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第5話 意気消沈ス

 「意気消沈」とは元気をなくし、しょげかえること。「消沈」は気力などが衰えること。「消」は「銷」とも書く。

  課長補佐代理はおもむろに切り出した。

「射精できるようにして差し上げます」

「……えっ?」

「長年使い慣れた貴方のムスコを袋の中身ともども転生する姫の身体に移して差し上げます!」

「それって……アソコだけ男になる?」

「いいえ、違います!」

「まさかと思うけど、男のも女のも両方?」

「That's right!」

「なんで英語?」

「これで転生しても射精したい放題です」

「意味がわからん……」

「その通り、と言う意味です」

「英語の意味を聞いてるんじゃないよ! それに記憶がないんだろ!?」

「大丈夫! その場合は記憶も人格も封印しません」

「封印しないとどうなるんだ!?」

「最初から姫としての記憶と生前の記憶を持ってる状態ですね。転生後、目覚めた瞬間は錯乱してパニックになるでしょうけど」


「むちゃくちゃじゃないか!」

「さらに姫の元々の人格とあなたの人格が競合しますね。あなたの人格が姫の人格を飲み込むか、あるいは姫の人格が消滅するまでの間は、あなたの人格と姫の人格が頻繁に入れ替わります。場合によっては、あなたの人格や姫の人格が分裂してあらたな人格が次々に現れ収拾がつかなくなる可能性すらあります」

「そんなんで大丈夫なのかよ!?」

「大丈夫、男と女の快感がダブルで味わえますので、すぐ快楽の虜になりますから細かいことはどうでも良くなりますよ」

「何の解決にもなってない!!」

「なにを仰る、うさぎさん! あなたね! 男としての快感と、女としての快感を両方同時に体感できるなんて素晴らしいじゃないですか?」ヘラヘラ笑う課長補佐代理に対し、不運な運ちゃんAはついに怒った。

「どこが~! それに何だよ、うさぎさんって!? ふざけてるのかよ!?」

「ただ単に場を和ませようとしただけじゃないですか。さっきから怒りの沸点がだいぶ低いようですが? カルシウムが足りてないんじゃないですか?」


 「ハァ~……そういや転生先って牛乳あるんだろうか?」

「牛乳とはどんなものですか?」

「牛の乳のことだけど?」

「牛と言う生き物の乳ですか。それでどのような液体ですか?」

「白くてコクがあってちょっと生臭い飲み物だけど」

「牛……そのような生き物は存在しません。代用品を調べます……ありました! ●ーメンです。自分で射精したものをそのまま飲めますね。良かったじゃないですか」

「自分のなんて飲めるか~!」」

「おや~? では他の男性のものを飲みたいのですか?」

「そうじゃなく……ハァ~もういい…………」

「おや、なんか意気消沈してるように見えるのですが?」

「見えるんじゃなく実際にそうだよ!」

「わかりました。それではあなたのために特別にチート能力をひとつ差し上げましょう。それは……」

 課長補佐代理が提案したのは……

 「意気消沈」とは元気をなくし、しょげかえること。アソコの話しだけに意味深です。

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