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『姉貴のハーレム計画絶賛進行中(読切一話完結)』

作者: 神城 リーナ

こんな恋が有ったなら・・・

そんな気持ちで書いてみました。

俺は朝ガタガタと窓を叩くような風の音で目が覚めた。


目覚まし時計を見るとまだ朝の4時前だ!!


カーテンを開けて窓の外を見ると乱立するビルの照明が眩しく一瞬目の奥が痛くなる。それは目の前に乱立しる高層マンションの各階の通路を照らす眩しいくらいの照明のせいだ!!全く迷惑な話だぜ!!

そんな明るい通路の照明とは正反対に真上に広がる空は真っ黒な雲広がっているせいもあり真っ暗だ。


この辺も俺が生まれた頃は周りには高い建物なんてポツンポツンと立っている位だったのにいまじゃ俺の家の周り中、高層マンションで覆い尽くされようとしているのだ!!お陰でカーテンを閉めていないと明るくて落ち着いて眠れもしねえ。


『俺の平穏を返せ~~!!』


そんな光景の中、暗い夜空を黒い雲が結構速い速度で過ぎてゆくのが見える。


昨日のテレビじゃ明後日の朝位に台風が来るって言ってたから当然かもな・・でも明後日の朝頃上陸予定なのに今から風がこんなに吹いてるなんて可笑しくね?などと思いながらノートパソコンを机の引き出しから取り出して電源スイッチを入れる。

昔のパソコンは立ち上がるのに結構時間がかかっていたが今じゃ数秒で起動しちまう。

ホント便利になったもんだ・・

なんて事思ってたら


『これってもうオヤジの思考じゃね?』


などと自分に思わずツッコミをいれたくなってくる。



即時に台風で検索!!


明後日の朝位に上陸ってテレビじゃ言ってたのにこれって少し早くなってるみたいだ。

『あ~学校行きたくね~~!!』

朝からそんな一人事を無意識に呟いてしまっていた。


ホント休んでしまいたい!!

今年の春高校受験に合格して、ここから5駅離れた男女共学の県立『白沢高校』に通い始めた所だからまあ休んでも構わないんだが・・・


『今んとこ、俺無欠席だからな・・』


なんて考えてると休む訳にもいかないか・・

などと思ってしまう俺。


俺の名前は


松澤霞まつざわ かすみ


誕生日は 9月15日 16歳

『かすみ』って女の子のような名前だが俺はれっきとした男だ。


『俺が産まれた時、オヤジと母親が互いに俺を抱いて病院の窓から見た景色に霞がかかっていた』

それで俺に


かすみ


と名前をつけた訳だが俺の容姿が女の子っぽい事もあり初見俺はこの名前と容姿のお陰で?確実に女の子に間違われてしまう!!

もっと男らしい名前をつけれなかったものかと文句の一つも言ってやりたい気分だ。




実際、俺って普通の格好しているだけで良く女の子に間違われてしまう。

だから街で買い物とかしてると確実に男にナンパされてしまう俺

一回位だったら俺もそんなに思わないけど、一日に10回以上ナンパされると流石の俺も切れるぜ!!



最初は大人しく


「ゴメンナサイ」


とお辞儀しながら笑顔で断ってるけど

流石に俺も5人目くらいからは

『テメエらナンパ意外にやる事ねエのか!!~~』

って怒鳴ってしまう。


そんな話を女友達にすると決まって


『やっぱり乙女座だもんね』

などと散々言われ続けてきたもんだから言われる度に自暴になってしまうから9月は嫌いだ。


ノートパソコンの画面に映された台風の進路を眺めながら椅子に座ってそんな事を考えていると


「かすみも起きてたんだ~かすみも眠れなかったの?」


と一つ上の姉がドアを半分くらい開けて顔だけ俺の部屋の中に突き出して部屋を覗き込みながら俺に声をかけてきた。

寝起きで愛華も俺に着ている物を見られたく無いのだろうか?なんて愛華の下着姿を想像して思わず顔が熱くなってしまう。


『変な妄想しちまった・・いけない、いけない・平常心・平常心!!』

今ドアから顔だけ出して俺の部屋を物色?しているのは

一つ上の姉


松澤まつざわ 愛華あいか

誕生日は 4月5日、同じ白沢高校の2年生だ。


俺はノートパソコンの画面を眺めながら


「ああ~風の音で目が覚めちまってな、愛華もか?」



どうせ俺が起きてるのを確認したかっただけだろうとそのまま振り向かずにそう答えた。


「そうなの。私も風の音で起きちゃって眠れなくなっちゃったの」

愛華がそう言った後


「コトッ」


「コトッ」


「コトッ」


「コトッ」


「コトッ」


っと足音がしているが俺はてっきり愛華が自分の部屋に歩いて帰っていると思っていた。

そして足音がしなくなったから


『愛華、部屋に戻ったか?』

俺がそう思った瞬間、背中に柔らかい感触が二つ押し付けられると同時に俺の首に両手を巻きつけて俺を抱きしめてきた。

俺の首に回された両腕から真っ白のネグリジェらしきふわふわの生地が俺の視界に入ってくる。

愛華の奴何て格好してんだ!!俺これでも男だぞ!!


そんな俺の気も知らず愛華は無邪気に


「何見ていたのかな?」


そんな言葉をかけながら愛華は俺の見ているノートパソコンの画面を覗き込んで来る。

そして画面を見るなり

「な~んだえっちなサイトじゃないんだ残念!!」


俺の見ていた画面を覗き込みながら本当に残念そうに耳元で呟き俺の体を余計に抱きしめてくる。


『愛華は何を期待してたんだ!!』

と突っ込みたい気分をぐっと抑え込む。

俺がエッチなサイトを見ながらひとりエッチをしてたんじゃないかと疑ってたってのが正解だろう!!

其処を突っ込むと余計に詮索されるのは世の常だから俺は何も言わないのが得策と逃げに回った訳だ。

流石にこの朝っぱらから変な突っ込みは入れられたくないからな!!


愛華はワザとやってるんじゃないかと思う位に俺の背中に胸を押し付け左右に愛華の体を揺らしているよう?


『朝から愛華何やってんだ・・・俺を弄んで何するつもりなんだ?』

そう思いながらも俺は思わず前かがみになってしまっていた。


当然愛華にそんな事されれば大概の男だったら反応する訳で・・・


そんな俺の行動に空かさず愛華は俺の腹部の盛り上がりを目ざとく見つけて


「お~ぉ~かすみ~朝から超~~めちゃ元気じゃん」


そう言った瞬間前かがみになった俺の股間の硬くなった物を抱きついた後ろから鷲掴!!


「な・・な・・・なにしてんだよぉお~~」

真逆、後ろからそんな状態の俺のあそこを愛華が握ってくるなんて想像もしていなかった俺は驚愕の悲鳴を上げてしまっていた。

「かすみ!!いい反応じゃん!!可愛い女の子に何でこんな物がついてるのかな~?」

そう言って握った手を上下に素早く動かしてくる。

「やめろ~~!!俺は女じゃねえ~~男だ~~!!」

そう言って愛華の体を振り払おうとするが無理やり跳ね除けることも出来ない。

それをいい事に愛華は一段と大胆に握ってくる。

「ドクンドクンってこれ脈撃ってるよ~~すっご~~い!!」

「あ・・あいか~もうヤメろ~~!!これ以上やったら俺だって我慢できねえっの襲ってしまうぞ!!」

「いいよぉ~かすみぃ~がその時は責任とってね~」

「責任って何だ?俺達姉弟だぞ!!結婚なんて出来ねえぞ!!」

「うんとね~かすみぃ~が彼女作ってその子と結婚して私とその子とかすみとかすみが私を腹ませて生まれた貴方の子供と皆で暮らすのぉ~~かすみ~ハーレム良いでしょ」

「本気か?」

「本気だよぉ~~えへっ」

そう俺の言った後俺のほっぺに


「ちゅっ」


っとキスをした後愛華は俺のあそこから手を離して

「かすみぃ~~私お腹すいた~~何か作って~」

と後ろから抱きついたまま俺の体を揺すって何か作れと甘えてくる。


愛華は料理が殆ど出来ない。

まあ壊滅的では無い所が唯一の救いだが・・

俺はと言うと父親の爺さんが料亭やってて小さい頃から爺さん所に遊びにいた。

何故俺が爺さんの所に頻繁に遊びに行ってたかというと・・・

爺さんの所に遊びに行くと必ずお小遣いをくれたのだ。

そして爺さんにその都度料理を指南されていた。


今思うと爺さんは俺を跡取りにしたかったのかもしれない・・

小遣い欲しさに爺さんに料理を教わっていた訳だが・・・そんな訳で料理は得意だ!!

「ハイハイ解ったよ。今から作るから愛華も着替えてこいよ」

俺がそう言うと

「やった~~成功~成功~」

愛華はそう言うと俺を抱きしめていた手を解いてやっと俺から離れてくれた・・が・・


『愛華腹減ってたから何か作ってもらおうとおれにちょっかいかけたのか?本気で俺に襲ってもらうようにブービートラップ仕掛けてる感じするんだが・・』

取りあえず離れてくれた愛華に安心し何気なく離れた愛華の方に振り替える。

しかし・・・


愛華の姿を見てびっくり!!


身長170近くの愛華が身につけているのは真っ白のスケスケのネグリジェ一枚だけ

その透けた真っ白なネグリジェから透けて見える二つのたわわな乳房・・

90くらいは有りそうだな・・・

ウエストは・・50無いかも・・・


『細っせ~~~』

ウエストの括れが半端ない!!

ウエストが細い分余計に上の2つの膨らみが巨大に見える!!

そして視線を下に移すと手入れをしているであろう形の良い恥毛がモロに見える。

それを意識するとあそこが・・・痛い位に・・


『はっきり言って裸体を見るよりも殆ど透けて見えるネグリジェ姿の愛華はエロい』

そんな俺の視線を感じてか


「かすみぃ~のえっち~」

と言った瞬間両腕を交差して自分の胸を隠した。

でも下は丸見え・・・だぞ・・・

あえて突っ込まない


そう言って顔中真っ赤に染めた愛華は俺の部屋から出ていった。

愛華が出ていった事でやっと落ち着いたが、お陰で俺のあそこは爆発寸前だ・・・

もう少し愛華が居たらヤバかった!!


しっかし


『愛華は何処まで本気なんだ?』


俺は愛華の行動を思い返しそう呟かざるを得なかった。


うう・・

こんな事何時まで考えててもしょうがない!愛華の食事でも作るか!!

そう心に言い聞かせて俺は椅子から立ち上がり椅子を元の場所に戻した。


そして入口のドアに向かって歩きだそうとした瞬間に小さな水溜まりが有るのに気がついた。

それは丁度愛華が立っていた辺り・・・・



『真坂、愛華俺に抱き付きながら感じてた?とかじゃないよな????』


『うう・・・気にしない・・・ようにしよおぉ』


俺は階段を下りて台所に行くと愛華はすでに椅子にすわってテーブルに頬杖をついていた。

愛華は白地にひまわりの花ガジュマルいっぱいプリントされた可愛いワンピース姿だった。


真坂・・・裸の上にそのワンピース一枚って事は無いよね?

俺は流石に怖くて聞けなかった・・


俺はそんな愛華に冷蔵庫からオレンジジュースをコップに注いながら


「愛華俺が食事作る間此れでも飲んでて」


そう言って愛華の前に置いた。

俺は冷凍庫から冷凍していたケチャップで途中まで味付けしておいたラップに包んだゴハンを2つ取り出し電子レンジで解凍。


解凍後フライパンに移し火を通しながら再度味付け。

こうやることで出来立ての味に復元するのだ。


そしてそのまま別のフライパンで卵を伸ばして焼きながら熱々のふわとろオムライスを二つつくる。


愛華はと言えば作っている間俺の用意したジュースを飲みながら待っているかと思ったが、俺が台所の立角と同時に俺の料理をしている最中俺の前髪で小さい三つ編みを左右に作りその二つを後ろでしばって可愛い女の子の姿にしちまった。

俺が激しく動いて料理している状態で良くそんな事が出来るもんだと感心するぜ・・・


俺が出来上がった料理を運ぼうとすると愛華が


「ちょっとまって!!」


そう言ってワンピースのポケットからリップを取り出してリップをクルクルっと回すと薄ピンクの口紅みたいな本体が出て来た。




それを俺のくちびるに薄っすらと塗たくり、それが終わると愛華の人差し指にリップを塗りその指でチークを散らすように器用に俺の両ほほにちらしてゆく。そして俺の上瞼にも薄っすらとピンク色を乗せていった。


俺の顔をリップで仕上げながら愛華は

「あんたの肌ってツルツルのぷにぷにで羨まし~わ」

感心しきっている。

そんな事言われても男の俺は嬉しくないんだけどな!!

それ言うと愛華の機嫌悪くなるから言わないけど・・・


塗り終わったのか愛華の手が止まり、俺から一旦は離れて全体を見回して


「最強!!超~~可愛いじゃん」

とご満悦な愛華の声

「そりゃ~どうも」

俺には鏡が無いからどうなっているのか解んねえ。

まあ愛華が指でちょちょいとやった位だから愛華の気のせいだろう。

俺はそれくらいにしか思ってなかった。


俺は愛華の満足した顔を見て

「じゃ~食事運ぶぞ」


そう愛華に声を掛けた後出来あがったふわとろオムライスを二人でテーブルに運んで俺が椅子に座ると隣の席の椅


子を引いて俺の横に座って二人で同時に

「頂きます」

と手を合わせた後スプーンを熱々のオムライスへ突き刺す。

そのまま食べようとすると愛華が

「ちょっと待って~あ~ん」


そういってオムライスの乗ったスプーンを俺の口の前に差し出してくる。

これを食べろと言う事・・なんだろうな?と思い愛華の目の前に差し出したふわとろオムライスののったスプーンを可愛くついばむように数回に分けて食べる。


俺だって愛華にじっと見られてる状態でがぷっと一気に食らいつくのはいくらなんでも恥ずかしいって!!


愛華の差し出したふわとろオムライスを食べ終わって自分の手に持っているふわとろオムライスの乗ったスプーンを自分の口に運ぼうとすると


「じゃ私にも」


って言って口を開けて俺を見つめて来る愛華。

今度は俺の持っているふわとろオムライスの乗っているスプーンで愛華に逆に食べさせろって事・・なのかな?

そう判断し今度は自分で食べようとしていたスプーンを愛華の口に持って行って食べさせる。その瞬間満面の笑顔を俺に返しスプーンを口に運ぶ。

どうして女の子はこうやってお互いに食べさせ合おうとするのかな・・

不思議な生き物だ。

でも今も目の前で俺と食べさせ合っている幸せそうに微笑む愛華を見ているとそれでも良いかと思ってしまう。


そんな行為はお皿に乗った二人のふわとろオムライスが無くなるまで何度も繰り返された。

食べさせる時も、そして絶えさせられる時も愛華は俺と視線を逸らせずまっすぐに見つめて来るのだ。

こんなまじかで愛華の顔なんてマジマジ見たことなんて無かったのだが、妙に恥じらった愛華の顔ってめちゃ可愛い!!

『こいつこんなに可愛かったんだ』

愛華の今更ながらの綺麗さを意識してしまうと凄く

『ドキドキしてしまう』

何かの恋愛映画で恋人達が食べさせ合うシーンを見た事があったが、現実の世界で真坂自分がこれをするなんて夢にも思っていなかったぞ!!


『超~~恥ずかし~~』


俺と愛華がふわとろオムライスを食べ終わった頃、奥の部屋の戸が開き母親の麗華れいかがダイニングに入って来た途端俺を見て固まった!!


まあ当然だろうな・・・

俺は愛華にめっちゃ髪可愛い女の子パターンに変えられて一見姉妹でご飯を食べてたんだからそりゃ~驚くわ!!


「か・す・み?・・・」

挙動不審に陥った母親の麗華はそう言うのがやっとだったみたいだ・・・


俺は髪型で驚いているのだろうと思い


「ああ~この髪型?ねーちゃんがやった」


俺の言葉にすかさず愛華が

「可愛いでしょ。娘が2人になった気分でしょ!!」

と自慢げに固まってしまった母親に向かって話す。


「かすみがお化粧・・・も・・・し・・・の?」

俺は

『お化粧?』

と母親が言った意味が最初解らなかった。

「化粧なんてするはずないじゃないか」

思わず俺は母親に抗議


「だってかすみ・・」

と母親が言ってあんぐりと口を開けたまま俺の顔を指さしている。

それを聞いた愛華がすぐさま


「あ~それ私がリップで簡易メイクしてあげたのよ。凄いでしょ!!」


その途端に母親の麗華は疲れたようにドスンと椅子に腰を下ろした

俺はなんでそんなに疲れたのか解らず

「食事俺が作ろうか?」


と話しを逸らすため思わず言ってしまっていた。


「ああ・・お願い」



母親があっさりと俺の申し出を拝呈した事にビックリして


「え・・」


っと思わず声を出してしまった。


『そんなに俺の今の姿がショックだったのか?』

そう思い超不安になる俺・・


一度言い出した事だ。俺はもう2人分のふわとろオムライスを作るはめになってしまった。


当然起きて来た父親もダイニングに入って来るなり母親と同じように固まってしまって母親の時と同じような説明をもう一度する羽目になってしまった訳だが思い出すだけで精神ダメージが増すので割愛する。


母親と父親の説明に相当時間を取られてしまった為、時計を見るともう6時半だ!!

今日は台風の影響で風が強くなってきている為に通勤ラッシュを避ける為に俺達も普段より早く出る事にした。


普段は愛華と俺とは通学の為の電車の時間は違い別々に通学している。それは姉貴の愛華は高校2年で俺よりも一年早く白沢高校に通い始めている為に姉の愛華は仲良しの女友達5人で待ち合わせて電車で一緒に通学している。


この為俺だけ時間をずらして通学している。幾らなんでも愛華の女友達と一緒じゃ俺も嫌だからだ!!


処が今日は珍しく台風は明後日朝という事だが首都圏直撃型台風と言う事で風も強くなっているみたいだから一緒に出ようという事になってしまった。

通常7時半に出れば十分に間に合うのだが今日は風が強くなっているから7時には出ようという事になり姉貴は姉貴の友達に電話をかけて今日は7時集合の連絡を仲良しクループ全員にとった。

そして俺は姉貴の愛華から面白いからそのまま今の髪型で今日一日いろって言うお達しが下ったのだ・・


結局俺は朝から鏡も見せてもらえずあの親もビックリした髪型のまま姉の愛華に早々に家を連れ出され電車で姉貴と通学と相成ったわけだ。


6月も半ばとなった今は衣替えも終わり男子は薄黄色のベストにワイシャツ、ネクタイ。ズボンスタイル。

女子は薄黄色のベストに丸首ブラウス、リボン、スカート一見遠くから見ると男女の違いはズボンとスカートが大きく違う以外チョット見同じなのだ。


そんな格好で俺の両親に不審人物でも見ているような視線を浴びせられながら俺は愛華に強引に手を引かれ家から引きずりだされてきてしまった。

愛華の奴が一度言い出すと絶対に人の言う事聞かないからな・・・

今日一日目立たないように大人しくしとくしか無いだろう!!


『髪型だけだもんな変には思われないだろう』


そう自分に言い聞かせ悩むのを辞めようと心に決める俺。

俺達が白沢高校に行く為に乗る駅は家から歩いて約10分位の距離だ。

その駅で愛華の女友達と一緒に合流して今日は一緒に通学する事になる。


愛華は友達を家に連れてきた事が無いし、通学は別々に行っていたからその愛華の女友達とは初めて会う事になる。

愛華はプライベートは友達に邪魔されたく無いのかもしれない・・・

駅え向かう道すがら知っている人達にはまだ会っていないし、俺は周りから大して不審な目で見られていないようだ!!

まあ・・そんなもんなんだ!!

普段より強い風は吹いているけれど、愛華が前両サイドを小さな三つ編みにして後ろで結んだ髪型のせか風で髪型が乱される事はない。


『この髪型も結構いいじゃん!!』


などと思ってしまう。

普段こんなに風が吹いていたら髪が結構乱れて大変なのだ。

そんな俺の横で愛華は俺の腕に自分の腕を絡めて寄り添って歩いている。


「今日はご機嫌だな」


俺はそんな愛華を不思議に思い声をかける。


「うん超~~幸せなんだもん」


といって満面の笑顔で愛華は体を斜め前に倒し下から俺の顔を覗き込んでくる。

『愛華がこんなにご機嫌なのは珍しいが俺と一緒に通学するって言うのも珍しい。雪でも降るんじゃ?いや台風が来てるんだったら当然か!!』


などと自分でボケをかまして思わず


「くすっ」


と笑ってしまう。


「かすみもなんだか楽しそう」

「そうか~?」

などと平静を装い愛華のそんな言葉の攻撃をさりげなくかわす。

俺はそんな感じで駅への道を愛華と話しながら歩いているともう駅の前まで来ていた。

俺に腕を絡めていた愛華が急に片腕を大きく上げて駅の方に向かって手を大きく左右に振り出した。

愛華の視線をたどり駅の方に視線を伸ばすと5人くらいの女の子の集団が同じようにこっちに向かって手を振っているのが見える。


『愛華の趣味で集めたのかみんな美人ばかりだ。みんなレベルが高い!!』


『愛華って女の子が好きなんじゃ?』

駅で愛華に手を振返してきている女子達を見ているとふとそんな疑問が俺の頭の中をよぎる。



『真逆・・な・・』


愛華は5人が手を振返した瞬間、俺の手をグイグイと引っぱってその女の子達の元に走り寄り

「お待たせ~~今日は急に早く行こうなんて言っちゃってごめんね~~」

とお辞儀をして5人に誤っている愛華。


「愛華妹さん居たんだ~一人っ子かと思っちゃってたよ」

一番左に居たロングヘアーの茶髪の女の子が声をかけてくる。

そんな彼女に向かって愛華は空かさず

「そうなのよ、妹のかすみよろしくね~」

と平然と続けてしまった。


『妹って言っちゃったよ・・・』

「松澤霞ですよろしくね」

愛華が妹と言っちゃった以上俺は不定できなくてそのまま5人に向かって満面の笑顔を作りお辞儀をした。


タダ・・


『妹』


という言葉は使わなかったぞ!!俺は嘘は言っていない!!

これだけは譲れない!!


どうもこの5人の女の子の中では俺は愛華の妹としての位置が確定してしまったみたいだ。

7人連れ立って駅の構内に入ってきたが、台風の影響か普段に比べて少し混んでいるよう。


少々混んでいても一分おきに電車が到着し直ぐに出発してゆくからさほど気にならない。


俺達のグループの中の黒髪ショートヘアーの女の子が

「30分遅かったら大混雑だったね~早めに出てきて正解だったね妹ちゃんが早く出ようって言ってくれたんだって~ね。ありがとう。あ・・私彩音あやねよろしくね」

と早速話しかけくる。

彩音さんって何か活発そうで積極的な人だ。

「いえいえ」

俺は突然話しかけられて気恥ずかしくて手短に返事を返した。

「かすみちゃんって~恥ずかしがり屋さんなんだね~可愛い~」

「そうなんだよ~かすみって結構恥ずかしがり屋さんなんだ~でも合気道6段の有段者なんだよ~見かけによらないしょ!!見かけに騙されて襲ったら大変な目に合わされるから間違っても襲っやだめだよ~みんな~」


と愛華は皆に早速釘を刺す。

「え・・危なかった~言われなければやっちゃう所だったよ~危ない危ない!!」

ってお前達いったい何考えてるんだ~~!!


『お前達百合属性か~~!!』


思わずそう突っ込みたくなってしまう俺。

愛華からして少しそのけが有るから真逆・・・そういう趣味の人間集めたのか?


『こえ~~~こえ~~~よ愛華!!』


俺達は駅の構内に入り電車の乗り口で一列に並び電車を待つ。

この分じゃ2回くらい電車を待てば乗れそうだ。


そう思い辺りを見回すと・・・・


『普段より30分も早いのに居た!!』


俺はある人物の姿をみてびっくりした。普段よりも30分も速い時間なのに何時も会う女の子が居たのだ!!



あれは確か・・

俺が白沢高校に通うようになった4月!!

4月中頃だったかな?

俺は奇妙な事に気がついたのだ!!


毎日電車に乗る時間は不定のハズなのにその女の子は必ず同じ電車に乗り込んでくるのだ!!


『学校がある日は必ず毎日だ!!』


その女の子の着ている制服は 『誠心女学院のセーラー服』

俺と同じ駅で乗り込んで、3駅目の駅で降りる。

そこは『誠心女学院』のある駅だ。

たしかその駅から歩いて5分位の所に誠心女学院が有ったはずだ!!

俺のクラスの男達が可愛い子が居ると誠心女学院の前でストーカー紛いの行動をしているのを聞いたことがある。


『警察ザタになって一時揉めてた事があったので覚えているのだ』


話を戻そう!!

そのいつも会う女の子は同じ電車に乗り込んで俺から必ず3メートル位の位置に陣取り付かず離れずの状態で俺をチラチラと見ているのだ。


『俺の勘違いじゃ無い!!』


と・・思いたい!!

身長は見た目170を少し切る位?だろうか?

愛華と丁度同じくらいだと思う。

女の子にしたら結構高い方だから目だつかも!!

黒髪のストレートを後ろで二つに束ねてツインテールにしている。

はっきりいって


『超美少女!!』


ぶっちゃけ


『付き合いたい!』


でもな~~あの子と全く俺には接点らしきものが全然無い!!


そんな事を思っていると・・

彼女が気がついたみたいだ!!


その瞬間


『めっちゃ驚いてる!!』


俺を見つけた途端、大粒の涙がポロポロと彼女の頬を伝って流れ落ちる。

彼女はハンカチをポケットから瞬間取り出し流れ落ちる涙をそのハンカチで受け止めながらも俺を凝視し視線を絶対にそらさない!!


『ヤバイ!!』


絶対にあれ勘違いしてるぞ!!

今日の俺は愛華に女の子の髪型にされて、リップで簡易メイクまでされてるから女の子に確実見える!!

そしてそんな俺は5人の女の子に囲まれ、愛華には俺にベッタリと腕をくんで俺に寄り添っている。


『他からみれば百合属性全開に見える』


でも今まで俺はあの子の中では男?のハズだったハズ!!


『やばいよこれ確実変態確定ジャン!!確実振られたな・・・チキショウ泣きてえ~~』


こんな中であの子の所に言って言い訳なんてこの状態じゃ絶対に無理!!無理!!


『万事休す!!』


って今の俺の為にある言葉だと思う。

と実感してしまう俺。



そんな中電車が構内に入って来た。

そしてドアが開くと乗客が一気に吐き出され、その後俺達は一気に電車の中に吸い込まれてゆく。

その最中も彼女は俺から絶対に視線を逸らさずに真っ直ぐに見つめてきてる。

俺もそんな彼女から視線を逸らせれない。


俺達から3メートル位隔てた入口近くの位置に彼女は立ったまま俺を真っ直ぐに見つめてくる。しかしそんな彼女の瞳からは大粒の涙が溢れ出したままだ。


たった3駅の間だけなのに凄く時間が長く感じられる。


・・・・・

・・・・・

・・・・・


・・・・・

・・・・・

・・・・・



『俺達の間の時間がまるで止まってしまったかのようだ』

俺は未だかつてこんなに一人の女の子を見続けた事なんて一度も無かった。

そして多分こんなに一人の女の子に見つめられ続けてきた事も無かったハズ!!


3駅目の駅に着いた。

彼女が降りる駅だ!!


彼女は相変わらず俺を見つめ続けている・・・・永遠の別れのように・・

もう二度と会えない人の姿を自分の瞼に焼き付けるように俺を見つめ続けている。


『一瞬たりとも視線を逸らさない』


彼女は電車を降り電車の中の俺の姿を大粒の涙を流しながら見つめ続けている。


『胸が締め付けられるように痛い・・・痛い・・・苦しい・・』


入口のドアが閉まり電車がスピードを上げて構内をすり抜けてゆく。


『失恋・・・確定・・・か・・な・・胸が痛い・・苦しい・・俺はこんなにもあの女の子を好きになっていたんだ。何で今までこんなにもあの女の子が好きだったのを気づかなかったんだ!!チクショー!!こんな思いするくらいなら玉砕覚悟で告白しちまうんだった』


最悪だ~~!!


『やっぱり今日は休むべきだった』


今更後悔しても遅い・・・


そして5駅目・・今度は俺達が降りる番だ。

姉貴達は5人で仲良く何時ものようにおしゃべりしていたようで俺のそんな状態には気づかなかったようだ。


『それだけでもラッキーか・・・』


そう思い姉貴達と学校に向かって歩き出す。

この駅から5分位の位置に白沢高校はある。

一学年200人

1年から3年まで合計600人の都内でも有数のマンモス進学高だ。


最近は不審者対策としてセキュリティーチェックが強化され学校の校門には大きな鉄の柵が設けられ非常時とか体育祭みたいなイベント事の時しか開錠しない。

普段は門の横に3列の電子改札が設けられてICカードを読み取り機に翳さなければ校内には入れない。


順次俺達はその入口に並びICカードを翳して校内に入る。


その頃から風が急に強くなってきた。


「ゴーーーーーーーーーーーーーーー」


一気に風が通路内を吹き抜ける。

その瞬間通路内の女の子のスカートが一気に捲れ上がりお花畑が現れる。

そう白や黄色、赤、シマシマの色とり取りの下着の花々・・・」


『見なかった事にしよお!!』


「見た?」

「見た?」

「見た?」

「見えたわよね?」

「もっと見たい?」

「何なら脱いで見せようか?」

愛華の友達連中が同時に俺に確認してくる。

若干2名やばいこと言ってたような・・・


『気にするな俺!!』


姉貴達とは此処で別行動となる。

「かすみ~~じゃ~~一日その格好でがんばるにゃ~~」

そう他人事みたいに言い放って愛華は5人組の女友達と教室に散っていった。

ちなみに


校門横が即校舎の入口で此処の棟が一年から3年までの各教室棟となっている。

1階~2階がが1年生

3階~4階がが2年生

5階~6階がが3年生

ちなみに

職員室とや保健室、各種視聴覚教室が第2棟

第3棟が部活棟、及び各事業で使う教室となっている。

3つの棟は中間に行き来する通路が設置されてそこを通って3つの棟の行き来を行う。


俺は1年1組だから校舎を入って一番最初の教室になる。


『気が重いぞ・・失恋しちゃったし特にやる気シネー』


俺は失恋の痛みを胸に押し込み1年1組の俺のクラスに入り席座って両手を伸ばして机にトップした。

まだ時間も早い事もありまだクラスにいる人の数は疎らだ。


『何だろう・・この知らない人間を見るような視線・・』


俺は皆の視線の違和感に少しムッとしながらも机の上に体を投げ出した。

通学してこの教室に入ってきたクラスメイト達が席を埋めてゆく。

普通なら声をかけて来るはずなのに


チラチラと俺を見る視線・・


『誰も声を掛けてこない・・・不気味だな』


失恋した傷心の俺にはそれが逆に心地良い。


そんな中、結構俺と仲の良い女の子の中澤さやかがオドオドした様子で


「あ・・あの・・あの・・もしかしたら・・もしか・・し・・て・・かすみ・・く・・んだよね」


そう意を決した風に聞いて来た。

その言葉にクラス全員が注目してくる。


「さやかは誰に見えるのかな?」



そうおれが言った瞬間クラス全員


「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」

「えーーーーーーーーーーーーーーーー」


・・・

「お前かすみか?」

「嘘だろ」

「女の子になっちゃったの?」

などと失礼な言葉も飛び交っている・・


そんな中授業開始の予鈴が鳴り響き担任が入ってきて


「みんな静かに~~!!そして注目~~!!」

その声に静まったのを確認した担任の永井先生が

「台風が時速60キロで急接近しはじめたという報告が今有りました。このまま行くと午後2時位に首都圏へ上陸予定との事です。そのためせっかく皆には登校してもらいましたが今日は休校する事に決定いたしました。皆気をつけて帰るんだぞ~~!!解散~~!!」


と言いたいことだけ言って教室を出ていった。

その途端俺の周りにはクラス中の人間が集まってきて

「かすみちゃん女の子になっちゃったの?」

「俺と付き合おうぜ」

「かすみちゃん可愛い~」

・・・・

・・・・


とか大騒ぎの大混乱。


おれは隙を見てそんな中から大脱走!!

脱走成功で一目散に学校の校門を駆け抜ける。


『3年の教室の窓から愛華が手を振っていたような・・』


無視無視!!今は無視だ!!

緊急事態!!

今日を無事やり過ごせば明日、明後日は土曜日、日曜日だからみんなに合わずに済ますことが出来るのだ!!

失恋した上に、傷心のこの気持ちを逆なでするような事にもうこれ以上関わりたくネエ~~んだよ!!


これ以上関わったら俺は壊れちまう!!

俺はそんな気持ちで駅への道をひた走り、電車に飛び乗った。


俺が家に帰って愛華のセットした髪を解き化粧を落としてやっと元の自分に戻って一段落。

俺が帰って30分位してから愛華が帰ってきて俺の部屋に入るなり。


「いや~予想どうり大反響だったねかすみ~~。あの後私の教室にあんたのクラスの生徒が訪ねてきてさ~~かすみちゃんどうしたのってめちゃめちゃ大変だったよ~。もう月曜日からは女の子の格好で行くっきゃないね」


などと楽しそうに俺に宣ってくる。

「俺は絶対に嫌だからな!!」

「そんなに可愛いのに女の子の制服で行かなきゃもったいないよ」


これ以上愛華と話してると精神ダメージがマックスになって回復困難になっちまう・

そう思い


「俺は寝るからな!!起こすなよ!!」


そう言って俺はベットにダイブするなり深い眠りについてしまっていた。

相当に精神ダメージが溜まっていたんだろうな。

俺が起きたのはもう夜の8時も過ぎたころだった。


姉貴に聞くと台風は予定通り昼の2時位に都内に上陸し午後5時過ぎには通り過ぎていたみたいだ。

窓の外をみれば久しぶりに星が瞬いて綺麗な星空が見える。



『愛華は風が凄く強かったって言ってたが俺は精神ダメージマックスでめちゃ疲れていたせいで全く気が付かなかったぜ!!』


台風が汚れた空気を浄化していったせいだな・・

などとまっとうな事を考えてる自分にびっくりだ。


『腹減った~何か食べたいな!!食欲は湧かないけど何か食べなきゃ力も出ねえ』


そう思いコンビニに何か買いに出る事にした。

外に出ると台風で降った雨の影響で少し肌寒いかも・・・


そう思い再度自分の部屋に戻り普段は着ないカーデガンを洋服ダンスから取り出して手に持って再度外出した。

何故カーデガンを着なかったのか・・


おれがカーディガンなんて着ると確実に女の子に間違われるからだ。

だから歩いていれば汗をかいてくるだろうから寒くてどうしようもなくなったらカーディガンを着ようと思った訳だ。


確かに5分くらい歩いていると体がポカポカして少し額に汗が滲んできた感じになってきた。

空を見上げると星が瞬いて綺麗だ。


「あの子・・・泣いてたな・・俺もあの子気になってたのに・・嫌われちゃったな・・」

そんな傷心の思いがこみ上げて・・涙が滲んで着る。


まだコンビニまではもう少しあるけど、と思い周りを見回すと結構大きな公園を見つけた。


千鳥ヶ淵公園ちどりがふちこうえんと書いてある。

少し休んっでいくか・・


俺は公園の中のジャングルジムに昇りそこから星空を眺めながら・・・泣いた。


『無性に泣きたかった・・・』


もう会えないと思うと無性に悲しくなってしまったのだ。

最後に涙を流しながら俺を見つめていたあの悲しそうな顔が忘れられない。


『逢いたい・・・・』


そうおもうと・・もう涙が止まらない・・


そんな傷心に涙していた時


「きゃ・・・ぐぐぐぅ」


そんな悲鳴のような最後くぐもった口を塞がれたような悲痛な叫び声が聞こえたように思えて周りを見回すとジャングルジムのしたの木陰で女の子が男にのしかかられてレイプされようとする直前の悲惨な状況が目に飛び込んできた。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおーーー」


俺は精一杯の声を張り上げながらジャングルジムの上から一気に飛び降りて女の子の上に覆いかぶさった男の股間を蹴り飛ばした。

俺に蹴り飛ばされた男は2転3転して芝生の上を転げ大の字に白目を向いて伸びてしまった。


『無理も無いかもな男の急所を力一杯俺は蹴り飛ばしたんだからな!!真坂あそこが破裂なんて事にはなってないとは思うが・・・レイプ未遂の代償だと思えば安いものだろう』


男は事に及ぼうと自分のズボンのバンドを外そうとした所を俺が股間を蹴り飛ばして女の子から生き剥がした為女の子は最後の一線は避けられた。


女の子の状態を見るとめちゃめちゃ悲惨と言わざるを得ない。

女の子は元の姿は上はブラウスの上にピンクの小さ目の可愛いカーディガンを羽織り、下はチェックのミニスカートそしてそのスカートの裾から真っ白なレースが可愛く顔をのぞかせているそんな風にコーディネートされてたであろうと思われる。


でも今は、上半身に来ていたブラウスと上に羽織っていたピンクの小さ目の可愛いカーディガンは無残にビリビリに引き裂かれてブラジャーは引きちぎられてたわわな乳房がむき出しになって殆ど隠す布さえ無い状態になっている。

女の子の口の中には彼女が履いてたであろうショーツが引き裂かれた状態で押し込まれて声が出せない状態になっていた。

女の子は放心状態で動く気力も無いみたいだ。


「大丈夫?」


俺は女の子に声をかけ、口に詰め込まれたビリビリに引き裂かれたショーツを取り除き、ミニスカートの捲り上げられた下半身はショーツが剥ぎ取られ恥毛が顕にむき出しになっている。

俺はそんな捲り上げられたミニスカートを下ろしてむき出しになった下半身をそっと隠した。


そんな俺の行動を虚ろな瞳で見ている彼女

でもショックでまだ自分がどんな状況なのか把握できないのだろう。


彼女の上半身は殆ど布という布が存在しない程度に引き裂かれていた為


「ちょっとごめんね残っている上半身の布全部取るね」

と言うと頭をコクンコクンと縦にふって一応頷いてくれた。


『俺が襲撃した男みたいにレイプはしないという事を解ってはくれているのだろう』

布切れと化した上半身の布を取り払い俺の着ていたワイシャツを脱いで彼女の腕を片方ず通して通し終わったらワイシャツのボタンを一つ一つかけてゆく。



『愛華と同じ位はあると思われるたわわな乳房が嫌でも視界にはいるぜ・・あそこが反応して・・痛い・・今はそんな場合じゃ無い!!平常心!!平常心!!落ち着け霞!!』


「大きいかもしれないけど我慢してね」

そう彼女に言うと少し顔を赤らめながらコクンコクンと頷いてくれる。

恥ずかしくて顔が赤らんだと言うことは意識が戻ってきた証拠だろう・・・大丈夫そうかも・・・


まだ彼女は体に力が入らないみたいだ。起き上がろうとしているけれどうまく起きれないみたいだ。

俺は彼女をお姫様抱っこして抱えたまま公園のベンチまで運びそのままベンチに横たえて俺は彼女を膝枕したまま汚れた顔をハンカチでキレイに拭いて汚れを落としてゆく。


彼女の顔をハンカチで拭いていた時公園の街灯の光に照らされた彼女の顔見た瞬間

俺は不覚にも涙を流していた・・



そしてその涙は膝枕した彼女の頬を濡らしてゆく。

そんな俺は涙を流しながらも叫んでいた。


「電車の人」

「電車の人」


そして彼女も同じように同時に叫んで


「え・・」

「え・・」


そして俺達二人は同じように同時に驚きの声を上げていた。

でも行動は彼女のほうが早かった。


俺に膝枕されたその状態から両手を伸ばし俺の首に彼女のその両手を巻きつけた瞬間一気に俺は彼女にギュッと体重をかけられ彼女の体の方へ引き寄せられた俺はそのままくちびるを奪われた。


彼女の瞑った瞼から次々に涙が零れ落ちてゆく。

そんな彼女を見ていると愛おしくなり俺も目を閉じて彼女の体をぎゅ~っと抱きしめる。


『柔らかなくちびるが俺のくちびるに重なっている』


『彼女の吐息が俺のほほを擽るたびに体全体に痺れるような気持ちいいそんな感覚が広がってゆくそして抱きしめた彼女の胸からドクンドクンと凄く大きな心臓の音が伝わってくる』


『多分彼女にも同じようドクンドクンと激しく鼓動する俺の心臓の音も伝わっている・・ハズ・・それを意識するとハズカシイ・・』


『このまま永遠に時が止ってしまえば良いのに』


そんな思いに浸っていた俺は急に沸いた不安な気持ちで我に返った。


こんな事している場合じゃない!!


あのレイプ魔のやつがいつ気がついて俺達を襲ってくるかもしれないんだ!!

そして酷い彼女のレイプされかけていた悲惨な光景俺の頭の中をフラッシュバックする。

『俺がずっと好きだったこの子になんて事したんだ!!』


そう・・思うと俺の心に殺意が芽生え、

抱きしめていた彼女の体を離した瞬間


「俺の大好きだった人に酷い事しやがってこいつ殺してやろうか!!」


怒りに任せて俺は無意識に叫んでいた。

女の子はその瞬間

「ダメダメダメダメ~大好きな貴方が殺人なんてダメです~~!!そんな事やめて~」

と叫んで俺に抱きついてきた。


俺はそんな彼女をギュッと再度抱き締める。

そして俺達二人は思い出したように急に二人顔を上げて見つめ合った瞬間


「大好き・・?って・・」

「だ・い・す・き・・?」


二人同時に叫び


「え・・え・・ええええええええええええええええええええええ~~」

「え・・え・・ええええええええええええええええええええええ~~」


二人同時にその同時にお互いが言った言葉に驚いたて見つめ合ったまま顔を真っ赤に染めた。

・・・

・・・

・・・

・・・

うう・・何言えばいいのか何も浮かばねえ~~どうすりゃ良いんだ俺~~!!

とにかく何か言わなきゃ!!

「い・・いや・・殺したいのは本当だけど、とにかくこのままほうっていいて気がついてもいけないから警察に連絡して来てもらおうよ」

俺はそう女の子に提案した。


すると悲しい表情で

「いいえそのままで良いです。あの人近藤慎吾っていうんですけど私の幼馴染なんです。小さい頃からずっと一緒だったんだけど私が今年から姉さん達が通ってた女子高に入学したものだから此処の所離れ離れになっちゃって会えていなくて、今日台風が過ぎた後家の後かたずけをしていて遅くなったのでコンビニで買い物と思って出てきたら丁度コンビニの前で慎吾君に会って話が有るって言うから此処の公園まで話ながら歩いて来たら付き合わないかって言われて、好きな人が居るからって断ったら急にあんな風に襲ってきちゃったんです。あんな風な人じゃないと安心してたのに、だから向こうの親御さんも知ってる人だからうちの親と相談して話してもらおうと思います。


そのままベンチでも寝かして頭を冷やさせばと思うんですがどうでしょ?」


「君がそうしたいんならそれで良いよ。でもその汚れた恰好とくしゃくしゃになった髪型それに俺のワイシャツで君の家に帰すと心配するから俺の家に来てくれないかな?姉さんの服と下着借りるからそれに着替えなよ」

って俺は提案してみる。

そう下着は其処に倒れている男にブラジャーもショーツもバリバリに引き裂かれちゃっててこの子下着着けて無いって意識すると俺凄く気になってきちゃったそれにこの子の下半身モロ見ちゃったし・・だまっおこう・・・


「甘えちゃって良いですか?」

「うんうんいっぱい~甘えてくれると嬉しい」

「じゃ~いっぱ~~い甘えちゃいます。くすっ」

そう言いながら彼女は笑って思わず口を隠した。

何とか襲われた心の後遺症は無いみたいだ。


俺は地面に伸びて気絶している男を取りあえずベンチに寝かせた後あるメモを残した・・

「お前が女性を襲っている現場の写真を撮ったまたやろうとしたら警察に通報する!!二度とするな!!」


そして俺は彼女に持っていたカーディガンシャツの上に着せ、俺はと言えば彼女に俺のワイシャツ脱いで着せちゃったからいま俺はランニングシャツ一枚と何とも情けない恰好である。


それでもそんな俺の体に両手で抱き付いて頭を俺の胸にもたげながら彼女は俺と話しながら暗い夜道を歩いている。


彼女は速攻一番

「何で今日の朝あんな女の子の恰好になっちゃってたんですか?」

そんな質問を俺に浴びせて来た。

「それを聞くか?」

「ハイ聞いちゃいます。いっぱい甘えちゃうって言ったじゃないですか」

「ハイハイ解りました」

「朝4時前に台風の影響で風が強くて眠れないお腹空いたって俺の姉貴が言ってきてさ~料理作っている間に姉貴は俺の髪型をあんな風にセットして、あんな風に化粧しちまってさ面白いからそのまま学校行けって姉貴が言ったからあんな風になった」


「私今まで毎日貴方を見てて可愛いけど男の子だって思ってたのに今日の朝あの恰好をみて女の子だったんだって・・それに貴方の体に寄り添ってた女の子をみて彼女?百合なのかな?失恋しちゃったって思ったら涙が止まらなくなっちゃったんです。」


「あれが俺の姉貴な!!俺をあんな風にした張本人だ。それと名前言ってなかったね。俺の名前は松澤 まつざわかすみ、かすみって呼んでくれ。白沢高校の一年生だあんな恰好してたけど俺男だからな」


「はいかすみさん。私も名前言ってませんでしたね。私は小林彩こばやし あや、私もあやって呼んで下さいかすみさん。誠心女学院の一年生です。」


俺は疑問に思っていた事を彩に来てみた。

「彩はさ~俺の乗る電車に何時も乗ってただろ?あれは偶然だったのか」

彩は真っ赤に鳴りながらも

「凄く恥ずかしい事聞いちゃうんですねかすみさんは。私一時間前から貴方が来るのを駅で待ってて、貴方が乗るのに合わせて電車に乗ってました。私今年誠心女学院に4月から通い始めたんですけど、4月の14日だったかな電車に乗った可愛い子を見つけちゃいまして可愛いなってずっと見ていたら好きになちゃってたんです」


そう告白して来た彩の顔から耳まで真っ赤に染まってしまっていた。

彩恥ずかしい気持ちを克服して好きって告白してくれたんだから・・俺から付き合い申し込まなきゃいけないよな・・・


「俺も4月の中頃から俺に付かず離れず電車に乗ってきている彩に気か付いてた。初めは気のせいかなって思ったんだけど・・こんなに偶然が重なるはず無いって思って見ていたらいつの間にか彩が好きになってしまってた。今日さ~姉貴にあんな恰好にされて電車に乗った時彩が俺を見つめながら泣いてるのを見てもう逢えないんじゃないかって凄く怖かった。彩を失いたく無いって本気で俺思ったんだ。


彩俺と付き合って欲しい。胸が痛いくらいに彩の事が好きです」


彩は真っ赤な顔をもっと真っ赤にして

「はい。私もかすみさんとが良いです」

「付き合ってもらえるって事で良いのかな?」

俺は彩の返答の曖昧さに再度確認してしまう。


「はい私もかすみさんと一つになりたいです」

彩の返答は今一か見合わない・・・

「じゃ~彩を一生離さない」

「はいかすみさんのものにしてください」


そうして歩きながら彩と二人で携帯をだしてアドレス交換とLINEの交換をした。

交換したアドレスを見ながら彩が

「此れから何時でも連絡出来るなんて夢みたい」

そういって俺の体にぎゅっと抱き付いてくる


そんな話をしている間に俺の家に着いた。

玄関を開け誰も居ない事を確認して一気に二階の俺の部屋に彩を連れて上がる。

そして俺のベッドの上に彩を座らせてから愛華の部屋に行き愛華を俺の部屋に連れてきて事情を説明する。

説明した後愛華は開口一番


「かすみがこの子をレイプしたんじゃ無いよね」


そんな追及の一言を繰り出して来た。

そんな愛華の言葉に俺は苛立って

「俺は無理やりなんてしないぞ!!するんだったら合意の元やるわ!!」


空かさず彩はそんな俺に

「私が良いって言ったら私かすみさんにレイプされちゃうんですか~?」

ととんでもない爆弾投下。

真逆、彩からそんな発言が出るとは思わなかった俺。


「彩さん勘弁してください」

そう言って俺は冗談交じりにコメツキバッタのように頭を何度も下げる。


そんな俺の仕草に

「すみません。ほんの冗談です。でも初めてはかすみさんが良いです」

と何気ない言葉の後にまたまた問題発言を投入してくる彩・・

この子は一体何処までが本気なのか解らなくなってしまう。



その言葉を聞いた愛華の顔色が瞬時に変わったのを俺は見逃さなかった。

その言葉を聞いた瞬間愛華は彩の手を握るなり一目散に自分の部屋に彩を連れ込んでしまった。

愛華はあの問題発言を聞いて彩に小言を言っているのだろうか??


・・・・


・・・・


・・・・


愛華が彩を自分の部屋に連れて行ってからすでに一時間が立っている・・・

俺も流石にそこまで時間かかってると心配になってきてしまう。


・・・


・・・


『イラ・イラ・』


・・・・


『イラ・イラ・』


「遅すぎるぞ!!」


俺は思わずそんな独り言を口にしていた。

『だって愛華が彩を連れ込んでから1時間半だぞ!!何やってんだ!!』


俺が時計を見ながらそんな風にヤキモキしていたら、愛華が突然俺の部屋のドアを開けながら


「霞~お待たせ~霞の花嫁さんの初夜の準備バッチリ整えて参りました~~」


そんな愛華の突拍子もない発言に俺は


「何が花嫁だ!!」

「何が初夜の準備だよ!!」


俺は怒り心頭愛華に文句を言う。

一時間半も待たされてそんな冗談かまされたら誰だって怒るだろ!!


そんな文句を言っている俺を他所に

「まあまあ~そんなに怒らない怒らない全部丸く収めてきたんだから」

と意味不明な事を宣う愛華。


「意味不明なんだけど!!」

「それじゃ~説明してあげるわ!!」

「どんな説明してくれるんだよ」

こうなったら売り言葉に買い言葉だ!!


「彩ちゃんのお父さんお母さんには電話で彩ちゃんが襲われてた所を霞がストーカーを撃退して彩ちゃんは無事だった事を私から伝えたわ。ストーカーにまた襲われる危険が有りそうだから彩ちゃんは今日から当分の間、私達の家で預かる事になったわ。当然彩ちゃんは私の部屋で預かるからね。


でもこのままじゃ常時彩ちゃんをストーカーから守る事は出来ないから、彩ちゃんが通っている誠心女学院からうちの白沢高校に転校してもらって常時霞が彩ちゃんを護衛するって事にしたからこれでストーカー対策バッチリでしょ?」


「え~~~えもうソコまで話進んでたのかよ!!俺達の家で預かるってうちの親達は良いっていったのかよ?」

「うん二人共良いって良いって言ったよ!!確認したもん!!それにうちの親からも向こうの両親に確認取ってもらったから大丈夫!!」


「どういう親達なんだよ。向こうの親といい娘が心配じゃ無いのかよ!!」

「だって向こうのお父さんとうちのお父さん同じ東和銀行の同僚だったんだって!!うちのお父さんが部長で向こ


うのお父さんが課長なんでよく知ってる同士だったみたいで和気藹々と話してたわよ」


「花嫁っていうのは何なんだ?」


「それはね~~」


俺のその問に愛華はそう言って一旦言葉を切った後、


「彩ちゃんお待たせ~それでは花嫁さんの登場して下さい~~」


「パチパチパチパチ~~」


愛華は口で拍手の真似をした。

愛華がそう言った瞬間静かにドアが開いて顔を覗かせたその姿をみて俺は・・・・


「ええええええええええええええええええええええええええええ」


「おいおいおいおいおい~~コレ・コレ・コレ・本当にウェディングドレスじゃないか、こんなものどうしたんだよ???」

おれがビックリしてそう言うと愛華はいたって普通に

「私が作った」

「作ったってこんなの作れるのか?・・・」

「私コスプレやってるから衣装とか作ってるし・・でも本当の事言うとこの衣装は霞に着せようと思って作ってたんだけどね」


おいおい凄い本音の一言が何げに出てきたぞ・・・愛華俺に着せるつもりだったのかよ!!


「凄く似合ってるでしょ」


「ああ・・凄く綺麗だ」


愛華の言葉に素直にそう答えていた俺。

彩の着ているウェディングドレスは胸元からあお腹にかけて編み上げになっていてスカートは膝上10センチ位のフレアスカートそのフレアスカートの下には何重にも重ねられたふわふわのパニエ見える。

そしてスカート全体に小さな淡いピンク色のレースでできた小さなバラが散りばめられ、ほとんど透明なレースで妖精の羽をイメージ作り。


そんな彩が俺の前にゆっくりと歩み寄ってくる。

そして俺の顔を真っ直ぐに見つめながら


「私をかすみさんのお嫁さんにして頂けますか」


そうはっきりと俺に告げてくる。

今の俺には答えようがない!!

だって結婚するっていったらどうしても両方の親の許可がいるだろ!!

俺が何も答えれないでいると彩はとんでもない事を俺に告げてきた。


「私のお父さんもお母さんも私がそうしたいなら結婚しても良いって言ってくれました。かすみさんの両親もあなたが18歳になったら結婚しても良いって許して頂きました。かすみさん私に『彩を一生離さない』って言ってくれましたよね。あれは嘘だったんですか?」


「何でまた急にあっさりと両方の親が結婚を許してくれたのかが理解できなくてさ~彩、これって嘘じゃないんだよな?」




って今の俺の気持ちを彩に伝えて説明を求める。

すると彩はゆっくりと思い出すように話し始めた。


「はい嘘じゃありませんよ!!今年かすみさんが白沢高校に入学して電車通学をしている姿を偶然私が見つけてからかすみさんを好きになってた事も、私がお母さんにその事を話してた事も、私の父親が東和銀行に勤めてるっても、そして今日私が着ていた物全部引きちぎられ全裸にされ幼馴染にレイプされかけて全部奪われる直前だった事も、そしてその状態をかすみさんが救ってくれた事も、かすみさんんが自分が着ていた服を脱いで全裸された私に着せて此処まで連れて帰ってくれた事も全部愛華さんに話しました。そしたら愛華さんに『私と契約しない?私と契約してくれたらかすみさんと私が一緒にいれるようにしてあげる』って持ちかけられたんです。真逆、その一緒にいれるようにって話が結婚って話まで進むなんて私も思ってもみなかったので、私自身びっくりしてます」


『愛華が彩に契約の話をしたって真逆、朝の・・・?真逆な~』

と思いながら

「彩さん?愛華との契約って?・・何なんですか?よかったら教えてもらえませんか~?」

契約って言葉に俺も動揺して、なんか聞き方が変に丁寧?あまりにも不自然でギコチナイ聞き方になっていた。


彩は困ったように横に居る愛華の方をちらっと見てから


「愛華さんと私が何を契約したかは秘密です。かすみさんでも教えられません。私とかすみさんが一緒にいれるように話がまとまったら契約内容を話すって愛華さんとの約束だったので、契約内容を後で愛華さんに聞いて私自身もビックリです」


俺はそんな不理屈な話有るかと色々ツッコミ所満載のこの話を愛華に問い詰める。

「何で一緒に居るが結婚までの話に膨れ上がってるんだよ愛華?」








愛華はそんな俺の問にあっけらかんと


「あ~それね!!

彩ちゃんから話聞いてみればめちゃめちゃ純愛じゃん!!

だから私この純情な恋愛の為、一肌脱ぐことにした訳よ


うちの両親に事情を話したら最初は悲痛な表情をしていたけど最後の一線は阻止出来た事を話して助けたかすみが彩ちゃんが通勤電車の中で一目惚れして結婚したくてたまらない位好きだった男の子だって解ってそのかすみも彩ちゃんの事電車の中で見てて好きだった女の子だった事が解ってから助けた時に『じゃ~彩を一生離さない』って言ってたらしいよってだから二人をどうにかしてあげたいんだって相談したの。


うちのお父さんが東和銀行本店で彩ちゃんのお父さんと同じ部署で凄く仲良しだって解ったからお父さんから彩ちゃんの両親に電話をしてもらって事情を説明してもらったら彩ちゃんおお父さん驚きすぎて失神しちゃって一時大変だったんだけど彩ちゃんが電話変わってくれて彩ちゃんが電話で呼びかけてくれたら気がついてびっくりだったよ~。


それで私が電話を代わってお父さんに


彩ちゃんとかすみの電車での純愛話を聞かせてあげて二人共結婚したいくらい好き同士だった事が解ったのって話したら向こうのお父さんもお母さんも彩ちゃんから通学電車の中で好きな人が居るって事は聞いてたみだったわ。


だから早速うちのお父さんに電話変わってもらって話してもらった訳よ!!

『彩さんもうちの霞と結婚したいっていってますし、うちの霞も彩さんに一生離さないって話してたみたいですから小林さん二人の結婚考えてやってもらえませんかね』


そしたら向こうのお父さんが彩ちゃんと電話変わってくれっていって

『彩は霞くんと結婚したいのかい』

って聞いてきて彩ちゃんは

『あそこで殺されるのかなって思ったら霞さんと結婚したかったってもう居てもたってもいられなくなっちゃったの今私がこうして今生きていられるのは霞さんのおかげなんです。だから霞さんが18歳になるのはまだ2年後だけどお父さんが許してくれるなら霞さんが18歳になったら霞さんと結婚したいです』


って彩ちゃんもお父さんに本音をぶっちゃけた訳よ!!

そしたら彩ちゃんおお父さの声が途中でしなくなってさ~びっくりしたんだけど急に


『生きててくれて良かった。彩がそうしたいのなら私もお母さんも賛成だよ』


っていってくれたんだ。お父さんの声がしなくなった間お母さんと話してたんだろうね~

もう涙、涙の話だよ~ね~彩ちゃんよかったね~。


だから彩ちゃんと霞は今もう婚約者同士ね節度をまもってお付き合いして下さい。

以上!!」


「愛華お前策士だな!!あの短時間で結婚まで決めちまうなんてありえないだろ!!」

「すごいっしょ!!かすみ~~褒めて!!褒めて!!」


愛華はゆっくりと俺達の前に歩み寄ってきて彩の前に小指を突き出して

「彩ちゃん私は約束は守ったわじゃ~彩ちゃん契約確定ね約束履行よろしく!!」

彩は

「ハイこれで私達共犯者ですね。これからよろしくおねえさん」

そう言って愛華のだした小指に自分の小指を絡めて指切りをした。


『共犯者?な・・なんだソレ~~すごく不安なんですけど!!』

俺は背筋に寒気を感じてしまうぜ。!!彩と愛華はいったい何を契約したんだ!!


『怖くて聞けねえ~~』


「じゃ~邪魔者は消えるわ!!」



愛華はそういって部屋を出ていこうとしてドアの所まで歩いて行き突然振り向いたと思ったら


「そうそう一つ言い忘れてたわ!!かすみ、あのストーカーまたいつ彩ちゃんを襲って来るか解らないから月曜日から彩ちゃんうちの白沢高校に転校してくる事になったからよろしくね。


それとかすみ彩ちゃんのストーカー対策で今日から学校でも家でも女の子の格好で過ごしなさい。今後彩ちゃんから離れたらダメだからね!!校長先生には今さっき事情を話して許可を貰ったから大丈夫だから。月曜日3人で校長室におじゃまして今後の対策を相談する事になってるからそのつもりでね!!」


「えええええええええええええええええええええ~~~~冗談だろ!!」


俺は愛華のその提案に猛抗議!!


「冗談でこんな事言えると思う?彩ちゃんの隣に男なんかが居るの見たりでもしたらストーカーを刺激して何やってくるか解ったもんじゃないわ。今日のレイプで失敗してるのよ!!自暴になって自分の自由に出来ないなら二人共道連れに自爆テロだってやる可能性だってあるのよ!!あんた彩ちゃんを殺すすもり?

女の子二人だったら相手も油断するでしょ!!あんたなら襲ってこられてもあっという間に撃退可能でしょ?ある意味彩ちゃんにとって常時傍に居る事の出来る最強の護衛じゃん!!

だから今日から女の子の格好決定ね!!」


俺はその言葉に

「彩はそれで良いのかよ?」

と彩に俺が女の子の格好で彩と居るのは嫌だろうと言う気持ちを込めて聞いてみる。

彩は即時に


「愛華さんとの契約ですから大丈夫です。それにかすみさんに下着も私の使ってもらえるし!!何時も可愛いかすみさんと一緒にいれるのは最高です。」


『何げに凄い言葉が飛び出してきたぞ!!俺がつける下着は彩の下着って姉貴なんちゅう契約交わしてんだよ』


「月曜日から学校行く時もずっと一緒ですね」


その言葉に俺は


「女の子の格好でだけどな」



と言うしかなかった。



ーー おわり  ーー

一話完結で書いてみました。

今のところ連載予定はありませんが要望が多いようでしたら彩が転校してからのストーカーとの攻防を題材にしたものくらいは書けそうかな?

でも第一作目の方先に書かないとですね('◇')ゞ

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[一言]  久々の新作、楽しく読ませていただきました。  私には、妹はいますが、姉がいたらなと思うことはあります。男性の場合、意外と少し年上の女性とかかわることは少ないので、もし姉がいたらこんな風にな…
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