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キング型機人VS英雄

種族について・ユニーク種族

この第5世界には様々な種族が存在しているが、その中でも珍しいのがユニーク種族である。


生まれてくる子の種族は両親の種族のどちらかで決まる。まれにそのどちらかでもなく、突然変異で生まれてくる種族があり、この種族をユニーク種族と言い、突然変異種族とも呼ばれる。ユニーク種族が生まれる方法は突然変異だけではなく、レアタイプである聖女などの別の方法で誕生することもある。


突然変異で生まれてくるため、個体数が非常に少なく、1世代で終わることも珍しくない。しかし、1世代で終わらずに数を増やし、繁栄させるユニーク種族もいる。その場合、ユニーク種族と呼ばれなくなり、ノーマル種族となる。逆に数が少なくなったことで希少性が高まることでユニーク種族と呼ばれることもある。


ユニーク種族に当たるのは悪夢人、夢幻人、昌人、星輝人などが当たる。これらの種族は1世代で滅びるか1個体が長生き、家系を作り後継者の確保することで少数でも生き延びれるようにするなどのどれかをたどっていることが多い。



前回のあらすじ

ルナたちと合流したレイたち。彼らは機人が出るという遺跡に向かう。

一方、シュガーは自分の上司であるホークに修行をつけてもらい、古き友と再会していた。


****


 ダイゴから出たレイたちは機人が出るという遺跡にたどり着いていた。彼らは遺跡の近くにある草陰から入り口の様子を覗いていた。


「この遺跡だね」

「そうです」

「さっそく中に入ろう」


 レイの提案により、さっそく中へと侵入する。大きいデルタでも入れるぐらいの通路は広かった。

 途中、機人に襲われることもあったが、今のレイたちの敵ではなかった。難なく、撃退していき、先へと進んでいく。


「みんな、ちょっと止まって」


 壁を見ながら、歩いていたルキスがあることに気付いた。


「どうしたの、ルキス」

「ここの壁を見て」


 ルキスにそう言われ、壁を観察するレイたち。するとある部分だけがほかの壁と比べて、綺麗なことに気付いた。


「ここの壁だけがきれいだね」

「でしょう。デルタ、ここの壁を殴ってよ」

「分かった。離れていてくれ」


 ルキス達が壁から距離を取り、デルタは壁の前に立つと力を込めて殴った。壁は崩れていき、目の前には新たな道が現れていた。


「隠し通路か」

「なんか怪しいから、何かあると思ったんだよね」


 新たな道を進んでいくと扉があった。そこを開くと広い空間であり、石で出来た家や水路などが確認できた。

 レイたちは分かれて、探索することにした。レイはアモルと一緒に探索することになった。


「人が住んでいる場所も確認できますね」

「通路が隠されていたから、ここまで来れた人がいなかったんだね」


 レイとアモルがそんなことを言いながら、広場を探索していく。水路のほかに床が土で出来ている場所なども見つけることができた。


「これは土だよね? なんで、ここだけ?」

「もしかしたら、ここは畑だったのでは? なんだかんだ水はありましたし、光などは魔術でどうにでもなりそうですし」

「機械技術もあるだろうし、アモルの言う通り本当にどうにでもなりそうだね」


 ある程度、探索したところでレイとアモルはルナたちがいるところへと戻っていく。

 ほかの場所を探索していたルナとルキスから状況の説明を受けた。


「私の方ではキング型機人を見つけました」

「ボクは先へと続く道を見つけたよ」

「先にキング型機人をどうにかしましょう。何をきっかけに動くかが分かりませんし」

「そうだね」


 ルナの提案により、先にキング型機人をどうにかするべき、それがいる部屋へと向かう。


「これがキング型機人……」

「このキング型はベータだね」


 その部屋にあるベータと呼ばれるキング型機人は同じタイプであるデルタと同じくらい大きいが、彼と比べると体格は細く、その装甲は緑色に輝いていた。しかし、デルタと比べるとボロボロに近い状態であった。

 デルタがレイたちにキング型機人について説明していた。


「オイラたち、キング型機人は他のタイプと違って、月人だけの技術だけで作成されていないんだ」

「どういうこと?」

「キング型機人はこの星にある魔術と月にあった機械技術を融合させて作成されたんだ。本体の頭脳が詰まっている動力コアと魔力が蓄積している魔力コアの2つがキング型にはあるんだ。この2つさえ、無事ならボディがどんなに傷ついていても時間と魔力があれば、キング型は復活する」

「コアを壊せばいいんだね」


 通常の機人は動力コアが入れてあり、それが本体である。極端のことを言えば、コアさえ無事ならほかのボディに換装することで動けるようになる。

 キング型機人は通常の機人より頑丈な部品が使われており、場合によっては生物も使われていることもある。機人は人の手で修復する必要もあったが、この星にある魔術を応用し、魔力コアを入れることで幅広い戦術と自動修復などを可能にした。

 デルタが説明している間にルナはベータの体を弄っていたので、レイはそのことについて聞いた。


「ルナ、何しているの?」

「コアを抜いています。魔力コアだけでも抜けば、有利ですから」


 そんなことを言っていると彼女の手には機人から抜いた白く光る球があった。


「このまま、動力コアも抜こう」

「言いにくいのですが、大抵の場合魔力コアを抜くと自動的に動くことが多いんですよね」


 ルナが言っているとベータが立ち上がり、右腕を振り上げようとした瞬間。


「ルナ! 危ない!」


 ベータはデルタに殴られ、部屋の壁を壊しながら、外へと出される。その影響で部屋が崩れそうになっており、レイたちも急いで部屋の外に出る。

 英雄たちは戦闘準備を始めた。


絶風弊絶(アネモイ)


 レイはリトスから心剣を抜くと同時にフィデスを発動させ、風を集めていく。抜き終わると風は止み、レイの手には緑色に輝くマスクと黒い剣が握られていた。

 彼が顔にマスクをつけると背に緑のマントが出現し、体に巻き付いてコート状へと変わっていく。


極光(アウローラ)


 アモルはフィデスであるアウローラを発動させるとピンク色の極光が彼女の体から溢れ輝く。それと同時にリトスである黒いロザリオもピンク色に変わっていく。


雷霆(ケラウノス)


 ルキスは神装である雷を纏う。

 3人は交戦中であるデルタとベータに近づき、彼らの間に入る。ベータの右拳が振り下ろされるが……。


「はあ!」


 アモルの極光を纏った剣で拳をはじき返す。するとルキスがデルタの肩に乗り、ベータの右腕へと向かって、跳び蹴りをかました。ベータの背は地面につけられることになった。

 レイはその隙を見逃さなかった。


「絶風刃!」


 剣に風を纏わせたまま、機人へと斬りつけた。剣と風の切れ味が合わさり、見事に機人の体を切り裂いていた。

 ベータが起き上がると全員一斉に距離を取った。レイは自分の切り裂いた傷の様子を見ていた。


「ルナが魔力コアを抜いたおかげで修復しないようだね。これならいける」

「そうだね。ボクたちが持つ最強遠距離技で一気に決着をつけよう」

「分かりました」


 レイは剣に風を纏わせていき、それと同時にコートの色が緑から城へと変わっていき、アモルは右腕に極光を溜めていくと右腕がピンク色に輝きを放つ。

 ルキスは神装を解除するとフィデスである磁力(ガウス)を発動させ、4つの鉄球を取り出す。左腕に3つ並べると左肩に鉄球を合わせた。

 そして、各々の遠距離技が放たれた。


「絶風刃!」

「極光波!」

「ガウスキャノン!」


 レイの剣からは風の刃が、アモルの右手からは極光に輝く天撃が、ルキスの左腕からは鉄球の砲撃が放たれた。

 それぞれの攻撃はベータに見事に当たる。結果、機人の体は上半身と下半身の2つに分かれた上にさらにボロボロになっており、それ以上動く気配がなかった。

 レイはあることをルナに気付いた。


「ところでルナ」

「はい、なんでしょう?」

「あんなにボロボロにして良かったの? 手加減とか考えている暇がなかったから」

「別に保護とかが目的ではないので大丈夫ですよ。あくまでもどうにかすることが目的ですから」

「それなら良かった」


 ルナがボロボロになったベータに近づき、状態を調べているとアモルがレイに奇妙なことを言い出した。


「何か感じませんか? レイ」

「僕は何も感じないけど」

「私の勘がここに何かあるとそう囁いています。道標の声を聞くような感覚を感じます」

「先へと続く道があるから進んでみる?」

「そうしましょう」


 ルナたちにそう伝えるとルナ、デルタ、ラファエルの3人はその場に残り、ルキスがレイたちについていくことになった。

 3人はどんどん先へと進み、地下へと降りていく。


「この先に何があるのか、楽しみだねー」

「アモルがここまで言うのは珍しいよね」

「誰かが呼んでいる気がするんです。あっ」


 歩いているとアモルのリトスである黒いロザリオが輝きだした。


「アモルのリトスが光るということはアモルの言う通り何かがあるね」

「そうでしょう」


 レイたちにアモルが得意顔でそう言っているうちに大広場に着いた。その部屋には大扉があり、それにはレイとアモルが見覚えあるマークが刻まれていた。


「レイ、これは!」

「この地図に書かれているマークと同じだ!」


 扉には地図に書かれている七芒星が刻まれていた。


「この先に財宝があるんですかね?」

「たぶん、そうじゃない?」

「レイたちが言っていることは理解したけど、問題が1つあるよね。どうやって、この扉開けるの?」


 レイが扉を押したが、開く様子は無かった。


「開けられないね」

「どうします?」

「なら、こうだ。風よ、敵を貫け! 風弾!」


 レイは魔術を唱え、扉に向かって、風の弾をぶつける。しかし、開くどころか傷つく様子もなかった。


「駄目だったね、レイ」

「アモル、地図だよ。セレネさんが地図に封印が仕掛けられているって言っていたから、地図になにかあるんだよ」

「ナイスアイデアです」


 アモルが地図を取り出すと地図が光り出した。光が収まると地図のあるところに黄色の星マークが浮かんでいた。


「これはどういう意味でしょう?」

「扉に開けるのに必要な物がある場所を示しているんじゃない? まるで道標みたいだね」

「なら、集めていきましょう」

「そうだね。でも、ここはどこを示しているんだろう?」

「ボクに見せてみて」


 レイはルキスに地図を見せた。


「ここはソルムにあるグラッドという村だね」

「ルキス、詳しいね。本当に頼りになるよ」

「だって、ここはボクの故郷だもん。案内するね」


 レイたちはルキスの案内の元に彼の故郷であるグラッドへと向かうことになった。


 ついに地図と同じマークである七芒星が刻まれている扉を見つけることができたレイとアモル。彼らの物語は新たに始まろうとしていた。

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