EP10 最強VS最強ガチンコ勝負
ニヤァ~
「でわ、わたくしのF-15と、王女プリンセス・ソレイユの最新鋭ラファール2024! 願ってもないガチンコ勝負が出来るのですわ!」
ふひ
「おいマーガレット、その気持ちの悪い笑みはなんだ! そんな事は断じてこの俺が許さん。お前の性分では売られた喧嘩は買うだろう。それで大怪我でもされたら取り返しがつかんし、外交問題に発展するぞ」
<それには私も同意するが、島津は必死だな>
仮にF-15とラファール2024が模擬戦をするにしても、マーガレットではなく操縦桿はこの神木が握る。如何にプリンセス・ソレイユでも、エースの私に勝てる筈がないだろう。
普通に考えれば、性能面ではラファール2024が有利。しかしF-15もアップ・デートをしているのだ。勝敗の行方はテクニックに委ねられるだろう。
<極秘情報>
______このガチンコ勝負は、本店那覇基地でもプリンセス・ソレイユが、そんな要求をしていると承知していた。
「日本王国、那覇基地と宮古島分屯地の意地を見せねばならん。特別にマーガレット三等空嬢のF-15訓練を許可する!」
こうしてF-4の操縦ライセンスを持つマーガレット三等空嬢が、島津のアシストを条件に、宮古島分屯地で訓練を始めたのだった。
この平行世界のF-15とラファールは、共にVTOLである。弱点は、F-15が電子機器で少し劣るところだ。
「いきなり操縦桿を握らせてもらえなかったの」
<当たり前だ。まず後席でF-15の機体運動に慣れろ。ガチンコ勝負は私が引き受ける。しかし私はVTOLは経験がないが、そこはなんとかするさ>
「わたくしに喧嘩を売って来ているのです。早く操縦させて欲しいものです!プリンセス・ソレイユは、わたくしが泣かせてさしあげますわ」
最初は地上滑走訓練から始まり、やがて垂直離陸、着陸と訓練が続いた。
F-4を飛ばせるのだから、マーガレットの飲み込みは早い。
<いいか、ラファールと勝負するのはこの私だ。それだけは忘れるなよ>
「そんなの分かってますの」
「マーガレット、訓練中の私語は慎め。"分かってますの"だと? ラジャーぐらい言えんのか」
「また怒られてしまいましたわ!」
<知るか!>
要はマーガレットが離陸、着陸さへ出来ればいい。その後は私の出番なのだから。
「おぉ、やってるやってる。マーガレットお嬢、F-15のVTOLに大分慣れて来たぞ」
訓練開始から2週間、マーガレットは島津に代わって操縦桿を握るまでに成長していた。
本当は私がかなりアシストしている訳だが、当の島津の驚きは大変なものだった。
「むう、正直、俺は驚いている。マーガレット、お前にこれほどの才能があったとは。これならソレイユが乗るラファールとタイマンが張れるかもな」
『それはtatuzoのお陰』
「わたくしが本気を出せば、こんなものチョロイですわ」
おほほ
「あぁ、この調子で勝つんだ」
「誰におっしゃっているのかしら? 班長」
<おい、ますます惚れられたぞ>
ほっ? 誰がですの?
<自覚なしか。お前らしいなマーガレット>
◇プリンセス・ソレイユを知れ◇
敵を迎え撃つには敵を知る事。相手はSNSやyoutubeで、マーガレットの色々な情報を得ているのだ。
フランス王国御令嬢プリンセス・ソレイユの情報など、ネットで検索しても僅かである。
______この時点でマーガレットは不利なのだ。
<マーガレットの母親、マルゲリータはフランス人だ。何か知っているのでは?>
「そうだわ、フクロウ便で手紙を書いて送りましょう」
<なんとも古風な事で>
バサ
バササ
3日程で、マルゲリータから返信が届いた。
「読むわね......」
前略-中略。
お問い合わせの件は、返答しかねますの。
わたくし、20年前は貧乏男爵家のメイドの身。
没落寸前の男爵家のわたくしを、口減らしでリストラされたフランソワと共に、日本王国のお父様に拾われたのです。
ポッ
わたくし、そのような王国のお話など、これっぽちも知りませんのよ。
ごめんあ~さぁせ
母より
<マルゲリータ、使えねぇ>
「いいのよtatuzo、母はそう言う人ですから」
<どうする戦略は?>
「悪役令嬢は、出たとこ勝負ですわ!」
______こうして約束の一か月が過ぎようとしていた。
既存のF-15では不利。日本国のプライドのかかったこの勝負に、本店那覇も本腰を入れ、ついにF-15最強のEXを投入したのだ。
<最強と最強のガチンコ勝負になるぞ>
「ふん、望む所ですわ」
「よく言ったマーガレット。EXだろうと模擬戦まで、俺がしっかりナビをしてやる。お前は勝負に専念すればいい」
「わたくしが勝ったら、ご褒美に班長の事はポチと呼んで差し上げますわ」
ふん
「お前が負けたら、俺の隊に転属して補佐をしてもらう。俺の直属でな」
<このドサクサに、島津の本音が出た!>
「万が一にも、それは有り得ませんの」




