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デブな俺は、痩せるために美少女を飼う  作者: 夢見る社畜
第一章 デブとシイナちゃん
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体調不良?

「結論、やはり俺のシイナちゃんは天使だった。異論は認めん」


 ひとしきり転げ回って落ち着いた後、俺は当たり前の事を呟いてアプリの画面をもう一度見る。


 「かわえぇ……」


 よほど気持ちいいのだろう、布団から出ている顔は今まで見てきたどの顔よりも緩みきってへにょへにょだった。


「このまま見ていたいけど、これどうしようかなぁ」


 何枚かスクショを撮った後、プレゼントボックスにある【タオルと石けん】を見る。


 このままベットで寝かせてあげて、明日の朝にサンタクロースからのプレゼントっぽく渡した方が良いかなぁ。寝れそうな時に起こされるの鬱陶しいだろうし。


 俺はそう結論を出してシイナちゃんウォッチングを再開すると、先ほどまで笑顔だったシイナちゃんの笑顔が曇っていた。もぞもぞした後、眉を八の字にしている。


「え!? ど、どうしたのシイナちゃん! 何か嫌なことあった!?」


 俺が目を離した一瞬で何があった!? 慌てて顔以外のところや視点の倍率を戻して部屋の中を確認するけど特に何かあったように思えない。そうなると可能性は一つ。


「ま、まさか病気か!? 」


 蘇るのは初日の脱水症。あれは俺のサボりが原因だったが……このアプリの事だ、ちゃんと世話をしていても病気という名のイベントを発生させて無理矢理筋トレをさせてきそう!


「ちくしょう……! 筋トレならいくらでもやってやんよ! だからこれ以上シイナちゃんを苦しめないでくれ! 」


 なんて悲劇のヒロインを救う主人公っぽい事を言いながらメニュー画面を開く。病気だとしたらメニューで治療的な選択肢が出てるはず。……が、見つからない。


「おかしいなぁ。まさかこのまま死ぬとかやめろよ……」


 そこまでクソゲーじゃないよな、と自分に言い聞かせるもだんだん不安になってきた。


 大地に聞くかな、と思っているとシイナちゃんがまたごそごそした後、ため息をし始めた。


「どうしたんだよーシイナちゃんーなんでそんなため息付いてんのー? 」


 病気じゃないなら何が不満なんだよーと足をバタバタさせながら観察を続ける。大地に伝える情報も多い方が良いだろうし。


 するとシイナちゃんはおもむろにこちらにに向かって二の腕を差し出してきた。うん、俺と違って真っ白でぷにぷにしてそう。まじで触りたい。というか揉んで舐めたい。


 ハアハアと息を荒げていると、シイナちゃんの形の良い眉がゆっくり八の字になっていく。やべ、ハアハアしてんのがばれた!?


 ばれるわけないけどな! とセルフツッコミしながら観察を続けていると、シイナちゃんは自分の二の腕辺りに顔を近づけていくと共に、どんどん眉がしょんぼりしていく。


「あー……あー! そういうこと!?」


 俺は即座に何でシイナちゃんの笑顔が曇ったのか理解すると、プレゼントボックスから【タオルと石けん】を選択して《はい》をタップする。


「そりゃ1週間もお風呂入らずベッドに入ったら自分の臭いが気になるよな。シイナちゃんは女の子だし」


 これはすぐ【タオルと石けん】を使うべきだったな、と反省しながらどんな風にシイナちゃんが喜んでくれるかわくわくしながら見守る。


今回の支給スタイルはかなりシンプルで、天井からタオルと石けんがベッドにめがけて落ちてきた。おかげでシイナちゃんは慌てて布団に潜り込んじゃったけど可愛いから良し。


「お、今回は結構早いな。うんうん、それでさっぱりしてくると良いよー」


 しばらく布団に籠もったあと、落ちてきたのが石けんとタオルと気付いたシイナちゃんはそれはもう嬉しそうに胸に抱いた後、湯船のマークが書かれているへ小走りに走っっていった。


「くっそ、バスルームは-10キロかよ! ふざけんな!!」


 もちろん、姿が見えなくなったと同時に俺はドアをスマホの画面壊れるんじゃね? ってくらい超連打。結果は言わずもがな。










──だがな、ここで諦める俺じゃあ、ないんだぜ?





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