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XI:不思議な生徒会

あわわ……インフルと間違えそうな紛らわしい風邪により、

二、三日ベットインしていました蒼空悠雅です。

今日も熱が下がらないため、学校を休んでおりますが、

そろそろ投稿しないと……と思い、寝ながら携帯に綴っていた小説を

投稿w


……今回ので悠璃嫌われます。女性の方に。

先に謝ります、ごめんなさい。

では。

 悠璃にクッションを投げたのはソファーに座っていた黒髪の女の子だった。悠璃と同じ黒くて腰まである長い髪。瞳も黒い日本人系の彼女は紺色の制服を着たままソファーに寝転がっている。



「すまない、アリシア」


「悠ちゃんが遅れるなんて珍しいねぇ」



 間違えそうなほどリオと酷似している小さな少年が出てきた。髪の色も身長も全て似ている。雰囲気だけが少し違う。その声は確かにエヴァレットで会ったフードの男の子だった。



「レオ……。あまりお前の兄にノエル様を任せられなくてな」


「だよねぇ、リオってヘタレだもんねぇ」


「悠璃ちゅわーん! 俺の執事になってぇ」



 燃えるような赤い髪を肩まで伸ばした青年が物凄いスピードで向かってくる。



「アーネスト、黙れ、近づくな、失せろ、変態が!」




 悠璃は向かってくるアーネストの腹を蹴り、壁に叩きつける。



「そういえばノエル様の成人式が近いと聞きましたよ……」



 元気のない少年がカーテンの裏側から出てきた。緑色の髪は酷く痛んで、水色の瞳は濁り、輝きを失っている。声も少し小さくて覇気がない。体に異常は無さそうだが、精神的には問題がありそうな少年である。


「精神科行ってるか? ルイス」


「最近は外にも出たくないので……」



 ルイスは再びカーテンに隠れてしまった。



「成人か……」



 青い学生服を身に纏い、一つに括った少量の長いクリーム色の髪をした青年が腕を組んで壁に寄りかかっていた。目の前にあるテーブルには拳銃が二つ。どちらも同じような形なので区別がはっきりとつかない。



「俺等もやったよね、シリル」



 拳銃の置かれているテーブルの椅子に座る優しそうな深く蒼い髪をした青年がクリーム色の髪の青年に話しかける。二人とも同じ学校の青い制服を着ていた。



「正確にはトレイシー、お前は道に迷って成人式を行っていないはずだが?」


「あはは、そうだっけ?」



 トレイシーは目の前にあるシリルの拳銃を手にする。



「あー、おかえり! 悠ちゃん!」



 ピンク色の長い髪を高く結い上げ、短いスカートから白くて細い足を大胆に出した少女が悠璃に抱きつく。



「暑い、ジュリー暑い」



 悠璃は体の細いジュリーを引っぺがす。彼女の腕はちょっと力を加えただけで折れそうだった。



「……うるさいです」



 ベランダの近くで椅子に腰掛けている眼鏡をかけた少女が呟いた。少女が読んでいるのは小説本……ではなく何故か携帯小説である。



「今日は“デイヴ”じゃないんだな、ミーン」


「悪いですか?」



 ミーンは一瞬悠璃を見て、直ぐに携帯へ視線を戻した。



「んで、分かったんだよねぇ? 次の“イーヴァ”の居場所」



 レオは部屋の隅にある冷蔵庫から苺の乗っているホールドケーキを八等分したクリームケーキをを取り出した。



「やっぱり、悠ちゃんの主ぃ?」



 ジュリーが再び悠璃に抱きつく。



「ああ」


「まじかよ」



 シリルが激しく舌打ちをする。


 この部屋にいる者の表情が一瞬強張る。



「言っとくけど、また使命から逃げるなよ。シリル」


 悠璃は扉に向かって歩き出しているシリルに忠告をした。


 シリルは無言のまま部屋を出て行ってしまった。



「ごめんね、シリルもきっと“あんな過ち”はもう起こさないよ」



 そう言ってトレイシーもシリルを追って部屋を出て行った。



「んじゃ、ますます秘密が問題になってくるわねぇ」


「まだ言わないのか? 悠璃」



 アリシアは閉じていた目を勢い良く開けて悠璃を見つめた。



「お前が女だと言うことを」


「……」


 アリシアの言葉に一同は一度、息を止める。


 悠璃自身もこればかりは黙って下を向く。


「ったく、今度の“イーヴァ”の魂……厄介なところに生まれやがって」


 壁に叩きつけられていたアーネストが鼻を擦りながら悠璃の隣に移動する。


「まったくねぇ。“イーヴァ”の魂を持った者にはいつも困らされてたけど……」


 ジュリーは壁にかけてあるピンク色の鏡を見てそう言った。


「僕もう、訳わかんなくなってきたよ……」


 レオが泣き出しそうな顔をして呟いた。


 先ほど冷蔵庫から出したばかりのケーキを平らげ、一番最後に取っておいた真っ赤なイチゴを食べようとしている。


「……私達の存在とかも……面倒なものだわぁ」


「それを言うな。何だかんだ言って俺たちは何万年も生まれ変わってきたんだ」


 アリシアの凛とした声が部屋に響く。


 生徒会室である部屋に。


「あ、授業がもう始まってましたわ」


 笑いの一つもないこの沈んだ部屋でミーンが大きな音を立てて携帯を閉じた。椅子の足に立てかけていたスクール鞄を持ち上げて、歩き出す。


 空が赤く染まり始めた。そろそろ日没だろう。執事とメイドの学校では夜遅くまで授業をする深授しんじゅと言うものがある。それは五時に始まるので、今の時刻は大体五時過ぎと判断できる。


「おいおい……生徒会長、しっかりしろよ」


 アーネストがミーンのスカートをめくりながら言った。瞬間、アーネストは再び壁に叩きつけられる。


 馬鹿な奴、この場にいた五人は同時にそう思った。


「ミーン、お前生徒会長だろ。ここの。授業サボるなよ」


 アリシアは前代の生徒会長。何事にも真面目で男じゃないが熱血漢なので言い方も少しきつい。優しい時には優しい、頼りになる姉御という感じである。


「別に。私は学校なんて通わなくても完璧ですから。完璧なのに授業を受けるなんて全くもって時間の無駄遣いだと思いません?」


 ミーンが真面目なアリシアの神経を逆撫でするように笑った。ミーンの思惑通り、アリシアは額に青筋を立てている。


「だって私は、前代の方とは格が違いますもの」


 とどめの一撃。ミーンはフワフワとふざけるように走り出し、部屋から出て行った。その後のアリシアの憤怒を抑えるのは残された者の仕事である。



「異例なことばかりよねぇ」


 ジュリーが大きな溜息を吐いた。


「俺達の存在も、時期も、力も、記憶さえ」


 ジュリーに合わせる様にアリシアが言った。壁に二度叩きつけられたアーネストも今度ばかりは黙って聞いている。


 日はとうに沈み、空に小さな星が輝き始めた。


「一体、いつまで魂を守らなければならないのかしらぁ」


「いつになったら“イーヴァの呪い”は解けるんだろう」


「あと何日で紅赤満月ブラッド・ムーンだろう……」


「俺たちはいつになったら死ねるんだろうな」


「終わらない……」


 ジュリー、アリシア、レオ、アーネスト、ルイスの順に小言を並べる。そして最後に悠璃が悲しく、寂しく、こう呟いた。


「今度の魂はいつ死んでしまうんだろう」


 いつの間にか夜になり、やっと太陽と交代した月は雲から顔を出そうとはしなかった。

…………逃げたい。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

悠璃を好きだと言ってくれた読者様全てにごめんなさい!!!!

最初からこういう設定で、もっと早くに出していれば、

蒼空も罪悪感なかったと思うのに……

まさか買収編があんなに長くなるとはぁあああ(泣


では!(逃

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