オカルティストにならないか!?楽しいオカルトの世界への誘い
オカルトと言うと、いかにも胡散臭く、また宗教染みたような、なんとも表現しがたく、またオタク臭いもののように思われる人が多いと思う。
しかし広義というべきか、現代的意味合いでは割とフランクなものであると私は思う。
たとえば、X(旧Twitter)で時たま「きさらぎ駅」というワードを見かけたりしないだろうか?
あれは2ちゃんねる(5ちゃんねる)発祥の「都市伝説」である。
つまるところオカルトの範疇だ。
以前私が書いた「ひとりかくれんぼ」も同じ場所発祥の「降霊術」である。
要するに、皆さんが思っているよりもオカルトというものは近くにある。
更に言えば、「妖精さんとの交流」もオカルトだろう。
夜の窓辺にミルクとクッキーを置いて食べてもらう、だなんて、それは本当に妖精か?と思わないだろうか。
人ならざるものに供物を供して交渉を試みる。
ほ~らオカルト。
ムー大陸がどうだのUFOがどうだのだけがオカルトだけではない。
つちのこだってオカルトだ。
ネッシーだってオカルトだ。
ガラケー時代に大流行しまくったホラー系チェーンメールだってオカルトだ。
予言だってオカルトだ。
これをこうしてこう読み解くと政治的事件あるいは災害が云々かんぬん。
それって…こじつけですよね!?となるこの手の予言もオカルトなのだ。
認めたくないけど。
胡散臭さに貢献しやがって!という気持ちになるので。
いわゆる心霊ホラーだってオカルトに入る、はず。
心霊スポットとなった病院にいって、カルテを持ち帰ったら非通知で電話がかかってきて「カルテを返して」と言われる……なんて話はそこら中に転がっている。
これだってオカルトですね。間違いない。
どこ発祥か存じ上げないが、私の地元にもそういう怪談のある廃病院があった。
心霊動画を見るようになってから、全国各地にその手の噂がある廃病院が山ほどあるのを知ったので都市伝説の類なんだろうなと思っている。
さてこのように、オカルトは案外そこらに転がっている。
可愛らしい「おまじない」とて歴史を遡っていくまでもなくオカルトだ。
皆さんが思う以上にオカルトというのは手広いものだ。
ぞっとするような怖い話や、胡散臭いだけの詐欺紛いな占い、どちらも内包している。
逆に言うと、それだけ裾野が広い分野とも言える。
夏に心霊番組見たくなることはないか?
怖いものがダメな人で絶対見ないという人もいるだろうが、ついつい見てしまう人は多いと思う。
あれとてオカルトの一部なのだ。
つまり皆さん、夏限定で一時的にオカルティストになっている。
本来の意味での「オカルト」は狭いのかもしれないが、現代的に分類していき、整頓してみると「おや?広いな?」となるのだ。
生粋のオカルティストは、このエッセイを読んで「にわかがこじつけでオカルティスト増やそうとしてんじゃねえ!」とビンタしたい衝動を堪えているかもしれない。
だが私は、この面白く癖の強いジャンルにもっともっと輝いて欲しいし、認知されて欲しいと思っている。
別に「おまじない」特化のオカルティストでもいい。
「心霊スポット」専門でもいい。
「都市伝説」だけ漁りたいのでもいい。
「降霊術」にのみ詳しくたっていい。
各々好きな分野のオカルトを好きなだけ浴びればいいのだ。
そんな堅苦しいジャンルではないと私は思っているし、実際そうあってほしいと願っている。
ただ、「知ろうとする心」だけは持ってほしい。
あなたが興味を持ったものがどんな由来を持つのか、どのような派生があるのか、など、軽く調べれば出てくる知識は吸い取って欲しい。
エンターテイメントの側面も持つが、オカルトとは本来、学術である。
遡っていけば何かしらのひな型、あるいは発祥の由来などが大体見つかる分野なのだ。
それらを探る楽しみも知って欲しいと思う。
もちろん探しようがないものもある。
ネット掲示板に手順のみが書き込まれた「ひとりかくれんぼ」の起源など、書いた本人以外誰も知りようがないように、突然変異的に発生したオカルト事象も山ほどあるのだ。
しかし、「分からない(知らない)」と、「分からない(調べた)」の間には、決して超えられない壁がある。
その壁を乗り越えるまでの間を楽しまないのは損をしている。
オカルティストたらんとするなら、この壁を楽しみ、関係ない壁にまで手を出し、結局分からなくても「楽しかったから、まあいっか!」と笑って欲しいのだ。
夏本番で、一時的にオカルティストになる皆さん。
オカルトという山に登る必要はないが、裾野で遊んではみませんか。
あなたの興味のある分野に浸り、知識欲を満たし、愉悦を感じてみちゃどうでしょう。
我々オカルティストはいつでも新たなオカルティストを歓迎している。
民俗学もオカルトの一面があるところあるので、民俗学系の本漁ることもある。