04 私の告白と魔王の告白
母と二人暮らしだったので、決して広いとは言えなかった家だが、リビングに大柄な男性が二人ともなると、やはり狭く感じる。そんな目の前の男性二人はというとは私のだしたお茶の入ったコップを見ていた、しかしそれぞれが向ける目線の意味は見て取れるほど違った。
一人の男は、何かを疑うように。
そしてもう一人は、まるで小動物でも愛でるかのように……
「……飲まれないんですか??」
私は一向に飲む気配のない、二人に声を掛けた。
「小娘、まさか毒でも仕込んでなかろうな??」
「え、ええ。市場で買ったものですし、私も飲んでますよ」
男は私の中身が半分ほどになったコップを確認する。
「魔王様、ここは私が先に」
「やめないか、将軍。ア、アンナさん失礼だろう///」
(おい、なんでそこで顔が赤くなるんだ)
「し、しかし」
「わたしがいいと言っているのだ」
「ハッ!!大変失礼しました。こむ……」
――ドンッ
鈍い音がした。魔王が将軍のお腹にグーパンををかましたのだ。
「小娘ではない。ア、アンナさんだ///]
(あ、また顔赤くなった)
「ゲホゲホッ。……アンナさん、先ほどのご無礼、お許しください」
「あ、え、あ〜全然大丈夫ですよ〜ははは」
私はまさか自分の入れたお茶で謝罪を受けるだなんて夢にも思わなかった。
二人はお茶を一気に飲み干した。
「美味しいです!!お礼と言ってはなんですが、コレ良かったらどうぞ。魔界名物のスケルトン饅頭です」
そう言うと魔王は紙袋を取り出す。……異空間から。
中に入っている箱には、『魔界土産にぴったり!!スケルトン饅頭』と売り文句が書かれていた。
「あ、ありがとうございます」
「とんでもないです」
暫しの沈黙が流れる。
「魔王さん!!!!」
「アンナさん!!!!」
私と魔王の声が重なった。
「ど、どうぞ!!」
「どどどどうぞ!!」
再び重なる。
「ア、アンナさんからどうぞ」
「えっと……その、ごめんなさい!!」
「へ??」
「私、昨日メールを頂いた際、気づいていたのに……見なかったことにしてました」
「こ、小娘!!!魔王様に対して!!やはり参謀の言っていたことは当たっていたな!!」
「将軍!!!」
「……はい」
「……本当にごめんなさい」
「いいですよ」
「で、でも!!」
「魔王様、あまいです!!小娘にはもっと重い」
「将軍!!!」
「……はい」
「さて、アンナさん。わたしの話なのですが……」
(話って、なんだろう。でも私が魔王さんを傷つけたって言う事実は変わらない。だからもし魔王さんが私に罰を与えるって言うなら私はそれに応えようと思う。それが私の誠意とけじめだから)
「あの……その……」
「そうです魔王様、この失礼極まりない小娘に言ってやってください」
(あれ魔王さん、ツノまで赤くなって……)
「わ、わたしと結婚してください!!!」
「「へ??」」
今度は私と将軍の声が重なった
今日はもう何話か投稿します。