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魔王と結婚も、そんなに悪くない。  作者: じょじょた
一章 出会い
7/14

07 魔王城

 

(さて、私ことアンナはいまどこにいるでしょうか!!正解は〜どん!!)


「アンナさん、ここが我が魔王城です」

「ほへぇ…」


 私は朝早く訪ねて来た魔王に連れられ、魔王の自宅兼魔王城にお邪魔していた。

 といっても、転移門とやらで10日はかかる距離を一瞬で行き来できるようになっていた。

 え、どうして(うち)と魔王城が行き来できるかって??

 繋げた、いや繋げられたのだ。

 昨日、初めて魔王が(うち)に来た時、ちゃっかりうちの前に転移門作って帰りやがった。


(いや全然いいんだよ!!いいんだけど……)


「一言欲しかったな……」

「ん、今なにか言いましたかアンナさん」

「あ、いや、なんでもないです」



「「「魔王様お帰りなさいませ」」」


 魔王城の門前に来ると大勢の魔物?がずらりと並んで頭を下げる。

 こうやって見ると将軍はかなり人間っぽい容姿をしていた。

 というより魔物と言われなきゃ、ぶっちゃけ分からないと思う。


「お疲れ様でした。魔王様」


 列の先頭にいた、魔物がこちらに近寄って来た。

 一人は、あの将軍だ。


(うわぁ…。めっちゃ睨んでるよ)


 もう一人は……これまた人間っぽいことで。

 その男は私を見ると、含みのある笑いをみせた。


「うむ。出迎えご苦労。さて紹介しよう、隣にいるのが……」


 魔王が恒例のごとく顔を真っ赤に染める。


「わ、わ、我が妻。ア、アア、アンナさんだ/////」


(やめてくれぇぇえ。いろいろ恥ずかしいじゃないか!!)


 魔物達に動揺が走る。

 そして一斉に私を見る。


(ひぃぃぃい)


 私は今にも逃げ出したい気持ちを全力で抑え、引きつった笑顔でそれに応える。


「お前達、やめないか。アンナさんが怖がっているだろう。魔王様この度はご結婚、誠におめでとうございます。そして、アンナさん初めまして。私は魔王軍の参謀です。魔王様のことをよろしくお願いしたい」


「こ、こちらこそ」


 参謀はまたニコリと笑うと魔王に向き直る。


「魔王様、さっそくではありますが仕事です。勇者一向がこちらに向かっているとの情報があります」

「うむ、すぐに向かおう。アンナさん少し待ってもらっても大丈夫ですか?すぐに終わらせてきますので」


「参謀、アンナさんを頼んだぞ。くれぐれも丁重にな」

「仰せのままに」


 そういうと魔王と将軍は、魔王城に入っていた。

 残されたのは、私と魔物達、それとこの参謀だ。


「さて、アンナさん。お部屋に案内しますのでこちらに」


 私は参謀に連れられ、魔王城に向け足を進めた。




「でっかっ」


 魔王城は外からもそうだったが、中もやはり超絶デカかった。


「アンナさんのご自宅はそうではないんですか??」

「う、うん。私の家は貧乏だったし」


 参謀は少し驚いた顔をしたが、すぐに何かを理解したかのような顔つきに変わる。


「なるほど。ではまずは覚えることからですね」

「覚える??なにを??」

「もちろん魔王城です」

「なんで??」

「それはもちろん、魔王城にお住みになるんですから」

「え」


(ここに住む??)


 私は天を見上げる。

 どこまでいっても見えることがない天井。

 そして私は再び声を発する。


「え」


ほへぇ…。

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