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V:出会ってしまった者達

う、またもや国語力のない駄文作をネットに……皆様、お許しを。

「何故、名乗らないのですか? ご自分の正体を」


 学院から帰って来た三人はノエルの部屋にいた。リオはノエルの好きなホットミルクを出し、何故かちょこんと床に体育座りをする。


「いいじゃん、面白いし」

「いいえ、これでは周りの生徒にまで無礼な者が増えますよ」

「別に、いいけどね」


 今は九月。真夏の暑さは段々薄れてきたが、まだホットミルクを飲むのには暑い季節。それでもノエルは口に液体を流し込む。


「何か楽しくない? こういうの……」


 ノエルは下を向いて悲しそうに笑った。


「……」


 ノエルの気持ちを今の一言で察したのか悠璃は黙り込んだ。

 ノエルには同年代で親しい友達はいない。生まれた時から国中の者がノエルに頭を下げ、決して敬語を欠かさない。ノエルは長年、友達と呼べる存在が欲しかった。次期王の立場には意外と満足しているのだが、何かが納得できない。

 ノエルは急に顔を上げて、楽しそうに笑う。


「何気に収穫もあったし」

「収穫?」


 今度の新しい執事の悠璃が腹黒だったと言う事は大きな収穫だった。腹黒執事とヘタレ執事……これからノエルは退屈しなくて済みそうである。


「もう少ししたら教えるさ……。俺が自分の主国の次期王って知ったらどんな態度取るかなアイツ」


 それはもちろん、敬いしかない。それ以外はきっと許されない。


「……」

「だ、大丈夫です……あの方は悪い人にも見えません、態度なんかかか変えません」


 今まで床に座って彼等を見上げていたリオが震えた声で言った。隣で悠璃が微笑む。

 何を言いたいのか要点はあまり伝わらないが、彼はノエルを励まそうとしていたのだ。読心術を心得ている者にしか分からないであろうノエルの心境は悉く執事二人に見抜かれた。






「おはよう」


 次の日。

 その日も定刻通り学校についたノエルは執事の二人を残して走り出した。その先にいたのはアランと昨日からすっかりやつれたウィル。きっとウィルはあの後、悠璃によって脅迫されたに違いないとノエルは思う。


「よぉ!」

「ひっ……」


 今日も馬鹿オーラを太陽のように振り撒く主とは逆に、ウィルは化け物でも見るような目でノエルを見た。


「今日の一時限目って何だっけか?」

「うーんと、数学かな」

「げ、数学かよ……」


 いかにも苦手という表情をするアラン。ノエルが思った彼の第一印象は勉強嫌いというイメージであった。しかしそれはどうも理数系だけであった。


「確か、小テスト……」

「マジかよ……何もしてねぇ」


 もちろん、ノエルは全教科同じくらいに得意だった。そしてテストでの順位は常にトップ。


「エヴァレット国って頭良い国だよね?」

「うっ……あぁ! 知ってるか?数学を生み出した人はエヴァレットの遠い遠い遠い先祖なんだぜ!」

「うそっ、そりゃ初耳」


 本気で初耳。エヴァレットはノエルが物心着いたときから最下層国だったので実際、ノエルも国名程度しか知らないのだった。


「それだけじゃねーぞ! 俺のお爺様はディーリアスの何代か前の国王の王佐だったし……曾爺様なんか特学院の理事長だったこともあるっつってた。お父様が! しかもエヴァレットは農作物が沢山とれるからディーリアス王国の野菜なんかは殆どエヴァレット産だ!」


 話が大いにずれた気がした。しかし分かったことが一つ。エヴァレットのお爺様と曾爺様とか農作物はどうでもいいが、アランはエヴァレットが大好きだということ。


「自分の国のこと以外にも勉強してもらいたいがな」


 ノエルの後ろで悠璃が呟く。全くもってその通りだと心の中でノエルが呟く。


「でも……」


 アランは悲しそうに話を繋げる。


「そんなエヴァレットももうすぐ潰える……」


 そうだ、とノエルは思い出した。この間、ノエルが(暇だから)出席させてもらった国事会議でエヴァレット国の買収の話が出た。値段はたったの五百万ドル。


「憎い? 潰すディーリアスが」

「憎いさ」


 黙って泣きそうなウィルは更に涙目。


「でも、嫌いじゃない」






「はぁ気が乗らね……」


 黒いスーツに身を包み、胸ポケットに白い薔薇をつけたノエルは控え室のソファーで沈んでいた。

 今日はディーリアス王国主催のパーティ。出席するのは属国の二十ヶ国代表者とディーリアスを支える企業代表。貴族の方々。


「あのくそじじい。頑固すぎんだよ!」


 綺麗な格好をしながら暴言を吐き捨て、ノエルは下唇を噛んだ。

 さっきまで実の父、シエルと会っていたノエルは思い切ってこんな願いを言ってみた。


<エヴァレットの買収の話を取り下げて欲しい>


 答えはもちろん却下。しかも即答。バツのジェスチャー付き。

 理由は産業都市なら他にも沢山あるし、エヴァレットは農産業しか能がないからである。


「ノエル様」

「分かってるよ、パーティーではちゃんとするさ!」


 何故エヴァレットを気にするか、とシエルに質問を返されたときノエルは答えられなかった。実際、ノエル自身……何故だか良く分からないのだ。ただノエルは凄くアランに罪悪感を感じたのだった。


「ノ、ノエル様は、わわ悪くありません」


 どうして心が読めるのか、とノエルは問いたい気持ちでいっぱいだった。

 そう、自分が悪くないのなら平然としていればいい。そうノエルは心に言い聞かせた。


「あいつ、馬鹿だけど……エヴァレットでだったら良い王になる気がするんだけどな」

「…そ、そうですね」

「ノエル様、お時間です」


 悠璃が静かに懐中時計を閉めて扉を開けた。





城の中で一番大きな宴会場にお洒落な格好をした貴族達がワインを片手に賑わっていた。

 先ほどまでの感情を全て隠し、優しい皇子というオーラを纏い、ノエルは宴会場へ足を踏み入れた。


「ご機嫌麗しゅう、ノエル皇子」

「お元気そうで何よりです、ノエル王太子」


 真っ先にノエルの前に現れたのは王族の機嫌ばかりを伺うディーリアス王国総務大臣と外務大臣。


「ノエル様、お目にかかれて光栄です」

「まぁ次期国王陛下」


 次は第十五国オルグレン国の次期後継者と現国王。王族の機嫌取りしか能のない最下層国には興味ないが、印象は良い方が決まっている。ノエルはとりあえず作り笑い。


「ノエル様……」

「ん?」


 呼ばれて振り向くといかにもジェントルマンの見本のような男性が帽子を胸にあてて立っていた。胸ポケットの薔薇が特に似合う。


「申し訳ない。どなたでしょうか?」


 ノエルにはまったくこの人に会った記憶がない。だが、ここにいると言う事は……


「ああ、私はエヴァレット国王のイアンと申します」

「(聞き覚えのある国名だな……確か農作物がよく採れる国で、俺はどこでその国名をきいたんだっけ?)」

 

 上手く頭が回らない。


「今日は息子を連れて参りました」


 イアンの後ろから似合わない格好をして慣れない足つきでジェントルマンの息子が前へと出てきた。


「あ……」


 ノエルの反応は完全に遅かった。


僅かな読者様から指摘が殺到……ああ、国語力、表現力が無さ過ぎる……です。

それでもこの作品が少しでも上に向かって行ければと思いますので、皆様、感想と評価をお願いしますね。

本音で送ってくださって構いません!!


では。

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