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EP6/

問答くんについて。



14歳。夢の中で問答くんに会う。私に「天使か死神か」と問いかけてきたので問答くんだ。

私が見る夢がただの夢ではないと思わせた人で、現実でそれらしい人をネットで見つけた。顔写真は探せなくてギターの人が強面でやっぱり怖くて会いたくないと思った。問答くんからしたらなかなかの苦労人でイケメンでモテるらしい。こんな厳つい顔した人怖いよ…。

夢の中、私は右も左もよくわからなくなっていて逃げまどっては助けてもらっていた。愛を語ったら拒否された。

16歳まで一緒に問答した。週1だったり1カ月に1回だったり悪夢や子守唄のあいだをぬってだ。18歳に見た夢で死んだと思った。素敵でお人好しな策士様。

問答の影響か15歳のとき、痛みもなくただ心臓が止まった。声も出なくて横になったまま起き上がれずに一時間くらいそのままだった。孤独に死ぬってこうゆうことかって思った。医療系の専門学校の体入に来ていた時だったから親切な先生がこっそり助けてくれた。


夢の中の私の特徴をよく理解していた。問答には必ず応じること。目をかけている相手が幸せにならないと離れられないこと。夢の結果より形のある現実の方が強いこと。問答くんは「認めない」と夢の結果をひっくり返した。



23歳のとき。クリスマスの夜の夢で不可思議な夢を見る。木製の小さな部屋で男の人とふたりきり。男の人は部屋を覗く窓の前に立って警戒している。「人気者はつらいね」とか言われたから人気者じゃないって言った。友達も少ないし。誰かと付き合ったこともないし。そう私がいうと「へぇ?」とたのしそう。窓の前に私も立ってみると馬やら牛が描かれた木板がすれ違ってはこちらを覗いていく。

「ねぇ。どうしてこっちからは顔が見えないの?向こうからは見えるのにズルくない?」そう問うと「顔が見たいの?」と不思議そう。だって好きで見に来てくれているなら顔くらい見てみたいよと私は言った。男の人は逡巡して驚いたように聞いてきた。「まって。君いまいくつ?」「え。23。ん?24?」

「そう。もうそんな年になったんだね。」そう言われた。


24歳のクリスマスにとんでもない明晰夢を見た。経験がないのに感覚があった。私は男嫌いこじらせ人で、かつ疲れたら人がオニにみえる。頑張って付き合っても3カ月ももたなかった。こないだ32歳に終わってしまった1年8カ月が最長だ。そして未だ経験はない。つまり未来の私がわざわざ記憶を塗りつぶして感覚を付与している。何しているの未来の私?それとも問答くん?

まぁ、ともかく男の人は問答くんだと思う。31歳のクリスマスに流用した。


流用した、というより重なっていた。

男の人に夜這いされるけど私も男でタチでノリノリだった。なんでやねん。

ひとつの身体を共有するが如くたくさんの人が24歳の私に重なって身動きできなかった。

しかもその夢の中では過去から未来に飛んできた16歳の私が横でゲームしていた。だいぶカオス。

恐らく16歳と24歳がいて、31歳の私が問答くんと重なっていたということになる。

自分を自分で????????

問答くんは夢の中で7年後に飛んできたのだろう。

過去に問答くんと問答していた夢のひとつに、問答くんからなにか流れ込んでくるものがあった。よくわからないままそれは拒絶反応も起こさずに収まってしまった。それが理由かもしれない。



問答くんとの夢の中でのキーポイント。

・彼の苦しみに寄り添うために「息を止めるの」と夢の中で歌った一年後くらいの15歳に前触れなく本当に心臓が止まった。

・誓いとして吐き出した愛が宙に浮いた。16歳の年齢を懸けて行われたので16年後にほどくことが出来た。それまで彼に関するものを見ただけで身投げでもしたくなるほどの激情に襲われていたのにそれが消えた。

・子守唄をひっくり返しつづける。愛も拒絶する。そんな彼に先を見通す力を願った。実際手に入ったのだろう。

・夢の中で、問答くんから私の方へなにかを流し込まれた。拒絶反応もないままよく分からないところに収まった。

・最後に見た問答。世界のための扉はどちらかという問答。どちらの扉を選んでも「さよなら」だった。このやり方は「さよなら」の参考にした。

・18歳のとき。彼に彼の望む形で彼の息を止めるよう願われた。先を見通す力なんてあげるんじゃなかった。これが最適解だって。私のためになるって。私が気も狂わんばかりに絶叫して走り去っていたのを檸檬くんが見ていたようだ。



流しこまれたことについて身に覚えがある。私はクラシックバレエは嗜んだことはあるけどタップダンスとかそっち方面は全然分からない。というか人前で踊らない。死人やヒトの前では気にせず踊るけど。お酒もそう。お月さんはお酒に詳しくない。


蟻地獄さんに困っていた時、「ちょっとまかせてよ」といわれて夢の中で体をのっとられた。乗っ取られたというのは微妙な表現かもしれない。重なっているって言った方がいいかも。

奇妙なダンスを踊りながら歌うのを重なりながら見ていた。


お酒もそう。「あ。きづいちゃった?」「なにしているの?」「まぁまぁ、そこで見ていてよ。僕もなかなかやるんだよ」と言われてまた重なって眺めていた。

私はあんな可愛く踊ったりしない。



でもそれらは流しこまれる前の夢だ。

流しこまれた後でそれらしいことといえばなんだろう。

問答くんの扉問答を参考して17歳〜19歳でほとんどの子守唄の子と「さよなら」を済ませている。その時も付いてきた。鉄壁の言論武装くんの時なんか「あーあ。かわいそうに。あの子ついてくるよ」「ついてこないよ。君ほどいじわるじゃない。」「君って……いーや。ついてくるね」「じゃあ賭ける?なにもないけど」「賭けるまででもない。僕の勝ちだ」

そんなやり取りした記憶がある。


問答くんに関係したことを見るたびやけになって家を飛び出そうとしたことが何度かある。こないだもあったけど。そのたびに小雨が降る。誰かに声を掛けられる。足止めをされる。

男の人にときめいたと思ったら一秒後にその感情が消える.……とか?気のせいかな。


なんかここまで書いてきてふと思ったんだけど、私のカジュアル服のセンスとかだいぶ問答くん寄りなのではないだろうか?やはり気のせいかもしれない。


私が男嫌いを拗らせていなければ会えたかもしれない。会ったらなにか変わったかもしれない。でも仮定の話だ。問答くんは今も側にいるかもしれない。でも生きて側にいてくれるわけじゃない。そう。つまり、終わった恋だ。ひどい人だ。そしてお人好しだ。

2025/05/24 素敵な恋だった。


2025/05/27 図書館で「沈黙」のとある箇所を読んでいる時に既視感があった。本の内容にも既視感あったけど読んでいる最中に激化した私の感情や思い悩みながら階段をおりる私の姿を第三者として夢の中で見た覚えがある。あれは9歳のころだ。姿を見せない男性と喋りながら「この女性を助けなきゃ!」とか言っていた。たぶん問答くんだ。「結婚しなくてもいいんじゃない?」とか言っていたし。それに対して私は「大丈夫だよお姉さんきれいだよ!でも服ちょっと地味じゃないかな」とか言っていた。自分に自分をジャッジされている.……。

階段を下りる私がもう死ぬしかないと考えているのをみて、「ほらぁ!なんとかしないと」と9歳の私。問答くんが「確かにそれは問題だね」とこたえた。これはどっちに結果が転んだのだろうか。




燃えないゴミの日さんについて。


ポートレートが理解できない永遠のワガママくんだったけど、最近は変わったみたい。

彼の家庭内事情は複雑だ。


彼の父は私に黒い傘をくれたのですが、去ってから3年保つくらい力が強かった。

そんな彼の父は善人とはいえない。上手い口八丁と外見で危なくなったら責任を下に任せ、一流会社を渡り良いポジションを維持し財をなした。

そんな彼のことを傘の人と呼びます。


傘の人は出会った当初はただ立ち尽くしながらこちらを敵視していました。壊れた傘をさすでもなく手に持ったまま雨に打たれていました。だいたい3カ月くらいかな。そんな死人の前で私は気にせず他の死人に子守唄を歌っていたのですが、ある日敵意を感じなくなったので話しかけて傘を直してあげました。


まぁ。そのまま。傘をさしてまたひと月ほど。普通の死人なら時間経過で霧散するのに、飽きずに私のすることを見ていたようです。これは君にこそ必要だと傘をくれます。そしてそのまま2週間ほど子守唄のついでに通り掛けで話しかけては仲良くなります。


ある日、息子を頼みたいと言われます。君を見ていて愛すべきものを思い出したんだと。

でも私は気乗りしませんでした。せめて両親ともどもにそう思っているなら請け負うといいました。


そんな傘の人、3日後くらいに奥さんを連れてきました。水商売の香りがする女の人です。正妻は別にいて仕事の出張先かなにかで遊んでいる時に一緒に死んでしまったそう。何してんだ。


水商売の香りのする女の人は燃えないゴミの日さんのことはどうでも良さそうでした。

「あぁ、アレ?」

傘の人が肩を抱いて耳打ちします。

「悲しんでコッチにすぐ来て邪魔されたら困るだろう。」

聞こえてんぞ。


傘の人はそのあとも折角の2人の子どもだとか何とか言ってました。

女の人はうーんと考えたあと

「まぁ。たしかに。あの子をどうかよろしくね。」と言いました。


一応。本当に一応、両親からのお願いが揃いました。


燃えないゴミの日さんを見に行けば、正妻の血が繋がっていない義母に引き取られていました。

引き取られたといっても一緒に暮らしてはいません。義母は良い人で週に1回は必ず様子を見に来ました。傘の人が成した財のおかげでお金に困らず、でもいつも一人。


子守唄を歌いにいきましたが、力が強い赤ちゃんで本当に困りました。

私の力に攻撃性も守備もないのに、彼の力は攻撃に極振りしていて普通に体調崩しました。

傘の人には、君の力になるだろうとも言われましたけどもね。口の上手い方でしたから。

正直どうでしょうね。今のところそうは思いません。


暴露おわり。まぁ。夢の中の人物ですからね?皆さん気にしませんよね。





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