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超能力という名の呪い  作者: ノーム
間章 呪いの生誕
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65話(神サイド) セバスの過去⑦


「きゃあああああああああああ!」


 飛び交う悲鳴。


「どけよ!」


 飛び交う罵声。


「いやああああああああああああ!」


 ……飛び交う悲鳴。


「……」


 そんな光景に、悪魔ーーセバスは、心を痛めていた。

 なにせ、路地裏から出、大通りに出た瞬間これである。

 ……まあ、私は、自分はもう人間ではなく、立派な人外である悪魔だという事を忘れていたからこんなことになっていると分かってはいるのだが……。


「……マジかぁ」


 私はそこまで強くはない。

 ていうか、きっと弱い。

 きっとという表現通り、悪魔化してから一度もーーていうか生涯で一度もーー戦った事がないため、自分がどれほど強いのかなんて一切分からないのである。

 そんな事に、セバスはどこか他人事のように呆然としていると。


「きみ、悪魔だよね?」


「……っ!」


 突然、背筋に悪寒が走ったと同時に、私の首元には巨大な剣が添えられていた。

 

「いやいや祐雅、別にんな事聞かなかったって分かるだろ。こいつどー見ても悪魔だろ」


 私が両手を挙げながら固まっていると、急に目の前に少年が空から降ってきた。

 その少年が私の方に言ってきたため、一瞬私に言ったのかと思ったが……そんな事はなく、どうやら私の首に剣を充てている者に言ったようだった。

 

「いや、さっきダフネスが言っていた事が気に掛かってな。……まあ、創弥の言う通りだな。殺すか」


「……はい?」


 私の首に剣を充てている者はーー声的に目の前の少年と同年代だろうーーそんな事を呟いた。

 どうやら目の前にいる少年は創弥と言うらしい。

 そんな事はともかく、私は祐雅という少年のあまりにも過ぎる即断即決に戦慄を覚えると。

 

「じゃあ、バイバイ」


 祐雅は、そんな無慈悲な事を呟いた。

 そんな理不尽にも過ぎる現実に対して、私は、最後の最後に。


「アルドノイズ様……」


 と、呟いた。


 瞬間ーー


 私の首は、綺麗に、胴体と断絶された。


 *


「じゃあアスファス様。これも単刀直入に聞くけど、悪魔って元は人間なの?」


「違うよ、と言ったら?」


「私は貴方を信用出来なくなってしまう」


 『NoS』の本拠地である、アスファスの機能制限中の式神展開『竜水城』にて。

 ダフネスは神アスファスに詰め寄っていた。

 

「それは、困ってしまうな」


 至って真面目に聞くダフネスに対して、アスファスは戯けるような態度で応答してくる。

 そんなアスファスに、ダフネスは苛立ちを隠せなかった。

 そう、さっきからずっとこの調子である。

 ダフネスが質問をすれば、上手く?、子供をあやめるようにさらりと逸らす。

 いつものダフネスなら、神であるアスファス様に対してそんな反抗的な態度をとるなんておこがましい身を弁えろ自分!という姿勢の元接しているのだが……。

 今のアスファスは……なんというか、信用するに値しないのである。

 というか、まずアスファスが本当に神なのか?という疑問と不安すら湧き出ている始末である。

 そんなアスファスに、ダフネスはもう一度、最初に聞き、はぐらかされた質問をした。


「アルドノイズは、本当に敵なの?」

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