表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『僕がいた過去 君が生きる未来。』番外編  作者: 結月てでぃ
黄金の公爵と絆の約束を
10/39

黄金の公爵と呪いの約束を

「そういえば、昨日の兄様は変だったなあ」

 朝、起きてすぐ。キリガネに着替えさせてもらって、紅茶を飲んだ後。僕は昨日のことを思い出した。

「兄様、お父様に怒ってたのかな」

 でも、僕にも怒ってた気がする。ぞっとした。その場にしゃがみこみたくなった。

 もし、兄様が僕からお父様を盗りにきたのだとしたら。もし、兄様が僕を変な目で見てきたら。

「……ど、すればっ」

 カタカタと体が震える。僕は怖い。僕が愛さない人が、僕を愛さない人が。

「怖い!」

 どうすれば、いい?どうすれば、お父様を守れる?僕のものでおいていかせられるの?お父様が愛さない僕なんて、どこにもいらない僕なんだ。

「僕を、殺すつもりなんだ、アレ」

 顔をあげた。世界が真っ赤に染まってる。

「そう……そうなんだね」

 くすくすと笑いがとまらない。

「ダメ、だよ。そんなこと、させない」

 目に入った鏡に映る自分の姿を見、僕はさらに笑った。

「お父様は僕のもの」

 音を立てて、その唇にキスをする。にっこりと僕が笑む。

「ね、そうでしょう?」


「兄様っ」

 にぱーっと、太陽よりも明るくって可愛い笑顔。これを見たらどんな人だって僕の言う通りにしてくれる。

「エドワードさん……」

 少し、後ろにお兄様が身を引く。お兄様はやっぱり、僕を簡単に見てる。

「おはよーございます、兄様ぁっ」

 ぎゅっと、腕に抱きつく。

「お兄様、甘い物は好きですか?」

「えっ、いえ……すみません、少し」

 そう。そうなんだ。

「ええーっ、美味しいですよー!」

 そうなんだぁ。じゃあ、甘ーい、甘ーいお菓子を用意しておくよ。お兄様が死にたくなるくらいの、甘い快楽の渦。

「ねえ、一緒に食べようよっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ