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魔王と結婚も、そんなに悪くない。  作者: じょじょた
一章 出会い
2/14

02 メールのやりとり(ほぼ魔王)

 私は閉じたパソコンの電源を一度落とし再起動させる。

 再起動したパソコンをつけてメールの受信ボックスを開く。



 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:求める男性像を――


「なんでえええええ」


 思わず心の声が叫び声となって口から出てしまった。


(いやいや、なんで魔王!?確かに会員登録数最多の婚活サイトではあるけど、流石に魔王って。なに新手のイタズラ?そう言われてみれば……なーんだイタズラか!!よかっ――」


 ――ピコン


 メールの受信音がなる。

 私はそのメールを開く。



 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:一応、本物です。


 本文:おはようございます。複数回に渡るメールお許しください。

 アンナさんがもしかしたら、イタズラ……なんて勘違いされるのでは、とうちの参謀が言ってきましたので、一応、魔王城の写真を送付しておきます。

 私は、そんなマヌケな人ではないと言ったのですが……


 魔王



 そこには、でかでかと魔王城が写っていた。


(え、なにこれデカ。しかもなんか魔のオーラみたいのが写真から伝わって来るんですけど……それに魔王さん、どうやら私はマヌケな人みたいです。てか、本物……なの??)


 背中を冷たい汗がつたっていくのが分かった。

 合成かと思い、いろいろ調べてはみたがそれらしき写真は見当たらなかった。


(よし!!)


 私はとりあえず、見なかったことにした。




 ――その日の夜



 ――ピコン

 ――ピコン

 ――ピコン

 ――ピコン


 ……大量のメールが届いていた。



 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:返信待っています

 本文:こんにちわ。

 初めてメールを送ってから半日ほど経ったかと思います。

 メール、届いていますか??

 もし届いていたら、ご容赦ください。

 お時間ある時で構いませんので、ご返信いただける幸いです。


 魔王




 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:そんなことないですよね

 本文:こんばんは。

 うちの参謀が無視している。だなんて言ってきました。

 本当ふざけた野郎です。アンナさんがそんなことする訳ないじゃないですよね。

 わたしは夜はかなり起きています。いや今日は寝ません。

 ですので、お時間の方はお気になさらないでください。


 返信待っています。


 魔王




 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:今日の晩御飯

 本文:お疲れ様です。

 今日の晩御飯は、うちの自慢の部下(シェフ)が、腕を奮ってくれました。

 そう!!(ドラゴン)の丸ごとソテーです。


 もし、アンナさんも食べたくなったら教えてください。

 素材から調理方法までお送りしますので、

 あっ!写真送付しておきます。


 魔王




 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:部下との心の距離がいい感じです

 本文:うちの参謀はやはりふざけています。

 ついには人間界に攻め込もうなんて、言い出しました。

 一発ぶん殴って、黙らせましたが、こんな冗談も言ってくるなんて。と、部下との心の距離が縮まってきてるのを実感します。


 今日はゆっくりと休んでください。

 おやすみなさい。


 魔王



(なんか危うく戦争になりかけてるし……絶対、参謀さん、本気で言ってるよ絶対!!それにこのソテー地味に美味しそうじゃないか!!!こんなメールを送ってきてくれるなんて、本気なんだ……)



 ――ピコン


 再び、メールを受信した。



 宛先:アンナ 様

 差出人:魔王


 件名:無理でもなんでも大丈夫ですので……

 本文:夜分遅くにごめんなさい。 

 お忙しいというのは重々承知なのですが、やはりご返答が頂きたくて……

「無理」の一言でも構いません。

 そうしたら、諦めもつくってものです。


 図々しいお願いとは存じておりますが、何卒……


 魔王



 私は一体何をしているのだろうか。

 ふと私のしていることを振り返ってみた。

 こうして好意を抱いてメールをしてくれている人に対して私は、見なかったことにして無視をするなんて。


(最低だ)


 自分のこういう所が嫌いだ。

 母にも「他人の気持ちを考えられる人になりなさい」って言われてたのに。

 私は、返信ボタンを押しの内容打ち出した。


(ちゃんと、謝ってきちんと断らなきゃ)



 宛先:魔王 様

 差出人:アンナ


 件名:ごめんなさい、メール気がついていました

 本文:こんばんは。そして初めまして、アンナです。

 まずは返事の前に、謝罪をさせてください。

 私は魔王さんからのメールに気づいていたのにも関わらず、ずっと無視をしてしまっていました。

 本当にごめんなさい。


 それと、お返事の方なのですが、まずは一度どこかでお会いしませんか??


 アンナ



「送信!っと」



 私は、魔王さんに会ってみることにした。

 なんでそう思ったのかは分からないけど、なんか会ってみたくなった。ただそれだけ……のはず。

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