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IV:とある国のお馬鹿な国王

よ、四話……ペース遅いぞ、悠雅!!

お待たせしました、ルーズボーイの正体やいかに……!!!

 いくら金持ちが集う学校だとは言え、校則ぐらいはちゃんとある。在学中の生徒はピアス禁止だとか、制服は決められた物を着る、化粧は禁止、パーマも禁止、ゲーム持ち込みも禁止という庶民学校と同じような校則を次々に破り捨て、次期国王であるノエルを彼は見下している。

 周りにいた生徒達は心臓が飛び出したかのように驚いた。

 流石の悠璃も驚いて言葉が出ない。


「アラン君、そのお方は皇子のノエル様!」


 この異様な空気が流れた教室の中で一人の勇気ある女子が遠くから小さな声でアランに教える。が、アランは全く気がつかないご様子。


「……貴様、異国人か?」


 やっと自分を取り戻した悠璃はアランに聞いた。

 アランはズボンのポケットに手を突っ込んで胸を張る。


「だったら?」

「ならば仕方がないですよ、ノエル様」


 何が仕方がないのか、ノエルには分からなかった。地球での三国は有名だし、地球人が他国の王国を知らないなんて有り得ない。つまり他国と言えど、三国の内の一つ、ディーリアス王国次期国王を知らない者など赤ん坊かボケた老人くらいだった。


「馬鹿……と言うことでしょう」


 悠璃は落ち着いた口調で言った。

 何やら今の言葉は何気にアランの心を攻撃したようだ。


「馬鹿言うな! 俺は世界一天才だぞ?」


 次期国王の前で自分が世界一発言。生徒逹はアランのこの言葉にもうすぐ昇天してしまいそう。

 


「でもさ、お前等が教室入ってきた瞬間に空気が変わったよな」

「当たり前だ」

「なーんか悔しい」

「一生悔しがっても勝つことはないな」

「何だと?」


 アランと悠璃は言い争いを繰り広げ始めた。


「あー…悠璃? その辺で良いよ、もうすぐ予鈴が鳴る」





 一秒違わずに鳴った本鈴から既に半時間は過ぎた。

窓の外を見ると青い世界だけ。高すぎて地上が見えないのだ。窓に近づいて下を見下ろせばそれなりに綺麗な景色なのだが……窓を開けることは決して許されない。

何故ならばここは二十一階。誤って転落してしまったら助かる術はなし。


「で? お前何者なんだよ」


何度無視されてもアランは懲りずに聞いてくる。先生すらも気が散って授業が上手く進まない。

なんとアランはノエルの後ろの席だった。しかも話しかける時にノエルの椅子の裏を爪先で突つく。


「教えない」


ノエルは意地悪く笑いながらそう言った。ということは他の生徒はノエルの正体を聞かれても答えないだろう。もし教えてしまったら皇子に何をされるか分からないから。


「何でだよ! じゃぁ名前は?」

「ノエル」


苗字は伏せる。ディーリアスなんか言ったら分かってしまう。


「上は?」

「教えない」

「家は?」

「教えない」

「ケー番は?」

「教えない」


ずっと教えないのエンドレス。最後の電話番号は別に教えても良いが面倒臭い。





「いいのですか? あんな無礼な者を放っておかれて……」

「別に〜?」


 午前の授業を終えたノエルと二人の執事は人の少ない第一空中庭園へとやってきていた。いや、人が少ないのではなくこの時間帯はノエルが昼食時に使うからあえて誰も通らないのだった。

 地面いっぱいに小さな草達が生え、所々に小さな花が咲いている。学院内の十六ある庭園の中で一番綺麗と言われる場所だった。


「それにしても、噂以上に凄いですね……ここは」


 どう考えても驚いているようには見えない悠璃。リオはただ単に怯えているだけだった。


「まさか世界の幻影景(特別な場所)である第一空中庭園を貸切できるとは」

「俺様を誰だと思ってんだ?」

「……そうですね、失礼」


 貸切などではない。この学院はディーリアス国立特学院。学院自体がノエル達、王族が作った施設。ノエルが将来、王になることが出来たなら、その時は完璧ノエルの所有地である。


「では、早速お昼にいたしましょう」


 悠璃は大きなバスケットの中から大量のサンドウィッチを取り出した。リオは慌てながらも紅茶を注ぐ。ノエルは準備を待つだけ。ノエルにとって、まだ二日しか経っていない二人の執事と一緒にご飯を食べるのは凄く幸せなことだった。何とも言えない幸福感にノエルは笑顔を隠しきれない。

 するとそこに……


「ん? なんだお前達もここで食事か」


 やってきたのはもちろん。KYでチャラ男のアラン。今回も空気を読まないご登場。さっきと違うといえば後ろに人を連れていること。


「またか、貴様。ここはノエル様のご昼食場。貴様のような下衆が足を踏み入れて良い所ではない」


 タマゴ、ツナ、ハム、最後に苺のサンドウィッチをノエル専用皿に移し変えた悠璃はアランの目と鼻の先に立った。リオはハラハラしながらデザートのケーキを出す。


「あ? どんだけだし、第一空中庭園を貸切とか」


 貸切ではない。ノエルの物。


「貴様では話にならん、後ろにいるのは執事だろう」


 悠璃はアランを弾き、後ろにいた下を向いている男に話しかけた。

 男はクリーム色の髪を揺らして顔を前に上げると、


「申し訳ありません」


 と悠璃が口を開く前に頭を再び下げた。

 あまりの勢いに一瞬怯み、言葉が出ない悠璃。リオはビックリして紅茶を零してしまう始末。


「何故、頭を下げる必要性がある?」


 アランは男の襟を掴んで上へと引っ張り上げる。


「分かっていると思いますが、ノエル様は……」

「悠璃」


 悠璃がアランの目の前でノエルの正体を言いそうになった時、ノエルは悠璃の言葉を遮った。


「大丈夫、怒ってないからさ! それより……お昼一緒にどう??」





「……」

「……」

「……」


 物凄く言い表しにくい空気が美しいはずの空中庭園に流れていた。原因というか元凶はもちろんアラン。アランは楽しんでいたようだが、その執事のウィルの表情が……見ていて同情したくなるほど泣きそうな顔だった。


「あ、あの……その……」


 次期国王陛下を目の前にして、その上並んで食事など……最悪、物が喉につっかえるか、通らないか……


「遠慮せずにどーぞ」


 食べられない原因である次期国王ノエルに勧められ窮地に陥るウィル。それを見ていてイラついてきたのか悠璃は……


「早く食え、ノエル様のご好意を無駄にするつもりか」

「いっいいよ、無理しなくても……喉つっかえたら大変だし……」


 ノエルは両手を振って微笑んだ。

 しかし悠璃は……


「そのまま死んじゃえばいいですよね」


 と微笑んだ。

 その時の悠璃のオーラと暗黒大王のような黒い微笑みようはノエルも言葉を失う。もういっぱいいっぱいだったウィルは泣き出す寸前。離れていても視認できるほど目に涙が溜まっている。


「ノエル! お前の執事は少し無礼すぎねーか?」

「貴様に比べれば盗みを働く蟻程度だがな」


 もう駄目だ。悠璃は第二の顔を完全に出してしまっている。その証拠に凄く楽しそうだ。いつもは爽やかで美少女のように可愛らしい少年だが今は暗黒大魔王。


「なっ……そういえばお前執事の分際でよくそんなことが言えるな!」

「そっくりそのまま貴様に返そう、この馬鹿が」


 アランが馬鹿……というのは否定できない。


「俺様はエヴァレット国の次期後継者」

「……」

「どうだ! ビビったか!」

「やっぱり死ね」


 矢張りアランは馬鹿だ。エヴァレットとは……


「アラン様! もうおやめください! これ以上、この方々に無礼を働けば私が許しませんよ」


 涙目であまり説得力のないウィルはアランの腕を引っ張った。

 エヴァレット……ディーリアス王国第十八国であるエヴァレット。王国内で最下層国。もうすぐで第五国のガーネット国に飲み込まれる哀れな国。ノエルが思うに、アランがエヴァレットの王位を継ぐ頃にはもう……


「何故だ! エヴァレットの国の後継者なんだぜ? 俺は! 無礼なものか! 無礼なのはコイツらだ!」


 馬鹿以下かもしれない、とノエルは呟く。エヴァレット王国は最下層といえども確かにディーリアスの属国だ。にも関わらず主国の後継者を知らないとは……落ちぶれたものだ。


「申し訳ございません! 今日はこの辺で失礼させていただきます! 今後はこのようなことにならぬよう、しっかりとアラン様を教育いたしますので」


 アランを掴み、慌てて逃げるウィル。早く逃げねば殺される、といった慌てよう。


「あっはは、ざまーみろ」


 隣で悠璃は高々と笑う。リオは邪魔にならないようにか端で体育座り。


「悠璃、あとでウィルの口止めよろしく」


はぁ……いつも、僅かにいる読者さんから指摘を受け、通学中の電車、バスの中!!酔いながら読み返す日々!!

それでも馬鹿なので誤字脱字と日本語おかしい。

また、感想とと評価を頂けたらな……そしたら、忙しくても頑張れます!!

なんかおねだりしてる子供みたいな文に……


ブログ来てくださいね!!

んでは、またいつか(それ困る

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