第6話 ムハカマ
王戦も大詰め、残りは4人となった。死者はまだ出てないらしい。例年の王戦は平均的に5人ほど死者がでるらしい。ひどい時は優勝者以外死ぬということも...。
今回の王戦は『木刀で頭を殴る』という勝利条件が追加されたらしく、このルールで『相手を戦闘不能にする』をすることもなくなったそうだ。
おそらく国の面積が小さくなり、国内で殺し合いが続くと、ラメル王国存亡の危機に陥るからだろう。
三回戦目も俺は当然初戦からである。『さあて、王戦も大詰め!三回戦目の初戦はシジマ・ハヤトVSイナア・アイック!』
なんだ?あいつ
相手は、まさに『貴族』という格好をしている
『三回戦目、スタート!』
「はは!高貴な僕の前にひれふsグハァ!」
なんかやべえ奴が王になろうとしているので、自慢気に語っているイナアに腹パンした。
「な!こういうときは台詞を全て言わせるのが貴方の役目であろう!」
「知るか!もう始まってるんだから、そんな暗黙のルールは俺が壊してやる!」
なんだろ?こいつ。何故ここまで勝ち残れたか謎である。
「フンッ。残念ながら僕には必勝法があるんでね...」
すると、イナアは金をばら撒き始めた。
「さあ!拾うがいiグハァ!」
なるほど。こいつは金をばら撒いて金に目が眩んだ隙に木刀で頭を殴る戦法を使っていたのだろう。死者が少ない理由にはイナアも原因か。
イナアと戦ったやつはアホしかいないのか...。
「な!お前!金がいらぬのか!」
「...残念だが、俺は金なんかよりもよっぽど大事なモノを抱えてる」
「?!」
...エルメリカとの約束。それに比べたら、金なんか、石ころと同じ価値しかない。
「貴方が始めてだ。金よりも重要なものがある人は..」
すると、イナアはステージ外に歩いていっt...あれ?デジャブか?
「素晴らしい!貴方に僕は見せられた!貴方に従うことにした!僕は!」
なんと...。金が全てじゃないとわかったのはいいが、王の権利を他の人に譲るとは...。
『えーイナア場外。ハヤト二回戦進出」
会場からブーイングをくらった。
「戦えよ!ナルシ!」「自分大好き野郎!」「俺にも金よこせ!」
などなど...。主にイナアへのブーイングだった...。
さて、決勝だが、このムカハマという黒いマントを纏ったやつが気になる。
全ての戦いにおいて、10秒程度で相手を倒している..。
今俺がみてる準決勝もムカハマは、目にも見えない速さの敵を能力を使わず倒している。
ムカハマは一筋縄ではいかない相手であることは明白である。
どう倒すかな...。
『さあ!決勝戦!このどちらかが、このラメル王国の王となる人物!どちらも能力を一度も見せていないぞ!ムカハマVSシジマ・ハヤト!』
不気味だ..。
観戦中も不気味だと感じていたが、こうして近くで見ると、不気味さがより増している。
『それでは!決勝!スタート!』
トと言い終えるのよりコンマ1秒ほど早くムカハマはものすごい速さで、俺に近づき、木刀を振り下ろす。
「ーーーッ!」
俺はなんとか木刀で防ぐ。
一回戦目と同じ要領で、回し蹴りを膝裏に当てようとする。
しかし、ムカハマの左手で足を止められ、後ろに投げられた。
着地地点にムカハマは移動した。
「ぜりゃぁぁぁ!」
俺は追撃を阻止すべく、ムカハマに向かって木刀を振り下ろす。
ムカハマはそれを阻止した。
「まだまだぁぁ!」
俺はガラ空きの腹に蹴りを入れた。
ダメージは相当入ったハズだ。
すると、ムカハマの口が動いた気がした。おそらくこう言ったのだろう。
『ここからは本気だ』
「ーーーッ!」
なんと、ムカハマは炎を出してきた。
『なんとー!ムカハマは炎の能力を持っていたーッ!』
と実況の声も聞こえないくらい俺は集中していた。
俺は四方八方から押し寄せてくる炎を避ける。
しかし、炎に隠れて接近していた、ムカハマは俺の腹に木刀で殴ろうとしてきた。
「甘いっ!」
俺はムハカマの木刀を防ぎつつ、木刀を振り上げ、ムハカマのマントを取った。
その素顔に衝撃が走った。
「...なんでお前が」
ムハカマの剣術、格闘術があまりにも強いことに納得がいった。
「すまない。だが、これは君にとっての『試練』である」
そう言った男の名は
「ーーーファーリス....」
このとき、俺はこの上ない恐怖を感じた。
この世界の初めてできた友人に...。
こんにちわー。皇夜空です!
今回はとんでもない展開になりました。
王戦の決勝果たしてどうなるのかッ?!
実はタイトルがカタカナなのはこれが初めてです。
次回予告 炎の騎士VS自宅警備員