天空の主神 ゼウス打倒、エインヘリヤルへ
種族について・石鱗人
眼を眼帯で隠している種族。
この種族は邪視と呼ばれている相手を見れば、石化させる能力を持っている。この目は移植さえすれば、どの種族でも扱うことは可能である。
彼らがしている眼帯は石化している能力を抑えるためにしているものだが、視力そのものは眼帯をしていても普通に見えている。
邪視のほかに魔獣化と呼ばれる力も持ち、バジリスクになることは可能だが、知性が低くなることからあまり使いたがらない。
ヴァン大陸には生息しておらず、アース大陸で見られる。それでも数が少ない希少な種族である。
3行で分かる前回のあらすじ
地図で示された青い球を手に入れたレイたち。
故郷である異世界へと旅立ったシュガー。
次の目的地は小島だから、船が必要だから探します。
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船を探すためにソルムへ向かい、たどり着いたレイたちは二手に別れていた。
レイ、アモル、ルリの船を探すグループとルキス、ミラの修行のグループである。レイたちは船を探すために町中へと行き、ルキス達は町外れにいた。
ルキスはエインヘリヤルの段階へと進むがため、修行していた。
「行くよ!」
「来い!」
ルキスとゼウスは互いに発した雷をぶつけ合う。
第3段階であるエインヘリヤルに行くためには神魂を取り込まなければならない。神装を貸すのは神魂を具現化できるようにするためである。
ノードゥスの最終段階はリトスの中にいる神を具現化し、戦い、認められることである。そのため、エインヘリヤルにたどり着いた者たちは実力が高い傾向にあった。
ルキスとゼウスの戦いは続いていく。
…………
……
ついにその決着も終わりを告げた。
勝負を制したのはルキスであった。
「我の負けだ。俺を取り込め」
「……」
「どうした? 躊躇することはない。死ぬわけではない。我はお前の中で生き続ける」
「……分かった」
ルキスがゼウスに触れると黄金に輝き、稲妻が走る神魂へと変わっていく。 それを口に近づけていった。
ルキスはゴクンと丸呑みした。そして、神魂を取り込むことでついにエインヘリヤルへとたどり着いた。
「ゼウス……。ボクは君より輝き、響き渡る雷を生み出せるようになるよ」
雷の魔術を発動させるために雷のマナを集めようとしたが、それをせずとも雷を出すことができた。
「これはシュガーと同じ変換だ」
ルキスはエインヘリヤルとなったことでシュガーやスノウと同じ雷の変換へと体質が変わっていた。
彼の修行を見ていたのが2人いた。それはミラと天蓋だった。
「あれがエインヘリヤルのなり方か……」
「おそらく、そうだな」
「なら、お前も倒せば私もエインヘリヤルになれるのか?」
「どうだろうな。我はフレイヤとは違うからな。神魂でいいならなれるのではないか。もっとも、返り討ちにするが」
「そうか」
天蓋は主であるミラの意思を無視し、勝手に行動していた。
一方、レイたちは船を探すべく、何か情報が得られないかと酒屋にいた。
その店である男が自慢話をしていた。
「私の先祖は海賊であり、英雄でもあった。その先祖が残した財宝が眠っているという地図を見つけた。これを探しに行く」
その話を聞いたレイたちは自分たちも英雄であることを明かし、護衛を申し出た。自慢していた男の名前はベアトスと言い、彼が船を準備してくれることになった。
あれから、1週間が経った。人員や物資の準備ができ、小島へと向かう日が訪れた。
レイはその経緯をルキスとミラに説明していた。
「今から、向かおうとしている小島は昔、海賊のアジトだったんだ。ベアトスさんという資産家がそこを調査したいということだったから、その護衛として乗せてもらえることになったよ」
「財宝が眠っているのかな」
そんなことを言いながら、船を乗り込んでいく。その中にはルプスの姿があった。それを見たレイは声をかけた。
「ルプスさんもこの船に乗っていたんですね」
「レイたちも行くのか。船って聞くと知り合いの船が難破することを思い出すな」
「心配し過ぎですよ」
「そうだよな」
船に対し、大きな津波が突如やって来た。時に人は自然に対し、あまりにも無力である。
つまり、船は見事に難破し、レイたちはバラバラになった。
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船が難破してから、3日後。
アモルだけは1人で遭難してしまった。その時、ある黒髪の男と会う。
「俺の名前は邪竜人のウェルス。お前を連れていく」
「なぜですか?」
アモルは思わず戦闘態勢に入るが、エインヘリヤルに入っていない自分は勝てないであろうことは悟っていた。ウェルスは奇妙なことに邪竜人と名乗っていたが、リアみたいな竜の尻尾は生えておらず、どう見ても人にしか見えなかった。
「計画に必要だからだ。力を貸してもらいたい。知りたいことがあれば、教えよう」
「なら、今私たちが集めている球について知っていますか?」
「あれはピースと言い、英雄たちが集めるべきものだ。それは地下に眠る化け物を封印するためのものだ。だから、英雄が集めなければならない」
「そうですか」
アモルは悩んだ。ウェルスの計画は分からず、その状況に畳みかけてきた。
「もし、言うことに従わないなら、方法は問わない。だが、大人しく従ってもらえるなら、得た情報を誰かに伝えることを許そう」
「……分かりました」
アモルには相手の真意は分からなかったが、勝てない以上従うほかなかった。
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船が難破してから4日後。
ルキスとルリの2人は運よく船に拾われた。
彼らは元気よく今日もモップで甲板掃除をしていた。
「拾われて良かったね、ルリ」
「そうですね、ルキスちゃん。ただ……」
彼らが乗っていた船は船でも黒い旗にドクロマークが書かれていた。
「海賊船じゃあなかったら、良かったんですけどね」
「命あって、物種だし」
「これからどうします?」
「レイ、ミラ、アモルの3人があの小島に着いていると仮定して、何が必要だと思う?」
「分かりません」
「帰るための船だよ」
ルキスが出した問いの答えを聞き、ルリは彼がこれからしようとすることが分かった。
「まさか……」
「ルリが考えている通り、成り上がるか乗っ取って、レイたちがいる小島へと向かう。なんなら、その島にある財宝を渡すという交換条件にもしていい」
「帰る手段を確保するんですね」
「これから忙しくなるよ」
ルキスの野望が溢れ出る。




