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超能力という名の呪い  作者: ノーム
間章 呪いの生誕
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69話(神サイド) セバスの過去①①


 急に、どくんと心臓が泣いた。


「……?なんだ、これ」


「お前も感じたか……」


 祐雅が何かを感じ取るような感覚を覚えたと同時に、創弥も何かを感じとったようだ。

 今まで感じた事のない、いわば生命の危機感のようなもの。

 無理やりそうさせられているかのような違和感と共に襲ってくる、不安感。


「ひとまず、アスファス様の元に、戻ろうか」


「ああ、そうだな」


 そして、祐雅はついさっき殺した悪魔の生首を抱えながら、創弥と共に帰っていった。


 *


「な……!?」


 祐雅は、簡易式神構築中の『神舘寺(しんかんでら)』に帰還すると同時に、あまりの事態に、悪魔の生首を落としてしまった。

 ダンッ!と音をたてながら、床に首がころころと転がり、その軌跡をなぞるかのように血が床に染み渡った。

 これは、そうとうアスファスに怒られそうであった。

 だが、思わず祐雅が落としてしまっても仕方がない事であった。

 なぜならーー


「オイ、ダフネス。こりぁ一体どういう事だよ?」


 そう、ダフネスが、その手に握った剣で以てアスファスの首を刺していた。


「……」


 創弥が威圧を込めながらも静かにダフネスに問いても、ダフネスは何も反応を示さなかった。


「なんか言えよ」


「……」


 再度、創弥が静かに聞いても、やはりと言うべきか、ダフネスは何も反応をしなかった。

 その事に対して、創弥は薄く笑うと。


「オイカミサマ、こいつ殺してもいいか?」


「いいだろう」


 創弥が今度はダフネス以外の誰かに聞いているような質問をすると、急に祐雅以外の声が聞こえてきた。

 まあ、そうなるだろう。


 例え『器』を殺したとしても、器とは中に閉じられた存在を守るための鎧である。

 いくら鎧を壊されても、中のものが無事ならそれは意味をなさない。


 だから、アスファスは、本当の神の一柱の姿で、ダフネスを睨みつけながら言った。


「祐雅、創弥、ダフネスを、半殺しにしろ」


「……!」


 祐雅は神の意図がいまいち分からなかったが……まあ、そんな事は今はどうでもいいだろう。

 なにせ、目の前に敵がいるのだから。


「さあ、やろうか。殺人未遂の()()ちゃん?」


 創弥は、楽しそうに、そう言った。


 *


「……」


 ダフネスは、どこかスッキリしている自分に気が付いた。

 無論、アスファスはちゃんと殺せなかったし、祐雅と創弥がすぐさま駆けつけてきたことには理不尽ながらも怒りが湧くし、焦りもある。

 だが……はっきりと分かったこともあった。

 創弥が「なんか言えよ」とか言っているが、無視をしながら下を見た。

 そこには、アスファスだったものが首と胴体を分けながら倒れていた。

 だが、目の前には憤怒の形相でダフネスを睨みつけているアスファスがいる。

 もしアスファスが自己形成したものであれは、能力の配給が途絶え、蒸発した後霧散するだろう。

だが、ダフネスの下には、ちゃんと、未だに、死体が転がっていた。

この死体特有の臭いでも察しがつくほど、腐りきっていた。

おそらく、この身体を乗っ取ってから、かなりの月日が経っているのだろう。

そう、この死体は、人造人間(ホムンクルス)ではなく、人のものだ。

 

「さあ、やろうか。殺人未遂の新人ちゃん?」


「ええ、是非、殺りましょうか。先輩方?」


ダフネスは、可愛く、そう言った。

期末テスト終わりの喜びの69話です。一週間ぶりに投稿して、一つ気付いたことがあります。……セバスの過去、いつまでやんの?と。なるべく、宏人っちがもっと主人公するよう頑張ります……!

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