影の背後にある危険
「ふぅ~、これで最後ね。」私は額から流れ落ちる汗を拭った。視線を巡らせると、鋭い氷の棘に串刺しにされた首なしゴブリンの死体がまだ転がっているのが見えた。
少し離れた場所では、クレアが手を拭っていた。手には鉄の匂いがする濃い赤い液体がまだ付着している。それでも、至近距離で彼らを殺したというのに、彼女の顔には嫌悪の色は一切浮かんでいなかった。
私は唾を飲み込み、再び周囲のゴブリンの死体を見つめ、それから自分の両手のひらを見下ろした。
以前のような激しい震えは、もうなかった。父が裏庭で縛られた小さなゴブリンを殺せと私に命じたあの時のような震えは。
嘔吐。
あれが最初の反応だった。私が投げた氷の棘が怪物の胸腔を貫き、肉片を撒き散らした時。でも今は? ただ汗を拭い、氷に貫かれたゴブリンたちを瞬きもせずに見つめているだけ。
かつての私は、もうこの世界には存在しないのかもしれない。白紙のように純粋で、何の汚れも知らなかったあの少女は。
私は重く息を吐いた。「人って、本当に変わっていくものよね?」
「そういうものだ。」
振り向くと、いつの間にか隣に立っていたラグナルの姿に驚いた。
「わっ! 心臓が飛び出るかと思った。」
「失礼しました、レディ。」彼は穏やかに答えた。「ですが、先ほどのあなたの言葉が気になりまして。まるで多くのことを経験してきたかのように話していましたから。」
私はゆっくり首を振った。
「ううん。ただ昔を思い出していただけ。昔は臆病で、殺すことなんて耐えられなかった。でも今は、ずいぶん違うみたい、へへ~」痒くもないのに後頭部を掻いた。
ラグナルは顔を背け、秋を映したような琥珀色の瞳で森の奥を見つめた。
「あなたの言葉は間違っていません、レディ。人間――いや、この世界のすべての生き物は、生き延びるために変わり続ける。より良くなることもあれば、より悪くなることもある。早くその機会を与えられる者もいれば、すべてが本当に手遅れになるまで、その機会を得られない者もいる。」
その言葉は私の胸に深く沈み込み、言葉を失わせた。私は一度瞬きをし、澄んでいるのにどこか虚ろな彼の琥珀色の瞳を見つめた。まるで年齢以上のものを生きてきたかのように。
「まるでおじいさんみたい。」思わず口から零れた。悪意はなかった。
「そうだろうか?」
「ち、違うの。侮辱するつもりじゃなくて、その……」
ラグナルはかすかに微笑んだ。「謝る必要はありません。昔から、私はそう言われてきました。きっと、憂鬱な詩や古い本を読みすぎたせいでしょう。若いのに老けていると思われるのは、そのせいかもしれません。」
「ほ、本当に?」
彼はただ頷いた。
「ところで、あなたが狩った魔物の耳は集めておきました。」彼は血が滲んでまだ湿っている布袋を差し出した。
私はそれを受け取り、礼を言った。
森の奥へ入ってから、私たちはかなりの数の魔物を狩っていた。主にゴブリンとホブゴブリンだ。ラグナルは戦う以外にも役割を担っていた。彼は自ら進んで素材集めを好んだのだ。私たちが頼んだわけではない。戦闘が得意ではないと言って。
ええ、あの盗人をあれほど簡単に叩きのめした人を、誰が信じるというのか。それに、戦えない学生がここに入れるはずが……
え?
私は何度か瞬きをした。すべてを繋ぐ糸になり得る何かに気づいた気がした。
「どうかしましたか、レディ?」
「な、なんでもない。」
クレアも作業を終え、私たちのもとへ戻ってきた。ラグナルと目が合った瞬間、恥ずかしそうな猫のように私の背後へ隠れる。それが可笑しくて、ついからかいたくなる。
「ちょっと、どうしたのクレア? 彼を誘ったのはあなたでしょ? ほら、ラグナルに顔を見せなさい。」
ゆっくりと顔を覗かせ、頬を赤く染める。「ご、ごめんなさい。まだ慣れていなくて……」
「問題ありません、レディ・クレア。あなたのように檻の中で育てられた女性が、他人と会うのに戸惑うのは当然でしょう?」
「え……私のことを知っているの?」
ラグナルは首を振った。「いいえ。ただ、あなたの振る舞いから、どのような環境で育ったのかは容易に想像できます。周囲が遠慮しすぎていたか、あるいはあなたの身分を恐れていたか。」
「もしかしたら、クレアが甘やかされたわがままな子だった可能性もあるんじゃない? 小説によくあるみたいに。そこは考えなかったの?」
「もちろん考えました。それが事実なら否定はしません。しかし、レディ、あなたは一つ忘れている。結局のところ、すべては個人に帰結するのではありませんか?」ラグナルは肩をすくめた。私の問いなど大したことではないかのように。
「……」
私は答えられなかった。ただ静かに頭を下げ、彼の言葉を反芻するだけだった。彼は理解しているだけではない。まるで私――転生者である私でさえ見えないものを、数多く見てきたかのようだった。
本当に、彼は私と同じ存在なのだろうか? 彼は何歳で死んだのだろう。
ギュッ。
少し後ろからクレアが私の手を握るのを感じた。振り返ると、不安げな表情と、はっきり刻まれた眉間の皺が見えた。
私は息を吐いた。空気が重くなっている。私らしくない。早く話題を変えなければ。
太陽はまだ頂点からわずかに傾いただけで、空に転送魔法の気配はまったくない。時間はまだ十分にある。この試験はおそらく夕方に終わるだろう。あるいは……どうだろう。監督の長話をちゃんと聞いていなかった。
「もっと奥へ行く? まだ時間はたくさんあると思う。」私は木々の隙間から覗く青空を見上げた。
ラグナルもクレアも同意した。
私たちはさらに奥へと進み続けた。森は層を重ねるごとに暗く、濃くなっていく。
*****
(PoV 3)
その頃、森のさらに深い闇の中では、絶え間ない絶望の律動のように、苦痛の咆哮が次々と響いていた。血が飛び散り、臓物や人間の肉片が地面に散乱している。
グルルルルッ!
巨大な影が咆哮し、森全体を震わせた。赤い眼はこびりついた血に染まりながらも鈍く光っている。その足元には、原形を留めない死体が転がっていた。まるで廃棄物の山のように踏み潰されて。
一人の受験生が地面にへたり込んでいた。握っていたはずの剣は、縮みきった心臓のように傍らに転がっている。
「た、助けてくれ!」
怪物は答えない。その代わりに跳躍し、足先の爪をぎらりと光らせた。
ザシュッ!
再び血が飛び散り、空を染める。少年の身体は二つに裂けた。
怪物は頭を下げ、刃のように鋭い歯が並ぶ顎の中で骨が砕ける音を響かせる。耳がぴくりと動き、縄張りから逃げようとする愚かな人間たちの足音を捉えた。
再び頭を上げ、逃げ出そうとする影を睨む。喉の奥から低い唸り声が漏れる。脚を曲げ、侵入者を逃がすつもりはない。
だが――
キィィ……
キィィ……
キィィ……
その小さな音は、背後の洞窟の中から聞こえてきた。泣き声のような、高い鳴き声。
怪物は動きを止めた。荒い呼吸が低い鼻息へと変わる。赤い目はなお燃えているが、今は洞窟の闇へと向けられている。そこから絶えず小さな鳴き声が響いていた。
それは怒りの唸りではなかった。別の何かだった。そして怪物は向きを変え、逃げる獲物を追わず、新鮮な肉片を咥えて洞窟へと戻っていく。先ほどまで凶暴だった足取りは、まるでガラスを踏まぬように慎重だった。
あの洞窟には、これらすべての殺戮よりもはるかに大切なものがある。




