二百四十六日目 魔導国家へ
全然更新できなくてすみません!
理由は……ポケ○ンです……
発売日は学校あったので……その翌日にポ○モンセンターで受け取ってから、休日はずっとゲームしてました……
楽しいですよね、ゲーム……
辺りが薄暗くなり始めた頃、予定通り公国が見えてきた。
「そろそろ魔法具取るか……」
俺の作ったものを下手に見せびらかすのはあまりよろしくない。ゼインはまだ『便利そうだから譲ってもらえないかな』くらいの感覚で欲しいって言ってきたけど、人によっては殺してでも欲しいとか思う人が出てくるかもしれないしね。
製作者としては、そんなことするやつに道具なんて渡したくないし。
余計な芽は種のうちから回収しておくべきだ。
魔法具を取ると多少スピードは落ちるが、目的地は見えているから大丈夫だろう。
メイド達に手で合図を送ると数秒後に全部の馬車が停車した。相変わらず凄い反応速度だ。
走ってる馬車を止めるのって結構難しいからね? 動かしてるのが人間じゃなくて馬だから。
メイド達が魔法具を回収している間にゼイン達の様子を見に行った。
「「「………」」」
真っ青な顔色で沈黙していた。全員見事にグロッキーだ。
「大丈夫かよ……もう公国見えてるけど」
「こんなに揺れるとは……聞いてな……ヴッ」
「……なんかごめん」
とりあえずエチケット袋と水の入った水筒を渡した。
っていうか、護衛のスベンさんもぐったりしてるけど大丈夫なんだろうか。
俺たち居るから戦力的には問題ないと思うけど、公国に入るにあたっての手続きとか俺知らないよ?
事前申請は家族分の手続きしかしてないからね?
「やっぱり酔ってますね……」
御者をしていて中の確認をしていなかったらしいソウルが苦笑しつつ回復魔法をかけてやっていた。
俺よりも回復魔法のセンスあるからなぁ、ソウルは。
どっちかっていうと魔力のゴリ押しで無理に時間を巻き戻して固定させたり、個人の自然治癒力を高めたりする魔法は使えるけど、車酔いとかには過剰すぎるんだよ。
その点、ソウルは通常の怪我の回復から、毒消しや空気の浄化、二日酔いまでなんでも治せる。ここまで特化しているのには理由があった……はずなんだけど、思い出せない。
多分昔のことをかなり忘れている。
親の顔、ぼんやりとしか思い出せないし。
「ブランさん? どうしました?」
「ん、あ、いや。なんでもない」
早く出発しよう。周りのメイドにそう声をかけて馬車に乗る。
……今は、思い出せないことは放置しておこう。
仕事に集中していれば、思い出せない恐怖なんて忘れられる。
「……偽物ではないだろうな?」
「本物ですッ!」
公国は外からは全く見えない。ウィルドーズは壁で囲って街を守っているが、公国は魔法的な力でそれを成している。
そもそも、門からしか出入りできないどころか国も見つけられないんだ。
ちょっと面白いんだけど、原っぱのど真ん中に門だけが立っている。そこを潜ると公国に転送される、という仕組みらしい。どんな仕組みなのか気になる。分解させてもらえないかな? 無理だろうな。
その為、出入りの制限はかなり慎重だ。門番が一人一人確認しないと街には入れてもらえない。
犯罪者とか入れるわけにはいかないもんね。
で、入るためには申請が必要なんだ。各国の要人とかだと、身分さえしっかり証明できれば入れてもらえるみたいなんだけど。俺は貴族とはいえ一代限りの当代貴族だし。
だからちゃんと申請してたわけですよ。大分前から。
それがですよ。
ま、いつもながらの事なんで分かっちゃいたけど。
俺が代表だと言った瞬間に門番の目が犯罪者かどうかを疑う目になった。
なぜいつもこうなる。
【貴方がしっかりしてないからじゃないの?】
……はい。その通りです。
見た目からして俺が一番ガキっぽいしな。
……自分の言葉に自分で傷ついた。
「書類には19歳とあるが……本当に19歳か? 10歳の間違いじゃないのか?」
「そもそもなんで子どもが代表なんだ?」
門番二人のコソコソ話が、俺の耳にはハッキリ届くよ……
俺今年で20歳なのに……大人なのに……
「ブランさん童顔ですしね」
「子どもと言われてもおかしくはないか」
「主は小さいですが立派な成人です」
『子ども並みの言動もあるけど、意外と色々考えてるわよ』
ここぞとばかりに仲間達が俺に向かって誤射を……!
フォローのつもりかぁ⁉︎
むしろ俺に突き刺さってるよ!
確かに昔から実際より数歳若く見られるけど!
高校生なのに小学生に間違われるって結構精神的にダメージ受けるんだよ!
その後。
なんとか調べがついて俺がちゃんと申請していたことが確認取れて、やっと街に入れてもらえることになった。
この国には拠点がないからどっか借家を借りるか、宿を取らないと。
馬や亜竜も居るから借家がいいなぁ。
門を潜ると、長いトンネルに出た。点々と置かれたライトの明かりを頼りに前に進む。
「ブラック。公国はどんな国なんだ?」
「見てみればわかると思うよ」
首をかしげるレクスだったが、トンネルを抜けた途端に目を輝かせた。
初見のソウルやスベンさんも物珍しそうに周りを観察している。
俺とピネ、ライトは実は一回仕事で来てるんだけど、初めて来た時は俺も驚いた。
この国のインフラは全て魔法で補われている。
この世界全体がそもそもそんな感じではあるんだけど、この国は特にそれが顕著だ。
移動手段は基本的に飛行魔法具だし、高価で維持の難しい魔法具のライトなんかが町中にあふれている。
そして面白いのが荷物や手紙の運搬などの力仕事も魔法だし、なんなら噴水までもが魔法で動く。
何もないところから水が湧き出ているのを見ているのはなかなか面白い。
空では誰かに届ける途中であろう手紙や荷物が飛び交っている。
他の街では魔法使いの適性の問題から、ここまで魔法化できる街は先ずないと言っていい。
運搬などは馬車で行うし、ライトは松明っていう国も珍しくない。
最先端の魔法文明が集う国、それがこの魔導国家とも言われる公国だ。




