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第7話 チャクラの共鳴

「レゾナンスマリオネット」


 回復させた鳥型の魔物のチャクラの回転速度を調べた後、自身のチャクラの回転速度をその倍数になるよう調整する。

 そして魔力の波動を放ち……俺は、この鳥のチャクラの回転速度の支配権を握った。


 自身のチャクラを対象のチャクラと共鳴させることで、対象のチャクラをこちらからコントロールできるようになる。

 そして魔物のチャクラの動きはその本能・精神と直結しているので、チャクラをコントロールできるということは行動をコントロールできるということを意味する。

 それがこの魔法、「レゾナンスマリオネット」なのである。



「あの……使い魔用意できたんですけど、これからどうすればいいですか?」


 チャクラの共鳴を継続したまま、俺は試験官の方を向いてそう質問した。


 試験官は怯えたような表情をしていたが、こう答えてくれた。


「あ、ああ、そうだな。通常なら、ダミー人形を用意して、使い魔にそれを攻撃させて戦闘能力を測ったりするんだが……その鳥、グリフォンだしな。戦闘能力は測るまでもないというか……ギルドで用意できる人形など、破壊し尽くされるのは目に見えている。だから……ちゃんと言う事を聞かせられると証明できれば、それで満点をやるぞ」


 どうやら、試験内容はかなり簡略化してくれるということみたいだった。


 さて……どうするかな。

 どうやって、この鳥をきちんと支配下に置けていることを証明するか……。


「えと……そうだ。三回回って『ワン』と鳴け」


 とりあえず……普通鳥が絶対にやらないことでもやらせてみるか。

 そう思い、俺は言葉でそう指示しつつ、裏でその通りの行動をさせるべくチャクラの回転を制御した。


「……ワン!」


 すると鳥は、その場で三回回った後、そんな鳴き声をあげた。

 ちなみにグリフォンの鳴き声は間違っても「ワン」ではないので、これで人為的な操作をしていることは明らかと言えるだろう。


「どうです? こんな感じで」


「お、おう……。随分と良い感じに手懐けられているんだな……。試験は、これでよしってことにするか」


 ありがたいことに、試験としては今ので十分だという判断を下してもらうことができた。

 それを聞いた俺は、鳥の首元に最大出力のMK-47をぶち込み、絶命させた。


「な……その鳥、使い魔なのだろう!?」


「使い魔と言っても、精神操作で一時的に従わせただけの臨時の使い魔ですから。たまたま上空を飛んでたのを、この試験のために撃ち落としただけなのです。本質的には懐いていないので、俺の魔力が切れたらまた暴れだしますよ?」


「そ、そうなのか。じゃあ倒して正解だな、グリフォンなんかに暴れられたら街が滅んでしまう」


「ところで……一時的な精神操作でも、試験の得点にはなりますよね?」


「そこは心配しなくていい。魔物の調教された状態を見せれば、試験の基準は満たされるからな」


 鳥を絶命させると試験官には驚かれたが、そんな会話の末、納得してもらうことができた。


「にしても……よりにもよって、試験のために調教するのが災厄級の魔物とはな。こんな人間離れした奴、初めて見たぞ……」


 などと呟きながら、試験官は試験結果の記録を進めていった。


 よりにもよってと言われるのは、ちょっと複雑な気分だがな。

 魔物にはチャクラなしの種類とチャクラありの種類がいて、チャクラありの奴はチャクラなしの奴に比べて強い傾向にある。

 そしてチャクラなしの奴には共鳴させるものが無いため、「レゾナンスマリオネット」が効かない。

 だから、チャクラありの個体を捕らえ、精神操作する必要があったというだけなのだが……。


 などと考えている間にも、試験官は記録を終え、「試験結果が出るまでちょっと待っておいてくれ」と言って別室に向かった。

 あとは、合否が発表されるのを待つだけだな。



 ◇



 試験の結果が出るまで、少し時間がかかりそうだったので……俺はその間に、グリフォンを売ってしまうことにした。


「すみません、これ買取りお願いできますか?」


 受付まで持っていき、そう頼む。

 すると……受付嬢は目を白黒させつつ、こう叫んだ。


「何て魔物を持ってくるんですか! ってか貴方、今冒険者登録試験を受けていたレインさんですよね? いつの間にそんなものを……」


「試験で必要になって、その後用済みになったんで。試験結果の待ち時間に売ろうと思ったんです」


 不思議がる試験官に、状況を説明する。すると、


「なんで試験にグリフォンなんかが必要になるんですかね……」


 受付嬢は呆れたような表情で、ため息交じりにそう呟いた。


「まあ、清算は可能ですので……一応、解体の方に回しておきますね。買取り価格は解体後の状態を見て決めるので、お支払いは明日以降になります。よろしいですか?」


「はい」


 しかし、売る事自体は問題なかったようなので、俺は受付嬢に言われた条件でグリフォンを売りに出すことにした。

 受付嬢は奥からスタッフ数人を呼び、グリフォンの死体を解体所へと運ばせた。



 ……その時。


「お、レインか。試験の結果が出たから、こっち来てくれ」


 売却を終えたところで、丁度奥の部屋から出てきた試験官と目が合い、俺はそう言われた。

 いよいよ、合否が分かるときが来たんだな。


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― 新着の感想 ―
[良い点] グリフォン「なんでや!? 最初は成り行きたげどなんだかんだずっと主人公の使い魔ポジションな流れだったやろ!?」
[気になる点] 「いよいよ、合否が分かるときが来たんだな。」 他の受験者の受験状況を見ていて、本気で試験に落ちることがあり得ると考えているの?転生までして魔法を極めようと年齢と経験を重ねているのだから…
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