合流
種族について・角人
頭のどこかに角を持つ種族。人によって、二対の角であったり、一本角であるため、角の数はバラバラである。さらに角が前向きに生えたり、後ろ向きに生えることもあるため、形状も違う。
角人にとって、角が折られることは恥であり、屈辱である。そして、敵対心が強い人が多い。
種族の力は魔眼である。この力は角同様、人によって違う。色がついた人影を出したり、嘘を判別したり、相手の動きを止めることが確認されている。
前回のあらすじ
ウェントゥスへと向かうレイとミラたち。そのころ、別々に飛ばされた3人組も無事に仲間たちと合流することができた。
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シュガーとペテルギウスはある場所に向かっていた。
「ペテルギウス」
「なに、ズヴェズダ」
「ギャグを思いついた。聞きたいか」
「どちらでもいいよ」
「指を見てくれ。何本だ」
「4本だね」
「ちょっと、そこ、420」
シュガーは4本の指を2本にしながら上に動かし、最後に指で丸を作り0にした。
「というギャグなんだが」
「かなり大爆笑」
「やはり、そうか」
シュガーのギャグに対し、ペテルギウスは淡々と答えた。彼は彼女にあることを聞いた。
「聞きたいことがある」
「それはなにかな」
「すこし420して、冒険って何だと思う?」
「自分の知らない場所に行くことかな」
ペテルギウスの答えを聞き、シュガーはあることを言い出した。
「それなら、いずれ人類は冒険ができなくなるな」
「そうかな?」
「そうだ。文明はどんどん発達していく。金はかかるが、火を使って飛んだり、魔力で馬を使わずに車を走らせる技術が開発されていると聞く」
「そうなんだ。僕が500年前の化石だけど、最近目覚めたばかりだから、何もかも新鮮な気持ちで見れるよ」
「お前が化石なら、ちゃんと500年ぐらい生きていた俺は何になるんだ。それはそれとして、文明が発達することで隙が無くなっていくと考えられる。だから、冒険って、すごく大事なことだと思う」
もし、世界地図があるとして、それを見て旅をし、それを冒険といえるだろうか。ある人はその人が行ったことがない場所だから冒険というだろうし、ある人は知られている場所だから旅行というだろう。
「うんうん。大事なものは自分で決めて、ちゃんと大切にしよう」
「冒険ができる時代に生まれ、冒険している俺たちはけっこうすごいことだよな。なぜなら、後の時代ではできなくなっているからな」
「かもね。ちなみにズヴェズダの冒険の定義はなに?」
「未知への挑戦かな」
シュガーはそう言った。
「未知?」
「そうだ。人は知らない物を求め、または恐れる。恐れられる未知なるものを挑戦することだ。それは料理でもいいし、ダンジョンでもいい。そこに未知があるから、人は挑戦する。その挑戦を冒険と呼ぶ」
「そうかも」
「師匠ー」
2人が話しているとスノウの声がどこかしらか聞こえてきた。
「ここにいないはずの弟子の声が聞こえてくる」
「上だよ」
「どうして、スノウとドルチェが空から降ってきた?」
シュガーはそう言いつつ、魔術で飛び、スノウとドルチェを空中でキャッチした。
「師匠、私空を飛んでいます」
「次は自力で飛べるようにな。何があった?」
「それは……」
スノウは今まで会ったことを伝えた。道標を1つ手に入れたこと、ティアのフィデスによってバラバラになったことを話した。
「そういえば、戦闘に参加せず、ただ立っている人がいました」
「それはどんな奴だ?」
「赤紫の髪と瞳をしていました」
「……アイランか」
懐かしそうに言った。
「師匠の知り合いですか?」
「ああ」
アイランという名前を聞き、今から向かう場所を決めた。
「ウェントゥスへと向かう」
「なんでかな?」
「セレネという俺の知り合いがウェントゥスに住んでいる屋敷がある。あいつから、調べていることを聞きたい」
「ティアちゃんのお姉さんに会いに行くんですね」
4人はウェントゥスへと向かった。
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無事、道標を手に入れることができたルキスとリアマ。2人は船に乗って、アクアに向かっていた。その理由はルキスがその方向から道標の声を聞きとったからであった。
「あの山でリアマもフィデスを修得できたし、互いに神装を手に入れることができたね」
「そうだな。それに新たな友も得ることができた」
道標を手に入れる道中、女性の蛇人と男性の岩人が協力してくれた。
「冒険も案外悪くないな」
「そうでしょうー。リアマも冒険者になればいいじゃん」
「私には国を継ぐという使命がある」
「妹のアルティに任せるのは?」
「気軽に言うな。我がイグニスではよほどのことがない限り長子が継ぐことになっている。そういう決まりがなければ、後継者争いで国が滅びかねない」
「ふーん、難しいんだね」
リアマは冒険者という言葉を聞き、ルキスにあることを尋ねた。
「ときにルキス。お前は冒険者だが、ギルドには所属しているのか?」
「所属しているよ」
「意外だな。てっきり、所属していないかと思っていた」
「無名の冒険者に個人的依頼が来るはずないじゃん。ギルドに所属しないと仕事がないよ」
「それもそうだな」
ルキスの正論にリアマはもっともだと思い、同調した。
「だから、今は下地を作っている最中だよ。貴族やほかで名が売れていない限りはギルドに所属する必要があると思うよ。でも、1つ問題があるんだよね」
「それはなんだ?」
「貴族やほかで名が売れているなら、それで生きていけばいいし、依頼を受ける側じゃなくて、する側なんだよね」
「それもそうだ」
2人がそんなことを話していると上から黒い何かが落ちてきた。
「なに、これ?」
「敵か」
「俺だ」
アスラは立ち上がり、そう言った。
「なーんだ、アスラか」
「なぜ、アスラが空から降ってくるのだ?」
「色々あった」
「説明になってないが、お前の説明を聞いても分かるとは思えん」
「まあ、お前らと合流できたし、俺もついていくぜ」
ルキスとリアマにアスラを加えて、アクアへと向かうことになった。
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ティアとアモルはある森へと飛ばされていた。
「ここはどこでしょうか?」
「ここはデネブラエですよ」
アモルが疑問を口にすると2人以外にいた女性が本を読みながら、答えてくれた。その人は長い黒髪でロングスカートだった。何より目立つのは白衣を着ていることだった。
「答えていただきありがとうございます。貴方のお名前は?」
「僕のお姉ちゃんだよ。五大英雄なんだ」
「そうですか」
場所を教えてくれた人が答える前にティアが答えた。アモルは1日で英雄物語に出てくる五大英雄である2人に会えるとは思っていなかった。
ティアの姉は本を閉じ、自己紹介を始めた。
「私は霊人のセレネ・エレオン。そこにいるティアの姉です。あなたは現英雄ですね?」
「はい、そうです」
「なら、お話しましょう。この世界に訪れつつある脅威について」
セレネは自分が調べていた新たな脅威について、話し始めた。
無事に仲間と合流できたアスラたち。運命のいたずらか、レイとシュガーは再び同じ場所へと向かうことになった。




