第8話 師匠の居場所を聞かれた
「それでは、試験の結果を発表する。試験結果の発表は、試験番号の順に行う」
試験官について行った先にて。
俺以外の二人の受験者が待っていたところに着くと、試験官はそう言って試験の結果の発表を始めた。
「まず、試験番号001番、サリファ。不合格だ」
そして、初っ端から不合格者が出てしまった。
「剣術の方はそこそこだったが、魔術がどうしてもな。魔法の才能からして、仕方ないことではあるが……。ただ、この試験はあくまで剣術と魔術の総合点で結果が決まるようになっている。この先剣術を鍛えて試験を受けなおせば、剣術の結果だけでの突破も不可能ではないだろう。また機会があれば、挑戦してみてくれ」
試験官は、そんな講評を告げていた。
……なんかモヤモヤするな。
本当はあの子、魔術の方頑張った方が良いのに……。
などとやりきれない思いを抱いている中、次の受験者の合否発表が行われた。
「次、試験番号002番、ミーナ。残念ながら君も、不合格だ。理由は……」
そして二人目も、似たような理由で不合格となってしまっていた。
いよいよ次は、俺の番か。
「そして最後に、試験番号003番、レイン」
二人目の受験者への講評が終わると……ようやく、俺の番が来た。
さて、どんな結果になっているか。
得点が良かった場合、高い冒険者ランクから始めることが可能とのことだが……果たして、追加点を得た甲斐はあったのだろうか?
「合格だ。君は今日からDランク冒険者……それも、『スターあり』のDランク冒険者だ」
試験官は俺にそう告げつつ、「★★★★Dランク」と書かれたギルドカードを俺に渡しに来たのだった。
確か……Dランクって、試験結果次第でなれる開始段階のランクとしては最高のランクだったよな。
それを、獲得することができたというわけか。
追加点を狙った甲斐は、十分にあったみたいだな。
期待を超える結果を出せたことに、俺は満足した気分になった。
しかし……この「スターあり」って、何なんだ?
「知ってるかもしれないが、いくら試験の結果が良かったとしても、いきなりAランクだのSランクだのになれる訳ではない。冒険者ランクは、冒険者としての貢献度も評価対象になるからだ。君がDランクから始めないといけないのは、そのためだ」
などと考えていると、試験官は俺の結果の講評を始めた。
「だが……冒険者が受けられる依頼には、ランクによる受注制限が存在する。基本的に冒険者は、自分のランクより高いランクの依頼を受けられないのだ。これが原因で実力ある新米冒険者が低いランクの依頼しか受けられないとなると、非常にもったいない」
ここで試験官は一息ついて、一旦間を取った。
そして試験官は、こう続けた。
「それを解消するためにできた制度が、『スター』というわけだ。『スターあり』の冒険者は、自分のランクより星の数だけ上の依頼を受けることができる。そしてレインの戦闘能力は、Sランクに匹敵する。だから君は、★4のスターあり冒険者とすることが決まった」
というわけで……「スターあり」というのは、どうやら受注制限免除を意味するもののようだった。
俺はつい、だったらその制度のこともパンフレットに書いといてくれよと思ってしまった。
「というわけで、俺からは以上だ。レイン、これからの活躍を祈っているぞ。今回落ちてしまった二人も、その気があるならいつでも再挑戦は歓迎する」
最後に試験官はそう言い残し、職員用の部屋へと消えてしまった。
……これで、無事冒険者になれたというわけだな。
ランクによる受注制限が免除されているというのはありがたい。
グリフォンごときが手のつけようが無い魔物扱いされてる現状から察するに……そんな制限があれば、冒険者になったところでまともな討伐に出かけられなかった可能性が高かったからな。
などと考えつつ、俺はギルドカードをポケットにしまった。
その瞬間、ふと今日の残り二人の受験者が視界に入る。
二人は落ち込む中、お互いに励ましあっているような様子だった。
あいつら、なあ……。
その様子を見て、俺は少し「どうしようか」という気分になった。
試験が始まるまでの待ち時間、俺は「チャクラサーチ」で周囲の冒険者の様子を観察してみたのだが……実は、その中には一人として、チャクラ7個持ちの人間がいなかった。
今日の試験結果とかからも考えると……おそらくチャクラ7個持ちの人間は、剣術がよっぽど得意な者を除けば、魔術試験が足を引っ張ってなかなか受かれないでいるのだと思われる。
とすれば、もし俺が今後誰かとパーティーを組みたいと思っても、チャクラ7個持ちの人間と組むことができないということになってしまうかもしれない。
チャクラ7個持ちの人間としかできない効率的なパーティー戦略とかもあることだし、俺はパーティーを組むならチャクラ7個持ちの人間と、と考えている。
だが、そんな冒険者がいないとなれば、そんな考えは持つだけ無駄となってしまう。
ならいっそ……彼女らにでも本当の魔法の使い方を教えて次回の試験を受からせて、パーティーメンバーにしてしまうか?
いやしかし、こちらから声をかけるのも……。
などと思っていると。
二人の少女のうち、片方——確かサリファの方——がこちらに向かって歩いてきた。
そして……こんな質問をされてしまった。
「あの……すみません。レインさんのトンデモ魔術、どこで習ったか教えていただくことってできないでしょうか?」
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