・・・さあ、隠れてないで出て来なさい、カーティスっ!」



リンダの言葉に反応した人影が、物陰がゆっくりと姿を現れた。


「・・・あ、あんたは、さっき裁判でウソを付いたお兄さんでねーか!?」


猛獣キングミノタウロスの群れの後方から現れたのは、魔術師カーティスであった。


「まさか、盗賊団のお2人が生きていたとはね!てっきり私が召喚したサイクロプスに、殺されたとばかり思っていましたよ。」



「やっぱり、お前の仕業か!よくも仲間たちを殺してくれたわね!カタキはきっちり取らせてもらうよっ!」


リンダは手に持ったショートソードを力強く握り、その刃先をカーティスの方に向けて力強く叫んだ。



「い、いったいどういう事だべ!?何で魔術師のお兄さんはそんな事するだ!?」


「おじさん、このカーティスっていう男は、あのダンジョンで剣士ネルソン・オリバーとその仲間を殺そうとしていたのよ!そしてそれを誰にも見られないように、サイクロプスで私達も殺そうとしたんだ!!」



ヨシダが状況をよく理解出来ないうちに、カーティスが喋りだした。


「私達がずっと計画して来た魔獣による世界統一を、ネルソンは反対し私達と敵対するに決まっているからな!ダンジョンでは邪魔が入ったが、今頃ゲルグの魔獣達がネルソンを殺しているだろうな!ククククっ!フハハハハーっ!!」



「そ、そんなバカな!ネルソンさんがっ!?」


「さあ、お遊びはここまでにしよう!魔獣どもよ、こいつらを皆殺しにせよっ!!」



カーティスは攻撃力と防御力アップの支援系魔法を魔獣達にかけると、今度は上空に大きな炎の球体を作り出したのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ