魔術師ギルド トゥーレ
種族について・骸人
死人のごとく青白い肌を持つ種族。
普通に生まれることはなく、最初は聖女の力によって生まれた。それからは死んだ場合、一定期間を経て、蘇るようになっているため、数はあまり減らない。その際、記憶は消え、肉体は再利用される。
生まれたては知性が低く、死後硬直もあって関節はあまり曲がらない。だが、生きているうちに知性は高くなり、そのうち柔らかくなる。
血には毒素が混じっており、夜限定で空を飛ぶこともできる。それに加えて、口から冷気を吐くこともできる。ただし、日光がある場合は力も弱まり、弱体化する。
前回のあらすじ
アイランの助けを借り、無事に雲の国オーブラコに着いたレイたち。
そこで財宝の鍵である球を手に入れ、それをきっかけについにルリがフィデスに目覚めた。
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これはレイたちが雲の国へと行っている時に起きた出来事。
ウェントゥスのある都市でトゥーレのメンバーとその関係者が集まっていた。
そのメンバーはギルドマスターである天人のリミュエール、獣人のシュガー、人のアルト、骸人のデッドボディの4人に加えて、額から2本の触覚が生えていた緑髪の男がいた。彼の名前は蝶人のシュメッタ。シュガーが勧誘した1人だった。
関係者は聖女のアルキュオネ、森人のエクレール、竜人のジルニトラ、魔人のサタンであり、どれもシュガーとつながりを持っていた。
「エル。人のアルト、蝶人のシュメッタ、骸人のデッドボディの3人を勧誘した」
「余のギルドは順調ではないか」
「俺たちは何のために集まったんだ?」
「説明を始めよう」
デッドボディの疑問にシュガーは説明を始めていく。
「今日、集まった目的は4つ。1つ目は顔合わせ、2つ目はこのギルドの大まかな目的、3つ目は新メンバーの相談、最後は目的が可能であると確信してもらうためだ」
「世に美しい華はあまたあれど、これほど稀有な金色の華は稀少。与えられし称号はブランコ。その名はリュミエール・ブランコ・アーク。余がトゥーレのギルドマスターだ」
「あんたを知らない人のほうが少ないだろう」
「私は人のアルト・ケイモーン・オイサーストです」
「こんにちは、皆さま。私は蝶人のシュメッタと申します。以後、お見知りおきを」
それぞれが自己紹介していく。エルはシュメッタが名乗った種族に聞き覚えがなかった。
(聞いたことがない種族だ)
「そうでしょう、マスター。私の種族である蝶人はレア種族と言われているもので世界に私1人しかいないんです」
「そうか。それと余は口にしていたか?」
「いえ……」
彼はエルの口に出していないはずの疑問に答える。
「まあいい。シュガー、説明を」
「トゥーレの目的は異世界の進出だ。そのために情報などを集めていく」
「異世界に行く目的は何だ? そもそも、異世界が本当にあるのか?」
「異世界はある。その証拠はアーク家だ。アーク家は元々異世界から来たある種族が設立したという伝承がある。エルは異世界人の子孫だ。そして、進出する理由は特にない。見飽きた景色なら新たな場所へと行き、新しい景色を見ればいい。そこに知らない未知がある」
デッドボディの質問に答えるシュガー。彼の言っていることは食い飽きたなら別の物を食べればいいという考えだった。
「異世界の技術、知識を集めていく。そして、新たな未知へと挑戦していく。それがトゥーレの目的だ。そのためにやってもらいたいことがある、デッドボディ」
「なんだ?」
「お前には機人を探してもらいたい。機人という種族はこれからの目的の1つに役に立つかもしれない。次にアルト」
「はい、シュガーさん」
「移動系魔術を学んでもらう。研究や開発などは複数の視点で見ることによって初めて見えるものがある」
「そうですね」
それぞれのメンバーに指示した後、新メンバーの相談を始める。
「次の議題に入ろう。新メンバーの相談だが、聖女を加えたい」
「聖女……ですか」
「ああ、役に立つ。暫定的にアルキュオネを加えるが、シュメッタには本命を探してもらいたい」
シュメッタは探すための手掛かりをシュガーに聞く。
「お名前と特徴をお願いします」
「名前はアステロぺ。種族は変えられるが、最後に見たのは天人の姿だった。綺麗な白に少しばかり金が混じったような髪をしている」
「それだけの情報で探せるかは分かりませんが、努力はします」
「気長に探してくれ。あいつは神出鬼没でかなり厄介な能力を持つ。聖女を探しつつ、歪人という種族も探してくれ。異世界に行くための足掛かりになる」
「本当に異世界に行くことができるんしょうか?」
「できる。まずは行ける方法を確立させること。これが第1目的だ」
彼らは未知を探すために異世界に行くと言った。しかし、すべての異世界に行き、すべての未知を解き明かした時、彼らはどうするのだろうか
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トゥーレのメンバーは外に出ていた。そこにはメロディとスノウもいた。
地面には魔方陣が書かれており、シュガーの手には青い球が握られていた。
「俺が開発した異世界に行くための究極魔法の一端を見せよう。トゥーレの目的はこの究極魔法の難易度を下げ、魔術レベルにすることも入っている。この魔方陣はアルトの成果だ」
「シュガー。お主の手に握られている物は何だ?」
「これは拾った物だが、この球には神力が込められている。おそらく、神の遺産だろう。これを補助に使う」
シュガーは魔力と神力を器用に使い、究極魔法を発動させていく。すると空にひびがはいり、割れていくと黒い空間が顔を出す。
「これが究極魔法……」
「この究極魔法こそが異世界に行くための手段だ。まだまだ不完全だが、夢物語ではなく、勝算はきちんとある。では、戻そう」
シュガーが空間を戻そうとした瞬間、その空間から1つの影が落ちた。それは人だった。
赤髪の彼女は赤い竜の尻尾が生えており、背には見覚えがある剣があった。
彼にはその存在が分かった。
「……勇者か」
「排除する」
勇者と英雄がぶつかり合う。




