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mudai  作者: HAL
プロローグ
5/6

5

 昨日の夜の出来事は健太にとって悪夢であった。

 いや、夢であればこんなに悩むことはないであろう。

 確かに蒼髪の少女の糸を断ち切った。

 胸の中に入れる感触は、沼に手を突っ込む感覚。

 糸を断ち切る感触は、ゴムを引き千切る感覚。

 まぎれもなく空想ではなく真実。

 その感触を思い出すたびに、胸が肉壁を叩いてきた。

 警察に自首しに行くのか悩んで現在、教室の自分の席に座っていた。

 健太は隣の空席を見る。

 御園の席だった。

 健太にこの事を相談できる人間などいなかった。

 だから事件の当事者である御園に相談するしかなかった。

 

 「・・・よう」

 「おい、女の子が挨拶してるのに無視はないだろう?」

 「えっ?」

 

 聞こえた方を見ると、慎二がそこに立っていた。

 

 「おはよう、前田君」


 健太は平静に見せようと挨拶をした。


 「慎二でいいよ、というか横の女の子が挨拶してんのに、何で挨拶返してやらないんだよ?」


 健太は御園の席を見ると、女子が座っていた。

 

 「おはよう、御そ・・・」


 健太は挨拶をしながら、横にいる御園に話しかけるが、顔を見て驚愕する。

 御園の席に座っているのは御園 春香ではなく、健太が二度と忘れることが出来ない顔だった。

 その席に座っているのは、蒼髪蒼眼が美しい女の子だった。


「おはよう、都筑君」


 昨日、まぎれもなく健太が殺した少女だった。


  

 

 

  

 

 

 

 

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