表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ヒロインに転生した私は、浮気王子に「浮気するな」と言いたくてたまらない

作者: 井上さん
掲載日:2026/03/18

名前借りました。


名前の元ネタ分かる方、今日もお仕事お疲れ様です!

 私は、主婦だったが、小説の世界に転生したらしい。


たぶん…ヒロインだ。


 娘が読んでいた小説。

ヒロインは、学園に入学して、王子と出会い恋に落ちた。

 王子には婚約者がいて、ヒロインと王子がイチャイチャしている所へやってきて


「婚約者がいる男に言い寄るのはやめなさい。婚約者がいるのだから、他の女と関わるのはやめなさい」


 と、婚約者が言うが、それをいじめと受け取り


「ヒロインをいじめるな!私に愛されないからと、嫉妬しているのか?」


 なんて王子は言い返す。


いや、それは常識を教えているだけでは?


 婚約者を大切にせず蔑ろにし、ヒロインと浮気して、人前で婚約を破棄する。


異世界物の小説では、よくある話らしい。

娘が言っていた。



 いや、浮気した王子が悪いだろ?と、私は思った。

ヒロインと付き合う前に、婚約を解消しろよ。それなら誰も、文句は言わないだろうに。


誰か、教えてあげて。

王子だからって、浮気はダメだろう?

そんな王子が将来王様になるの、ヤバくない?

 ヒロインと結婚するとして、また別の女と浮気しないとは限らないよ。

どうするのヒロイン?


 人前で婚約破棄するな。自己顕示欲増々王子め。その時は気分良いだろうけど、周りからの評価ってどうなんだろうね。

よっぽどの悪女とかなら賛成されるかもしれないけど、常識教えただけの婚約者は、別に何も悪くないじゃん。

むしろ、浮気王子の評価が下がりそう。

 下がれ。


 あと、ヒロインは男爵令嬢で、婚約者みたいに王子妃教育を受けてないから、今から教育するとして、結婚までに間に合うのか?

 婚約者は、確か10才で婚約した時から教育を受けてるんだぞ。

入学が15才。結婚予定が学園卒業後の18才。

8年掛けてやった教育を、3年でやれるのか?


 やれなかったら、能力の無い王子妃爆誕して、国の将来が更に不安になるね。

簡単に約束破る王子で、ただでさえ不安なのに。



 なんて、物語とは関係無い所が気になる。


そう。私がヒロインのプローブだ。


 でもまだ、学園に入学してないし、王子と出会ってない。

王子を徹底的に避けよう。国の将来の為だ。


だいたい、私には王子妃なんて無理。

前世はただの主婦。

今だって、男爵令嬢という、貴族の中でも底辺。高等な教育なんて、受けてない。


 そもそも王子の婚約者って、公爵家か侯爵家、年頃の令嬢がいなければ、仕方なく伯爵家になる。


公爵

侯爵

伯爵

子爵

男爵


ほら、1番下だよ。無理無理。


 一歩間違えば平民に近い立場の男爵令嬢と、王子が結婚とかあり得ない。

 アリエー…なんでもない。


小説だから大丈夫?

そんなまさか。


 とにかく、王子が近寄ってきたら「浮気するな」って言おう。


あとは回避一択。


 婚約者と結婚してくれ。

何のための婚約なんだよ。

ちゃんと約束守りなよ。

約束守れない王子とか、最悪じゃん。

絶対に罪をこじつけて、契約破棄してきそう。


やだわ〜。そんな王子。






 数年経ち、学園に入学した。

王子とは学年が違うから、登下校時や休み時間に校内をウロウロしていない限り、出くわす事は無い…と思いたい。


 そもそも、王子は、色んな生徒に囲まれている。

その周りには、王子を遠巻きに眺める生徒もいる。


小説のヒロインみたいに、王子と正面衝突でもしない限り、認知されないだろう。


と、思っていたら、廊下の曲がり角で、人とぶつかった。


「すみません!」


 私は謝ると、ダッシュで逃げた。


ヤバい!王子とぶつかった!

逃げるしかない!


走りながら考えた。

私は、王子と関わりたくない事を、婚約者の公爵令嬢に知ってもらえば、誤解される事もなく、平和に暮らせるのでは?と思った。


 問題は、公爵令嬢と、どうやって話すかだ。

身分の低い男爵令嬢と身分の高い公爵令嬢は、普通なら、関わる事はない。


授業が終わり、下校時間になる。

歩いていると、王子が現れた。


 野生の王子が現れた?


野生の王子って何???


「やぁ、さっきはぶつかって悪かったね。怪我はないかい?」


 王子が話しかけてきた。


「申し訳ございません!」


 私は謝った。


王子が私の腕を掴んだ。その時。


「婚約者がいるのに、他の令嬢と関わるなど、恥ずかしいとは思わないのですか?殿下」


 王子の婚約者、ヘーベル様だ。


「貴方も、婚約者がいる男性に言い寄るのはどうかと思いますよ」


 ヘーベル様は、私に向かって言った。


「身分が高いからといって、いじめても良いと思っているのか?」


 王子が反論する。

いじめでは無いよ。ただの正論じゃないか。


「ヘーベル様にお話があります!」


 ヘーベル様と話すチャンス!私は叫んだ。


「何?」


「何ですって?」


 王子とヘーベル様が、こちらを見た。


「女同士の話があります!」


「愛する私の為にか…?」


 王子が何かほざいてるけど無視。


「ヘーベル様!お願いします!」


 私が頭を下げると、ヘーベル様が


「分かったわ。いらっしゃい」


 私を連れて歩き出した。王子は放置。



 ヘーベル様の家の応接室で、お茶を飲みながら話した。

これでもう、心配はいらない。






 その翌日から、私は女生徒達から


「あれが、王子に話しかけられた…」


「男爵家でしょ?舞い上がってるんじゃない?」


「あれより、私の方が可愛いのに…」


 と、噂される事になった。


王子が声を掛けるたびに


「急用がありますので!」


「先生に呼ばれてまして!」


 と、ダッシュで逃げていた。






「ヘーベル!お前とは婚約破棄だ!」


 王子が叫んだ。


「まぁ、何故ですの?」


 ヘーベル様は、艶然と微笑む。


「お前は、私が愛するプローブをいじめた!私とプローブの仲を嫉妬し、真実の愛の邪魔をした!」


「まぁ、正気ですか?」


「当たり前だ!お前とは婚約破棄して、プローブと婚約する!」


 ドヤ顔で言った王子に、私は言った。


「何で私と婚約するんです?」


「私の事を好きだろう?」


「何を言ってるんですか?」


「私の事を、熱い眼差しで見ていたじゃないか」


「見てないです」


「沢山語り合ったではないか!」


「王子に声を掛けられるたびに、急用で!って走り去りましたけど」


 周りの生徒達は、そういえば走り去りっていたな…と思い出した。


「私を愛するあまり、恥ずかしかったのだろう?」


「いや、むしろ、浮気するなと言いたかったです」


「え?」


 王子が、目を見開いた。


「婚約してるんだから、ちゃんと婚約者と結婚してください」


「え?」


 いや、驚くなよ王子。本当の事だろ。


「私、婚約者がいる男とは関わりたくないんで」


「そんな…」


 皆が王子を好きになると思うなよ。


「私みたいな身分の低い者が、王子に近付くなんて恐れ多いです」


「愛があれば身分なんて…!」


 王子は、またしてもドヤ顔で言った。


「無理ですよ。婚約者のヘーベル様は、公爵令嬢として、きちんとした教育を受けていて、王子妃教育も受けている。その方を押しのけて王子妃になるのは無理ですよ。教育受けてない人が妃なんて、国の将来が不安になりますね」


「愛があれば…」


「そもそも愛は無いです」


「え?」


  王子が固まった。


「何故婚約者がいるのに他の女に近寄ろうとするんです?王子なので、敬意を持って接しますけど、本当に、話しかけないでください。迷惑です。男爵家は、王家と直接話す機会も無いので本当に無理です」


「いや…だけど」


 無駄な抵抗はするなよ王子。


「私に好かれてるって妄想で、話を進めないでください。私いつ、王子と結婚したいなんて言いました?言ってませんよね」


「妄想…?」


「1度も王子を好きになった事はないです!」


 王子は愕然としている。


「王子に話しかけられた…って妬まれて僻まれて噂されて、本当に嫌だったんです」


 私は嫌そうな顔をした。

周りの生徒達は、バツが悪そうな顔をした。


「好きに恋愛したいなら、王子やめたらどうですか?王子妃に相応しい婚約者を、大切にしない人が、恋人を大切にするか分からないですけど」


 王子は黙り込んだ。


「浮気男は、何度でも浮気しますからね。本当に、婚約者がいるのに浮気しようなんて、婚約者にも浮気相手にも失礼ですよ」


 黙っていた王子は、しばらくして立ち直り


「ヘーベル、婚約破棄は無しだ」


 と、言い出した。


「もう婚約破棄しました」


 ヘーベル様は冷たく言った。


「私の勘違いだったのだ。婚約破棄は無しだ」


「無理です」


「何故だ!?」


「冤罪を掛けられて、大勢の前で婚約破棄されたので、もう無理です」


「頼む…」


 その時、公爵であるヘーベルの父が言った。


「公爵家の娘と婚約していながら、婚約破棄を宣言した。

つまり公爵家の後ろ盾はいらない。という事ですね。

それなら後ろ盾辞めます」


「え?」


 王子が驚いていると


「公爵家が辞めるなら我が家も辞めます」


 公爵家の派閥のほとんどが後ろ盾を辞めた。


「ちょっと…待て…どうしてそうなる!」


 そこへ、国王がやって来た。


「ここまで臣下の信頼を失った者に、国は任せられない。王位継承権を剥奪する!」


「そんなぁ!」





 その後、王子は、離宮に幽閉された。

 婚約者を大切にしていれば、王太子になれたのにね。



 ヘーベル様は、第2王子と婚約した。

第2王子は、兄のエキスカ王子を反面教師とし、婚約者のヘーベル様を大切にしたという。


 私は、ヘーベル様に請われて、相談役になった。

これも、正直に、王子とは近付きたくないとヘーベル様に話した結果だ。


あぁ良かった。


読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ