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1話 弟子からの手紙

今日から第3章スタートとなります。

「おや?ミハイルから手紙ですか」


 教国の教皇である私の下に届けられたソレは意外な人物からの手紙だった。

 かつての教国高等神学校での教え子であり、グレイシア王国大聖堂の大神官であるミハイルからである。


 彼は独立心が強く、恩師である私を頼ることは少ない。しかし飛び抜けて優秀であり1から10を知る天才肌だった。


 その彼が私を頼ってきた。只事ではない。


 中身を読んでみれば彼が私を頼り手紙を寄越したのも納得だった。これは確かに下手な人物には任せられない。


「まさか神々の奇跡をこの目で見る機会が訪れようとは夢にも思わなかった。私は幸運だ」


 残歴転生、輪廻神に選ばれし使命を負いし聖人を現れさせる輪廻の理を越えた現象、巷では存在そのものを疑われてるこの現象は実在する。教会の本部たる教国にはかつての残歴転生の記録が残されており、神聖視する者も少なくはない。


 今回ミハイルが頼んできたのは一人の残歴転生した少女の教国訪問に関してだった。

 残歴転生しただけでも相当特殊な立場にあるのに色々と柵やら何やらあるらしく、目立たぬよううに支援をしてほしいとのことだった。


 確かにこれは自分のところにこんな依頼がくるのも無理はない。それは正しく理解した。


「たまには教え子の為に頑張りますかね。まさか教え子の依頼が人生最大の仕事になりそうです。このガルブエリ、神の使徒を必ずや正しき方向に導いてみせましょう」


 私は神々に誓った。必ずやその少女を神の使徒として、聖人として正しく歩めるよう導くことを、そして世界の為にこの身を捧げることを誓った。


 ミハイルの言う少女は近く教国に入国するだろう。

 本来であれば国家元首であり教会のトップである私が一人の新人冒険者に会うなどありえない、いや、あってはならない。でも今回ばかりは何が何でも接点を作り接触を試みる必要がある。

 何とかできないか、私は必死に頭を働かせ、対応を考えた。


 少し考えた後、答えが出た。

 極めて特殊な依頼を出して本人を引張出せば良いのだ。依頼達成の報酬絡みなら周りも文句は言わないだろう。


 それに時期が良い、国土に特殊で厄介な魔物が発生しており、その討伐依頼なら角は立たないだろうと考えた。何しろアレが居座るのは聖地の中だ。しかも訳の分からないことに複数人だと逃げる傾向のある魔物でもある。なので今のところは国として該当地への立入禁止と監視するに留めている。


 私はタイミングを見て冒険者ギルドに依頼を出すためにその準備を始めた。

 依頼人の名は国ではなく敢えてこの私、ガルブエリの名で出そう。


 彼女がその依頼を受けてくれることを願いながら私は生活をすることになった。

いつも理を越える剣姫をお読みいただき誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。


時期未定ではありますが、本作のサイドストーリーを2本程計画しております。先日の短編みたいにひょっこり出すことになるかと思います。


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