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最弱国家の王はよく嘘をつく  作者: 緑茶さん
第2章 王戦編
7/12

第7話 炎の騎士VS自宅警備員

「なんで...お前がこの王戦に...」

俺は戦う気を無くしかけていた。

絶望的だ。敵は最強の騎士団の団長。勝てるハズがない。それに、マントでファーリスは視界が制限されていた状態でもあの実力だ。

「君に王となる力と信念があるかを確かめにきたが...。君は既に抜け殻のように戦う気を無くしている」

続けてファーリスは恐ろしい言葉を放った。

「私はもとより、本気で君を倒す予定でいた。木刀ではなく、私の炎で炙る予定でな...」

すると、ファーリスはとんでもない量の炎を放った。

終わった...。

俺には覚悟も力もない。

もう...俺は...ここで...死ぬ。

『この国...世界を変えてください...!』

「?!」

俺はその瞬間、体が勝手に動いた。

幸いにもファーリスは俺のさっきいた場所にのみ炎を放ったので、避けるのは簡単だった。

そうだ...あの約束!今はファーリスにも遅れをとるわけにはいかない!

「...それでこそ君だ、ハヤト。ハヤトがその気なら、私も全力で迎え撃とう..!」

ファーリスはあらゆる角度から炎を放った。

「熱ッ!」

なんと木刀に火が移った。俺は木刀を投げる。

俺にも多少カスったが、今はそんな痛みも感じなかった。エルメリカが抱えている痛みはこんなものじゃない..!

「そんなもんかよぉ!」

勝ち目もほとんどないのに、ファーリスを煽る。

「いや、チェックメイトだ。同時に私の勝ちだ」

すると、俺の頭上からとんでもない大きさの炎が押し寄せてきた。

頭上だけじゃない。前にも、後ろにも、右にも、左にも。

「フンッ!『お前の炎なんか、効くかぁぁ!』」

無理だろう。普通に当たったら死ぬ。

ここで死ぬのか。

エルメリカとの約束は守れなかったな...。

炎は俺の体に触れ...あれ?熱も感じないし、何より...、炎が俺を避けている?!

俺は現状を飲み込めなかったが、全力でさっきファーリスがいた方向に走る。

そして、俺は拳を握り、ファーリスの腹めがけて殴った。

「ーーーッ」

ファーリスはまさかの事態に反応出来ていない様子だった。

「な...。今の出力の炎を防ぐ(すべ)などなかったハズ...。まさか、ハヤトに能力が...?!」

「そんなこと、今はどうでもいい...。今は王がどちらか決めるのが、大事だろ!」

俺はファーリスに拳を握り、殴る。

それをファーリスは木刀で防ぎ、頭に当てようとする。

「甘い!」

それを見切り、俺はファーリスの膝裏を殴る。

ファーリスはバランスを崩し、木刀を落とした。

「うおおおお!」

ファーリスの頭に木刀を当てようとする。しかし、ファーリスは片手でそれを防ぐ。

ファーリスはまた炎を出した。

「効くかぁぁぁ!」

炎は俺を避け、俺は燃えた木刀を捨て、ファーリスへを背負い投げする。

「はは。きみには驚かされてばかりだな」

すると、ファーリスの頭は僅かにステージ外に出ていた。

『なんと!ラメル騎士団団長ファーリス・ラファヴァンが場外ッ!次期王はシジマ・ハヤト!』

会場の歓声はさらに増した。

「すげえよあいつ!騎士団長に勝ちやがった!」や「お金でも積んだのかな?」などの声もした。

ファーリスは立ち上がり、言った。

「完敗だよ、ハヤト。まさか、能力がこのタイミングで発動するなんてね」

「いやいや、どういう能力かもまだわかってないし....」

「推測だけど、君は当たったら死ぬ攻撃を『効かない』といっていたよね。もしかしたら、嘘が本当になる能力なんじゃないかな?」

「んな無茶苦茶な....」

俺は苦笑しながら言った。

地味だが、応用力のきく能力である。

能力名は 虚偽の者(ライヤー)とでも名付けよう。

そんなどうでもいい事を考えながら、俺はコロシアムから出て行くのだった。

Hello.I’m Sumeragi Yozora!

今回はファーリスVSハヤトになりました。

このシリーズの中でも熱い戦闘になったらいいなと思います!

次回からは舞台はラメル王国から徐々に世界へと移ります。ここから物語が始まると言っても過言ではありません。


次回予告 宣戦布告

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