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15話 マリアの考察

 マリアは学んでいた。

 彼女の望みはなにか?

 内政官である。


 女性の社会進出はあるにはあるが少ないのが実情である。男性優位の社会の中でも特に男性優位な中で活躍してやろうという野心である。当然公爵令嬢の立場を利用して女性社会で立場をしっかり確立した上でである。

 やりたい放題とまでいかなくともこの世界における一般的な女性らしくない動きを好むところがあり、アリシアと同類でありその点彼女は親近感を持っていた。



 私は親近感があってよく見てるからこそアリシア殿下の振る舞いが急に大人しくなったのを見て違和感に気づいたのです。そもそも彼女から見てアリシアは俊才だけど自由奔放でやりたい放題が過ぎるお姫様であり、あまり深く考えず動くタイプの人間というイメージ。真面目に働くとしても恐らく騎士団だろうと当たりをつけていました。それが急に大人しくなり数多の知識を得ようとするのは違和感しか感じませんでした。ただ読んでいる本が地理やら統計やら社会に関わるものが多かったので文官の道に転向しようとしてると考えておりました。

 だけど私の予想は大きく外れることになりました。魔導書は完全に想定外、何を考えているのかさっぱりでした。

 なのでここでアリシア殿下について一度情報を整理して考え直して見ることにしました。彼女が力を入れてるものから何に繋がるのか、それを求めることにした。


地理

各種統計

法学

地域文化

剣術

魔法

魔物のデータ


 後者3つは間違いなく戦闘職になるのにほしい技能や知識でした。

 前者4つは逆に文官系の方向に進む人が覚えるべき知識であり後者と一見矛盾します。

しかし地理や法学は騎士団幹部を志すなら覚えるべきことも多いのも事実であり、それを志と見ることも出来る。地域文化も同様に出動した際の助けになることも考えられます。

 それと全く意味不明なのが統計の類です。

 統計はそれこそ文官に必要で騎士にはあまり必要のない知識と言えます。

 つまり基本的には武に関する道で文官が欲するような知識を追加で得てる事を示しております。本来の殿下は…自由奔放なお姫様…ん?自由…?

 あー…繋がってしまいました。民間の活動なら経済のトレンドは知っておくに越したことはありません。自由な冒険者なら尚更様々な情報が求められます。全てが繋がりましたね。

 しかし陛下や兄君たる王太子がそれを認めるでしょうか?

 陛下は王族の名誉と親の立場から、王太子は自分の政略結婚の駒を減らしたくないが為に殿下が冒険者になることを拒むと思います。


 特にあの王太子は私から見れば暗愚も良いところ、勉強しないで威張り散らす、友人は悪どい家系の若手貴族ばかり、良いところは血統以外1つも見えません。

王太子はアリシア殿下の婚約者もその友人の高位貴族の中から選ぼうとするでしょうね…。そうなれば殿下は絶対嫌がるでしょうし抵抗するでしょうから多かれ少なかれこの国に政治的混乱を招くでしょう。


 陛下は嫡男故に更生を試みてるようですが無理だと思います。

 いえ、私にとっては一番の嫌なのは、陛下が王太子の更生を中途半端に諦め、やり手の高位貴族の令嬢を妃にして妃に仕事を押し付ける事になることです。そうなれば私がその生贄になるでしょう。それが私にとっては一番なってほしくないシナリオです。


 1番嫌な将来から逃げるために私も文官の道を放棄して殿下のように冒険者を志して出奔するのも悪くないのかもしれませんわ…。そうなると体を鍛えないとついていけないですし…困りましたわ…。

 一度殿下と話はしたいところですね…。

いつも理を越える剣姫をお読みいただき誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。

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