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神に選ばれし英雄の異世界物語  作者: 甘味神宝
異世界での冒険
1/86

異世界での冒険の始まり

約500年前、神に選ばれた英雄がいた。英雄たちは各国で起こった事件を解決したり、様々な場所を冒険することで力を身に付け、絆を深めていった。そして、世界の平和を思うあまりに世界に害なす存在になってしまったものが現れた。英雄たちは世界に平和を取り戻すために害なすものを倒す決意をする。


しかし、神々の中には害なす者の考えに賛同するものがいた。そのため、神々を巻き込んだ戦いに発展していく。神々を巻き込んだ戦いになったことから、人々はこの戦いを神界大戦と呼んだ。


戦いの結果、害なす者を封印することに成功する。英雄たちは願った。いつか封印が解けたとき、考えが変わってくれているようにと。世界に平和をもたらした英雄を人々は五大英雄と呼ぶようになる。また、五大英雄の一人が異世界から来た者だったので、異世界人が崇められるようになる。


時が過ぎていき、この物語が昔話として人々に語り継がれていくようになった時、再び神によって、英雄たちが選ばれ、新たな物語が始まっていく。


****


「暇だな」


 彼は公園のベンチに座りながら、そうつぶやいた。

 彼の名前は銀条玲16歳。白虹学園に通う2年生である。後にある人物から、レイ・シルバという異世界で使う名前をもらうことになる。

 彼は部活の帰りに公園のベンチに座っていた。部活は将棋部に入っており、県でベスト8になるぐらいの腕前だった。


 彼は同じような日常が続く毎日に少し飽きていた。しかし、自分から新たなことに挑戦する度胸がなかった。それでも、この日常を壊してくれる何かを待っていた。

 彼の願いはある神により、叶えられることになる


「暇なのか」


 いきなり、声が聞こえたので、レイは周りを見回した。そこに自分以外の姿は見られなかった。


「無駄だ」


 また、声が響いた。


「どこにいる?」

「私はどこにもいない。お前の頭に直接語っている」

「疲れが溜まっているせいなのか、幻聴が聞こえる。休もう」

「私の声を幻聴にするな」


 頭の中に語り掛けてくる声には怒りが少し感じられた。


「何か用があるのでしょうか。大体、あなたは誰なんですか」

「一気に聞くな。一つずつ答えてやる」

「私の名前はウルズ。神だ」


 神と名乗るものはそう答えた。

 レイはこの人は頭がおかしいかなとそう思った。


「人ではない。神だ」

「考えていることが分かるのか?」

「当然だ。頭の中に直接語っているのだから」


 ウルズは至極当然なことを言うように言った。


「私の目的はお前を異世界に送るためにやってきた」

「何のために私を異世界に送るのでしょうか」


 レイは神と対話しているので、言葉が少し丁寧になっていた。しかし、彼はワクワクしていた。この日常を壊してくれるものが現れたことによって。


「理由は二つだ。一つはその異世界が面白くなるようにするため。もう一つはお前が暇といったからだ。その言葉を偶然聞いた。私たちは暇を嫌う。よって、その言葉に共感した」

「疑うわけではないのですが、何か証拠はありませんか」

「なら、異世界に行くときに力をやる。本来の力と別にな」


 レイはさらにワクワクしていた。自分に漫画みたいな力がもらえることに。


「異世界にお前をすぐに送るぞ」

「ちょっと、急すぎる。あと、力の使い方や使命については教えてくれないんですか。」

「冒険している間に分かるだろう」


 そうやって、彼の日常が壊れ、異世界での物語は始まった。


****


 レイは気が付くと知らない場所にいた。そして、自分の手には銀色の鍵が握られていた。


 「なんだ。この鍵は?」


 とりあえず、鍵をポケットにしまうと周りを見回した。周りには草原が広がっており、建物が1件あった。周りを見回していると人影が見え、こちらに近づいた。


「始めまして、変なことをお聞きますが、あなたは異世界から来た方ですか」

「そうだけど」

「それならよかった。私の名前は天人のアモル・リベラと言います。あなたの名前をお聞きしてよろしいでしょうか」

「俺の名前は銀条玲」


 お互いに名乗った。彼女はアモル・リベラという人で髪の色は金で瞳は青だった。髪は三つ編みにして、後ろに一つにまとめていた。青みを含んだ黒の服で白の上着を着ており、スカートはロングでスリットから太ももが見えていた。胸は結構大きく、優しそうな雰囲気を出しているとレイは思った。


「ギン・ジョウレイさんですね。何人なんでしょうか」


 彼女は不思議そうにそう尋ねた。これは人を馬鹿にした発言ではないと思った。


「日本人です」

「ジョウレイさんは日本人ですか。日本人とは新たな種族でしょうか」

「ジョウレイではなく、銀条が苗字で玲が名前です。あと、日本は俺が住んでいたところの地名です」


 レイはそう訂正した。彼女は少し天然気味かもしれないと思った。


「そうですか。それは失礼いたしました。なら、なんてお呼びすればよろしいでしょうか」

「レイでお願いします。リベラさん」

「わかりました。私のことはアモルで結構ですよ。レイさん」

「さんもいらないよ。アモルさん」

「私にもさんは結構ですよ」

「なら、お互いにさん付けは無しで」

「わかりました」


 こうした会話の後で疑問に思っていたことをレイはアモルに尋ねた。


「アモルはどうして、ここに来たの?」

「神からお告げがあったんです。この世界に鍵を持っている異世界人が来ると。そして、その人にお世話しながら、この世界のことをいろいろ教えてあげなさいと」


 アモルは大真面目にそう言った。


「鍵って、これ?」


 レイはポケットから鍵を取り出し、アモルに見せる。


「そうです。これは神に選ばれた証でリトスと呼びます。形は人によって、違うそうです。私のリトスは首にかけているロザリオです」


 そう言うとアモルは黒色のロザリオを見せてくれた。レイがよく見ると自分のカギと同様、何かしらの力を感じた。


「私はレイにいろんなこと教えられるのを誇りに思います。何せ、異世界の英雄に教えられるのですから」

「それって、どういう意味?」

「それはですね。あ、話が長くなりそうなのであの教会でお話しませんか」


 アモルは建物に指を指しながら、そう言った。どうやら、近くに立っていた建物は教会だったようだ。

 レイとアモルは教会に向かい、歩いて行った


****


 レイとアモルは教会の2階の部屋で話の続きをすることになった。部屋は綺麗に片付けられており、窓が開いていた。二人は椅子に座り、話の続きを再開した。


「昔話で英雄物語という話があるんです。そのお話で出る英雄の一人が異世界から来られた人だったと伝えられています。このお話から、異世界から来られた方はこの世界を守ってくださる英雄だと信じられているんです」

「そういう昔話があるんだ」

「そう、そういう物語があり、信じられているんだ」


 二人以外の声が聞こえた。声は開いた窓から聞こえてきた。


「初めまして、異世界の英雄さん」

「あなたは誰なんですか。いきなり、入ってきて」


 アモルはそう尋ねた。


「俺の名前は獣人のシュガー・シャルロット。君たちと同様、神に選ばれた英雄で魔術師だ」

「私の名前は天人のアモル・リベラ。こちらの方は銀条玲です」

「リベラか」


 シュガーはそうつぶやいた。シュガーの髪と瞳ともに赤だった。髪は肩より少し下の長さで、結んで後ろに伸ばしていた。アモルと違い、彼の頭に動物の耳だと思われるのがあった。服は黒でその上に赤いフード付きのコートは着ていた。彼の左肩には妖精、右肩には小さい狐を乗せていた。最大の特徴は彼の声は普通の男性より声が高いことであった。見た目から自分と同じくらいの年だと思った。


 レイはどうやって、俺たちに気づかれずに入ったのかを不思議に感じていた。それはアモルも同じだったのか、シュガーに尋ねる。


「どうやって、入ったのですか」

「俺の魔術だ。俺は瞬間移動ができる。リトスを感知し、それを頼りにして、中に入った」

「シャルロットさん、俺って、魔術使える?」

「シュガーでいい。レイはたぶん使えると思う」


 どうやら、こちらの世界では魔術は存在するようである。


「銀条玲か……」

「それが何か」

「いや、こちらではめったに聞かない名前だと思って。そうだ。レイに異世界での名前を考えよう」

「なんて名前にしますか」


 シュガーとアモルはレイを差し置いて、名前を考え始めた。


「レイ何にしましょうか」

「銀条の銀からとって、シルバだ。レイ・シルバなんてどうだろうか」

「まず、本人に聞かないと。レイ、どうです?」

「それでいいよ」


 こうやって、銀条玲の異世界の名前はレイ・シルバに決まった。


「名前も決まったけど、これからどうすればいいんだ」

「その前にレイにこの世界について、説明しないとな。レイ、お前の世界はどんな世界だ。俺みたいな獣人はいたか?」

「いや、いない。人だけが住んでいた世界だった」

「そうか。この世界では様々な種族が住んでいる世界だ。人、獣人、天人、森人、竜人、角人、岩人、戦人、翼人、小人、魔人などの種族が確認されている。人を除いたほかの種族は独自の力を持っていることが多い。例えば、アモルは天人と呼ばれる種族で天力という力を持っている。この力は天人以外で持つ人は少ない。つまり、その種族が持つ力は他の種族が持っていることはあまりない。ちなみにこの世界の人間が一番多く持っているのは魔力だ。そのことから、ほかの力と比べて、魔術が一番発展している。何か質問あるか?」

「天力って、どんなことができるの?」

「それを説明する前にもう一つ説明する。この世界はマナと呼ばれるものがある。マナは火、水、風、地、雷、闇、光の七つの性質を分けられる。天力は光の性質を持ち、武器などを具現化することができると言われてい」

「ならさならさ、魔術はどうやって使うの?」


 レイは少し興奮して質問した。


「それは必要になったら、教える。一気に説明しても覚えきれないだろうしな。次はこの世界の地理についてだ。この大陸は7つの大国と一つの地域に分けられる。修羅の国イグニス、独自の国アクア、連合国トルトニス、魔術大国ウェントゥス、商業大国ソルム、教育の国ルークス、魔王の国デネブラエ、自由の地域リベルタースの8つに分けられる。首都と国の名前は同じだ。俺たちは今から、光の都ルークスに向かい、ほかの選ばれたものと会う」

「なんで、そんなことが分かるんでしょうか?」


 アモルは疑問に感じ、そう尋ねた。


「アモルがレイに会うように言われたように俺はお前たち2人をルークスに連れて行くように言われた。仲間は自分たちを含め、合計7人いる。そのうち、1人はルークスに向かうときに合流し、残り3人はルークスで会う予定だ」

「そうですか。わかりました。さっそく向かいましょう」


 こうして、レイ、アモル、シュガーの3人はルークスに向け、出発した。


****


 レイは歩きながら、二人に聞いた


「この世界には魔物はいるの?」

「はい、いますよ」

「この世界では何かしらの要因でマナを過剰に取り込んで暴走した個体を魔物と呼んでいる。ほかの国を行くときに戦う力がないものは冒険者や傭兵を雇うことが多い。お前のところにはいたのか?」

「いやいなかった。俺たちって、このまま進んで大丈夫なのか?」

「安心してください。レイは私が守ります」

「英雄に選ばれたんだから、そう簡単には死なんだろう」


 こんな他愛のない話をしているとレイはウルズという神の言葉を思い出した。『なら、異世界に行くときに力をやる。本来の力と別にな。』という言葉を。今の自分の体は何も変わっていないように感じられた。


「二人はどうやって戦うの?」

「私は剣と天術で戦いますよ」

「俺は主に火の魔術で戦う。あと、刀の二刀流」


 レイはルークスについて、2人に聞いた。


「ルークスって、どんな国?」

「ルークスは私の出身国です。ルークスは四大貴族と呼ばれる貴族の中から王を選出しています。四大貴族はグローリア、エーレ、アーク、グランツの四家をそう呼びます。国の特色としては他の国と比べて、教育が充実していることですね。あと、悲しいことに魔人に差別意識があることです」

「魔人って、種族の一つだよね?」

「そうです。呑み込みがいいですね」

「魔人という種族は二つに分けられる。1つは元から魔人として生まれた場合。もう1つは長年生きて、力を持ったものをそう呼ぶことがある。共通の特徴としては魔力を持っていることが多いことだな」

「ルークスでは魔物や魔人が持つ魔の力が嫌われているんです。しかし、私はすべての種族が手を取り合い、助け合える時代が来ると信じています」

「素敵な夢だね。応援するよ」

「ありがとうございます」


 レイはアモルが言った『私はすべての種族が手を取り合い、助け合える時代が来ると信じています。』という言葉を聞いて、アモルのことを本当に心優しい人なんだなと感じた。


「俺さ、異世界にきて、初めてあった人がアモルで良かったよ。優しい人だしさ」

「私よりいい人はいますよ。それでも、ありがとうございます」


 アモルは顔を赤らめながら、そう言った。


「レイ、俺は?俺に会って、良かったか?」

「これから、期待ということで」

「分かった。なら、期待に応えられるように頑張ろう」


 そうして、しばらく歩いていると村が見えた。


「この村で合流する。それまでは自由行動だ」


 シュガーは村に着くなり、そう言った。


「レイ、私と一緒に村を回りませんか」

「いいよ」


 レイとアモルは一緒に村を回った。村を回っていた2人に村長が訪ねてきた。


「すみません。そちらの方は教会の方でしょうか?」

「はい、そうです。教会に所属しているアモル・リベラといいます」

「リベラ様でしたか。この村を助けてもらえないでしょうか」

「事情を聞かせてもらえますか」

「この村の近くに魔物が見かけるようになったんです。いつもなら、村の戦士に対処してもらっているのですが、魔物がいつもとは違う妙な動きをしているんです」

「妙な動きって?」

「いつもなら、魔物は単独か多くても4,5匹で動いているのですが、集団で行動しているんです。この村では数が多いため、対処できないので退治してもらえないでしょうか」

「分かりました。困った人は見捨て置けません」


 アモルはそう言い、魔物退治を了承した。


「とりあえず、どうする?」

「シュガーに相談しましょう」


 2人はシュガーを探しに行った。

 2人が探した結果、シュガーは宿屋にいた。アモルは先ほど魔物退治の件を話した。


「それは妙だな。魔物が集団行動とは。何か人の手が感じられるな。分かった。魔物退治を手伝うよ」

「ありがとうございます」

「レイはどうする。連れていくのか?」

「人を助けるのが英雄だからな。もちろんついていくよ」

「レイ、無理しなくてもいいんですよ」

「大丈夫だって。アモルは心配性だな」

「万が一のときは1人で逃げろ。そして、ここに来る仲間に助けを求めるんだ」

「分かった」


 レイはシュガーの言葉に頷いた。3人は魔物退治をするために村をあとにした。


****


 3人は森の中に入り、集団で動いている魔物を発見した。


「いたな」

「ええ」

「どうなっているんだ」

「見た限り、2本の足で歩いている魔獣を中心になって、動いている。おそらく、そいつが魔物たちを統率している」

「作戦はどうしますか」

「俺が周りの魔物を引き付ける。その間にアモルとレイは魔獣を倒してくれ。あと、レイ」


 シュガーはそう言うとレイに剣を渡した。


「助けられるとは限らない。いざという時はそれで自分の身を守れ」

「おう」


 レイはシュガーから剣を受け取り、覚悟を決めた。

 シュガーは瞬間移動でレイたちとは違う場所に移動した。そして、魔術で火を出し玉状にして、魔物の群れに向かって、放った。火に襲われた魔物はシュガーの方向に襲い掛かった。


「作戦通りだ」


 シュガーはそう言いながら、襲い掛かってきた魔物を右手で持った刀で斬っていく。


「行きましょう」


 アモルたちはシュガーとは魔獣と対峙した。


「恨みはありませんが、行きます」


 アモルは剣を抜き、魔獣に対し、振りかざした。魔獣はそれを避け、アモルに攻撃をした。アモルも相手の攻撃を避けた。そして、次の攻撃で魔獣を斬ることができた。


「やったか」


 レイがそう言うと魔物はレイなら倒せると考えたのか、アモルを無視し、レイに襲い掛かった。レイは魔物に対し、恐怖を感じ、震えて動くことができなかった。しかし、持っていたリトスから声が聞こえ、その声に従った。


未来召喚(フトールム・フォルテ)


 レイがそう叫びながら、自分の体にリトスを指した。そうするとレイの体が光った。魔物は行動を辞め、レイを様子見していた。光が収まったとき、アモルの知っているレイの姿はなかった。


「やっとか」


 レイとは違う声が聞こえてきた。姿はレイより体が大きくなっており、髪の色は少し黒みがかった金髪だった。そして、肌は褐色になっていた。服装も変わっており、自分の筋肉を見せつけるようにするためか、上半身裸だった。


「あなたは誰なんですか。レイをどこにやったんですか」

「まぁ、混乱するのは分かる。しかし、自己紹介はその雑魚を倒してからだ」


そういうとアモルの胸に手をかざすと、なぜか剣が出現し、それを抜き取った。その剣は直視できないほどの金色に輝いた。魔物は危険を察知したのか、逃げようとしていた。


「遅い」


 剣を振った。そして、逃げようとしていた魔物は真っ二つになった。


「次はもっと骨がある奴の時に呼んでほしいね」

「あなたは何者なんですか」

「俺はレイであり、レイでないもの。レイの未来の姿だ。名前は魔王フォルテ」


 アモルは考えた。フォルテはレイの未来の姿であるといった。つまり、レイは何かが原因で魔王になる運命なのかと。


「もう時間切れか。初めてだから仕方ないか」


 フォルテからレイに戻った。アモルはフォルテとレイの姿を比べた。体つき、髪の色がまるで違っていたが、瞳の色だけは同じだった。アモルの心には不安が残った。


「もう退治してたんだ。助けにするのが遅かったね」


 声が聞こえた方向を向き、警戒した。


「アモル、警戒しなくていい。俺たちの仲間だ」

「あ、シュガーじゃん。迎えに来たよ」

「シュガー。レイが……、レイが……」

「分かっている。とりあえず、村に戻ろう」


 4人は村に戻り、休憩することにした。


****


 レイが目を覚めるときには夜になっていた。近くにアモルがいた。


「目が覚めましたか」

「ごめん、迷惑かけて」

「気にしないでください。立てますか」

「うん」

「シュガーがあなたの身に起こったことを説明してくれるそうです。記憶はありますか。」

「記憶はある。魔物に襲われたと思ったら、姿が変わって、魔物を倒した。アモル、どうして泣いているの?」

「何もありません」

「なら、聞かない。けど、いつか話してね。シュガーに会いに行こう」


 レイとアモルはシュガーに会いに向かった。

 シュガー以外にも人が1人いた。


「目が覚めたか」

「迷惑かけて、ごめん」

「気にするな。説明の前に自己紹介をしてくれ」

「ボクの名前はルキス・ペリペティア。冒険者だよ」


 ルキスと名乗った少女の髪の長さは肩にかかる程度で色はピンクで瞳は紫色だった。黒の長袖に赤色のミニスカートを着用していた。


「よろしく」

「自己紹介も終わったし、今回の出来事について、説明する」


 アモルはレイの身に起きたことをみんなに話した。


「今回、レイの身に起きたのは奇跡(フィデス)だろう」

「フィデスって、何?」

「俺たちは英雄として選ばれた証にリトスを持っている。リトスを持っているものは神に与えられた力である奇跡フィデスが使える。このフィデスには通常では考えられないほどの力がある。レイはフォルテという未来の自分を呼んだ。レイのフィデス、フトールムは未来の自分を呼ぶという力だな」

「それが俺の力か」

「しかし、フォルテは自分のことを魔王って、名乗っていました」

「アモル、それについてはあまり心配しなくていい。未来は変えられるのだから。お前が支えてやれば、レイは間違わないよ」

「分かりました」

「あと、アモルから剣を取り出したのはおそらくレイ自身の力だろう。異能力と言われる力だな。」

「異能力って、種族のどの力にも当てはまらない能力のことだよね。確か」


 ルキスはそう言った。


「なら、ボクから抜いてみてよ」

「分かった」

「駄目です」


 アモルは大きな声でそう言った。


「レイ、駄目です。私で抜いてください」

「見れるなら、そっちでもいいよ」

「分かった。アモル、行くよ」


 レイはアモルの胸に手をかざした。そうすると金色の剣が現れ、それを抜いた。


「綺麗だね」

「まるでアモルの心を剣にしたようだ」

「それは案外間違ってないかもな」

「それって、どういう意味?」

「レイの異能力は確か心剣(アニムス)と呼ばれている。このアニムスは対象者の心をもとに武器を具現化する能力と言われている」

「そうなんだ」

「説明も終わったし、それぞれの部屋に帰って、もう寝よう。明日にはルークスに着きたいしな」


 そうやって、各々自分の部屋に戻っていった。


「ねえ、どうしてついてくるの?」

「それはレイと同じ部屋だからですよ」

「本当?」

「本当です」


 レイはアモルと一緒の部屋に眠ることになり、眠れるのかが心配になったが、無事に眠れた。こうして、夜は明けていった。

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