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デブな俺は、痩せるために美少女を飼う  作者: 夢見る社畜
第二章 デブとダイエット
25/27

欲望解放

 おっと、結構痛いところを突いてくるな空さん。


「どうでしょうかね、痩せたらかっこいいとは言われますが」

「そうなのー? 」

「ですよー」


 そう、痩せたら格好いい俺の輝かしい青春が始まる! ……なんて言ってダイエットを始めたが、ダイエットが成功して痩せたらかっこよくなる保証はない。……勘弁してほしい。そんな事言われたらダイエットをやる意味が……。


「んー……私は今の優斗君、結構好みだよ? 」

「お゛っ!? 」


 い、いきなり何を言い出すんですかねぇ空さんは!?


「どしたの」


 まるで悪戯が成功したとばかりに笑う空さんを見て、俺はからかわれたと気付く。


「からかわないでくださいよ……」

「ごめんごめん、でもあながち嘘じゃないよー? 」


 そういってぐいっと俺の手を引くと、人差し指で俺の頬をふにふにと触ってくる。おっと、気軽にボディタッチはしない方がいい。すぐ惚れちゃうぞ?


「あはは、赤くなってきた!」

「勘弁してくださいよ……というか、大地達遅いで……おい、何してるんだ二人とも? 」

「ばれた」

「いやあ、帰ってきたら瑞希いないだろ? 二人で話してるだろ? 気まずいだろ? だから様子見てた」

「気まずいのは嘘だろおい」

「もう少しで唇ゲット出来たのにー」

「ごめんね空ねえ……」

「いやいや、そこまでは俺も許しませんよ!? 」

「手が早いなぁ……よっ!プレイボーイ! 」

「いいからさっさと球投げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 」


 いつの間にか物陰に隠れて俺たちを見ていた大地達を引っ張り出すと、案の上、空さんが燃料をわざと投下し大地達が盛り上がっていく。くっそ、こいつら事前に相談して俺を嵌めたんじゃないだろうな!? ……だけど、なんだろうこの気持ち…三不思議と、嫌じゃない……むしろ、楽しいっ!




──────†



「いやまさか俺たちが勝つとはな……大地、お前不器用すぎるだろ……」

「まっすぐしか球投げられないから最後の方ガーターばっかりだったねー」

「うるせえ! 俺は瑞希みたいに球に回転がかけられないんだよ! 」

「スネークアイなら任せて」


 結局、大地が足を引っ張った形で俺たちの勝ちになった。勝者のご褒美として俺たちはアミューズメントパーク内にあるレストランで大地に飯をおごってもらっている。


「あれ、優斗君あんまり食べてないね? 大地の心配ならしなくていいんだよー? 」

「本当。大地より少ない」


 山中と空さんが俺の手元をのぞき込む。いや、ただのハンバーグセットだけど足りない、という事はない。


「いや、最近はこのぐらいで済ませてるから丁度良い感じだぞ? 」

「でもせっかくのドリンクバーなのにジュースも飲んでないよ? 」

「うっ」


 そう、俺以外の三人はドリンクバーで好きなジュースを飲んでいる。……俺はというと、お茶と水を飲んでいる感じだ。いや、ジュース飲みたいけどあれカロリーヤバいもん……100ミリリットルで45キロカロリーとか鼻血が出るわ。


 だがそんな俺の考えを悟ってか、大地が俺に優しく語りかけてくる。


「あのなぁ優斗……今日はダイエットのストレス解消なんだからたまには思いっきり飲み食いしてもいいんだぞ? ほら、ポテト頼むか? 」

「いやいや、お前ジュースとかポテトのカロリーヤバいんだぞ!? 」

「大丈夫。いきなり体重が減らないのと一緒でいきなり体重が増えることもない」

「そーそー。まーだからって食べ過ぎは良くけどから食べた分は次の食事を減らすとかすれば無問題だよー」


 う、確かにそんな事をネット記事で読んだような……。


「我慢は良くないからな。すいません店員さん、メガ盛りポテト一つください」

「じゃあ私はすっごいおいしいミックスジュース作ってあげる!」

「あ、私も行く」

「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 」


俺の制止する声は虚しく店内に響くだけで、女子二人を止めることは出来なかった。くっ、俺にもっと力があれば!


「いやいや、大げさだから……何リットルも飲むわけじゃないだろ。それにポテトだって全部一人で食べるわけじゃねえんだからたかがしれてるって」

「あ、それもそうか」

「そーそー……っておお!? 」

「どうした大地、いきなり変な声をぉ!? 」


 お待たせー! と言いながら戻ってきた二人の手元を見て、俺と大地は変な声が出てしまった。だって、山中が持っているコップの液体は茶色で時折白い固形物が見え隠れしてるし、夢さんが持っているのはどうやったらそんな事が出来るのか、虹色の液体が渦巻いている。


「傑作はできたー! 」

「これは間違いなくおいしい」

『さあ、どうぞ? 』


 にっこりと笑う二人の女性陣を前に、無理とは言えない非力な俺たちは目配せをして一気に不可思議ドリンクを煽ったのだった。







結論、普通においしかった。女性陣すげえ。


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