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魔王を倒したらただの人?今日から勇者は食べるために働きます。  作者: ころまる


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2/11

魔王を倒したらただの人?今日から勇者は食べるために働きます。1

宿屋を出た俺は、ポーチの中の小銭を確認する。


「……これじゃ、飯を一度食べたら消えるな」


思わず溜息が漏れる。魔王を倒した“元勇者”のくせに、生活能力ゼロとは情けない。




だが、いくら嘆いても始まらない。


今の俺に残されたもの──それは、魔王討伐の旅で鍛えたこの身体だけだ。


貴重な防具は国に没収されたが、素手でもそこらの奴よりはずっと強いはず。


「そうだ、ギルドに行ってみよう。護衛の仕事くらいならあるかもしれない」




そう思い、かつてギルドがあった場所へ向かった。


しかしそこにあったのは「デパート」だった。




「……デパート?」


食品も日用品も全部揃っているという、現代の便利すぎる複合施設。


冒険者が集まっていたギルドは、時代の波に飲まれ、もう存在していなかった。




通行人に話を聞くと、


「もうモンスターが暴れることもないし、冒険者たちは職人や商人になっちまったよ」とのこと。




俺はギルドを頼りにしていた。


モンスターを倒せば金もアイテムも手に入った時代が終わってしまったのだ。




風に舞う張り紙が足元に張りついた。


拾ってみると、こう書かれていた。




日雇い募集!

力仕事:一日8000バリー



「8000バリーか……宿屋に一泊したら消える額だな」


かつては一日狩りをすれば何ヶ月も悠々自適だったのに、今ではこれが相場らしい。


「……やるしかないか」




俺はそっと張り紙を握りしめた。


再び歩き出すために──。





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