表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

パニック関連

空を覆うほど多くの空飛ぶサメが容赦なく襲ってくる

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

「大丈夫か…………?」

 恐る恐る外を見る。

 あわてて逃げ込んだビルの中、恐怖を抱きながら様子をうかがう。

 その原因は、窓の外を気持ちよさそうに泳いでいる。

「…………」

 それを悔しげに、しかし絶望的に男は見る。

 水の中を泳ぐように空に浮いてるもの。

 空飛ぶサメを。



 サメである。

 海の肉食獣であるサメである。

 それが今、大挙して押し寄せていた。

 空を泳ぎながら。



 なんでそうなってるのかなんて分かるわけがない。

 何の脈絡もなく、いきなりそれが襲いかかってきたのだ。

 外を歩いていた者達は、容赦なく噛みつかれていった。

 車などに乗っていた者達も無事ではいられなかった。

 体当たりするサメは、車を破壊するだけの力を持っていた。

 一度や二度ならば車体が凹む程度で済むが。

 それが何回も、何十回も続けば、簡単に破壊される。

 そして剥き出しになった人間に食いついていくのだ。



 警察などは、拳銃を手に応戦していた。

 しかし、数発の銃弾ではサメを倒しきる事はできない。

 そもそも、一発二発の拳銃弾ではサメを倒す事は出来ない。

 当たり所にもよるが、相談してある弾丸全部を打ち込んでも生きてるサメが多かった。



 珍しく緊急出動した自衛隊もサメの撃退をしている。

 防衛を徹底的に拒否する日本政府にしては珍しい。

 しかし、それも効果的に成果をあげてるとはいいがたい。

 さすがにサメも、歩兵用の銃器には負ける。

 威力が拳銃弾とは桁違いのライフル弾を用いてるのだ。

 一発でもかなりの損傷をもたらす。



 だが、数が違う。

 空を埋め尽くすのではないかという圧倒的な量のサメ。

 携帯する弾丸の数はそれよりも遙かに少ない。



 また、戦車や装甲車なども効果的な攻撃ができない。

 戦車は基本的に横方向に攻撃をする。

 空に向けての攻撃は苦手だ。



 装甲車なども同じだ。

 そもそも、日本の装甲車で機関砲を搭載してるものは少ない。

 火力はどうしても劣る。



 そもそも、空を飛ぶサメである。

 戦闘機やヘリコプターに性質は近い。

 効果的な攻撃をするなら、対空戦闘ができる兵器が必要になる。

 それが圧倒的に不足している。



 数多いサメには、対空ミサイルでは数が足りない。

 機関砲はそもそも数が少ない。

 自衛隊の持つ兵器では、この状況に対応しきれない。



 戦闘機も似たようなものだ。

 ミサイルは有効だが、大量のサメに大して数が足りない。

 機関砲での攻撃が最も有効だが、これも大量のサメを撃退するには少ない。

 どうしても劣勢に立たされてしまう。



 もっとも悲惨なのは海上自衛隊だろう。

 水の中から、空から艦船に体当たりを食らっている。

 頑丈な部分はまだいくらか耐えてるが、レーダーなどの比較的もろい部分は即座に壊された。

 これで兵器の照準を付ける事ができなくなる。



 それ以上に悲惨なのは、集まったサメによって転覆させられる事。

 大量のサメは艦船を横倒しにして沈没させていく。

 早々に海上自衛隊は戦力を喪失した。



 そんなサメが窓の外を泳いでいる。

 人を見ると襲いかかってくる。

 窓の外を見る男も、いつ襲いかかってくるか心配しながら見ている。

 外の状況を知るために。

 見つかったら終わりだが、確認しないわけにもいかない。

 今後の事を考える為に。



 だが、その考えもすぐにしぼむ。

 サメはそこかしこにいる。

 膨大な数だ。

 対処しようにやりようがない。



 たとえ一匹二匹倒したとしても、焼け石に水だ。

 何もしないよりはマシだろうが、この状況を解決する事はできない。

 絶望的な気分浸りながら、窓の外から目を外す。

「終わりだ…………」

 そう呟くのがやっとだった。



 そんな男のいる部屋。

 ビルの窓にサメが体当たりを仕掛けてくる。

 何度も何度も。

 窓に皸が入り、割れていく。

 サメが室内に入り込んでくる。

 同じ室内にいた者達が逃げだす。

 男も釣られて逃げようとした。

 だが、一足遅かった。

 サメが男に向かって突き進んでいく。

 男は目を閉じて体まるめた。

 それが何の意味もないと気付かないままに。



 運が良かったと言うべきだろう。

 その瞬間、男は何かを手に取った。

 転がっていたデスク用椅子だ。

 それをサメに向かって突き出した。

 サメの口に椅子が入り込んだ。

 椅子は破壊されたが、サメにもダメージを与えた。

 苦しげに身をよじってサメは悶える。

 床の上に転がり、ジタバタともがいてる。



 それを見て男は逃げだす。

 廊下に出る。

 非常階段に向かう。

 手に、適当な椅子を持って。

 偶然だが、悶えるサメを見て何かを悟った。



 非常階段にいる間もサメに襲われた。

 外に剥き出しの非常階段はサメからすれば襲いやすい場所なのだろう。

 だが、攻撃の方向が限定されるという欠点もある。

 それを利用して男はサメの突き出た頭を椅子で叩く。

 突き出てる頭はサメの急所だ。

 そこを攻撃されて悶えていく。

 撃退はできないが、時間を稼ぐ事はできる。



 男はその後も椅子でサメを撃退していく。

 何となくコツが分かってきた。

 サメの特徴と弱点について。



 サメは直進で行動する。

 襲いかかってくる時は特に。

 真っ直ぐに向かってくるその頭めがけて攻撃をすれば確実に当たる。

 それを利用して次々にサメを撃退していく。



 そうして別の避難場所に潜り込み様子をうかがっていく。

 武器になりそうなものを探していく。

 少しでもサメを撃退できるように。



 それでもサメを殲滅できるわけではない。

 幾らか生存しやすくなっただけだ。

 それでも男はもがき続ける。

 頭上のサメをにらみつけながら。

 襲いかかってくるサメに立ち向かいながら。



 生きる。

 ただそれだけを求めて。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


面白かったなら、評価点を入れてくれると、ありがたい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ