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デブな俺は、痩せるために美少女を飼う  作者: 夢見る社畜
第一章 デブとシイナちゃん
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このアプリは全年齢です

「ふ、風呂に入るって事は…つ、つまり」


 ごくりと生唾を飲む。その様子を見ていた大地はにやりと笑いながら頷く。


「ああ、裸……見れるぜ? 」

「マジで!? だ、大丈夫なのかそれ!? あ、R指定なアプリじゃないだろこれ!?」

「ふふ、そりゃ直接裸を出すわけにはいかないから謎の白い光やら不自然に濃い湯気があるぞ……だけどな、かなーりきわどいとこまで攻めてるぜ……?」


 すでに見た事があるような大地は遠い目をしたあと、にやりとだらしなく笑った。


「ま、まじかぁ……!! し、シイナちゃんの裸が……やっべ、まじやっべ」


 ぐへへと自分でも気持ち悪いような笑みが浮かんでしまう。これは家に帰ったらタイミングを逃さないようにアプリ開きっぱなしにして入浴シーンを是非この目で見なければなりませんな!!


「だけどな、ここで優斗君に大変残念なお知らせがあります」


 ぐふぐふ笑ってる俺を心底面白いものを見ているような目で大地は告げてくる。


「何だよ、残念なお知らせって。まさか好感度MAXにしなきゃ見られないとか言うんじゃないよな?」

「ま、似たようなもんだな。どれでも良いからドアを見てみな」


 俺は言われたとおりメニューを消して部屋にドアに視点を向けた。


「……あの、大地さん?」

「なんでしょう優斗さん」

「扉にうっすら選択肢が出てるんですが」


 ちなみに内容は《体重-5Kg達成でアンロック》《入力してください》である。


「その扉は全てロックされてるから現状では全部見れませーん。残念でした☆」

「ぼっこぼこにしてやるよ!!」

「かかって来いよどすけべ野郎!!」


 俺と大地の拳が弁当の上で交差してお互いの頬に突き刺さった!!











「つまりだ、筋トレして体重減らすとご褒美アイテムが貰えたりドアが解放されたり視点の倍率がもっとあがったりする訳だ」

「なるほどな、そのあたりはダイエットアプリっぽいな。っていうか視点の倍率もご褒美かよ。仕様かと思ったわ」


 あのあとぬか喜びさせた罰として、校庭のウォーキングに付き合って貰いながらアプリについていろいろ聞いていく。


「しっかし、まさかキャラクターが三次元とはなぁ……てっきりVtuberみたいなモデニング映像かと思ってたわ。年齢は同い年くらいだけどどっかのアイドルかなんかなのか?」


 シイナちゃんは俺の嫁なので、もし現実でアイドルや俳優業をしているなら是非応援しなければ。


「あー、一つ言っとくけどキャラクターは個人個人で違うからな? 」

「え、そうなん? じゃあソシャゲみたいにSSRなキャラクターがいたりするん?」


 まあ、シイナちゃんは間違いなくトップレアだけどな! なんてアホな事を考えていると、大地は足を止めて真剣な表情を浮かべていた。


「いや、そういったものはない。だけど自分がどういうキャラクターか誰かに教えたり見せたりするのは厳禁だ。絶対やるなよ? 」

「え、そういう事はもっと早く言えよ。まあ、誰にも見せてないからいいけど……」


 少しだけ様子がおかしい大地を怪訝な顔しながら見ていると、大地はすぐにへらりと笑って校舎に向かって歩いて行く。


「誰の嫁が一番可愛い戦争が勃発したりして荒れたりするからな。それにお前だってシイナちゃんの寝顔を誰かに見せたいなんて思わないだろ? 」

「当たり前だろ? シイナちゃんは俺の嫁だもん」

「なら大丈夫だな。ほら、急がないと五限目に間に合わないぞ?お先っ!! 」

「あ、ちょっと待て! 置いてくな!」


 いきなり猛ダッシュする大地に俺は慌てて追いかけていく。さすがに運動部なだけあって、俺よりかなり早く小さくなっていく背中を見ながら、なんだか胸の中でさっきの大地の態度と言葉がちょっと引っかかっていた。

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