プロローグ2 それ急げ!
なんて・・・・普段考えたりもする
忘れようとしても忘れられないこと。
記憶から消そうとしても、どこかで残っている。
「本当に死って何だろう・・・・。」
「一兄ちゃん、何してるの?」
「あっ、それは・・・、って、うわあ!いつからここにいた!」
「さっ、さっきから・・・・。変な妄想に入ると・・・」
といいかけた途端、一がこう言った。
「変な妄想って何だよ!」
はあ・・・、びっくりした・・・・。今のは、オレの弟の智也だ。
時々、核心を突く言葉にびっくりするのだが・・・・。
もう一度会えるけれど・・・・、もうあいつとは会えない・・・。
しゃべっても、返事はもう二度と来ない・・・・。
もう少し、白雪村のことを説明しておこう・・・。
白雪村は、北海道にある小さな村だ・・・。山に囲まれているが、隣町は、黒岩町。こちらは港町だ。黒岩と白雪の間には、トンネルがある。オレは、まず、新千歳空港まで行き、そこから、バスで黒岩町へ行く。さらに、バスで白雪バスターミナルへ行くのだ。面倒だが仕方ない。なぜなら、白雪村の交通機関は、バスとタクシーのみ。そして、バスは、1日に2便。かなり不便なのだ。
唯一の中学校がオレが通っていた、白雪中学校。小学校は2校あるが、高校はこの村にはない。
つまり、中学卒業の後、離れ離れになるのだ。その中学校も去年、取り壊しが決まり、来年の夏に取り壊しをする。
その前に、俺たちは、記念写真を撮ったり、思い出の品を探したりすることを目的に行くのだ。
しっかし、交通費が高いぜ・・・・。ウチの家計は厳しいから、お小遣いなしになったりして・・・。トホホ・・・・。
まあ、同級生に久しぶりに会えるわけだから、まあ、いいか。
って、あっ!オレ、パーティー代を払うことが決まっているんだ・・・・。
交通費だけでも、かなりするのに・・・・。
「おーい、はやく、行かないと飛行機に間に合わないよ!」
えっ、今は・・・・、やばい!搭乗手続きギリギリの時間に到着だ!
間に合うかな・・・・。それ、急げ!
「お兄ちゃーん、財布!」
「あっ、ありがとう!うわあああ!猛ダッシュだ!」
ったくま、朝から大変だぜ。こんなに走るなんて・・・・。
うう・・・・、体力のないオレにとって、これは、苦痛だ・・・・。