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超能力という名の呪い  作者: ノーム
間章 呪いの生誕
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62話(神サイド) セバスの過去④


 今でも、忘れない、あの時アルドノイズ様が私に言ってくれた言葉。


「どんなすごい人間が死んだって人はどんどん忘れていくさ。早いか遅いかの違いだ」


「別にお前以外が死んでも世界は動かんだろ。まあ、俺が死んだら神界では激震が走るだろうが」


「お前は俺を……いや、元だが神を守ったんだ。どんな人間より、価値がある」


 もう、一生忘れないであろう。


 *


「泣き止んだか?」


「は、はいぃ……」


 アルドノイズ様がそう聞くと、私は恥ずかしそうに、消え入りそうな声を出した。

 アルドノイズ様は不思議そうに首を傾げたが……自分の体を見直して、納得した。

 そう、ついさっき私がいきなり泣き出したので、アルドノイズ様は急いでそこら辺にいた女を器にしたのだ。

 

「……なんで、わざわざ女の人になったんですか……?」


「男は女に欲情するように『設定』されているからな。男に抱かれるよりはこちらの方がいいだろう」


 器にしている時点でもうこの女は死んでいるので、「お前は死体に欲情するんだろ?」と失礼な事を言っている自覚がありながらも、アルドノイズ様は淡々と言った。


「で、お前はどうする?俺と、共に歩んでいくか?」


 アルドノイズ様は、私に片手を向け、握手を求めるような姿勢をとる。

 

「はい。よろしくお願いします」


 アルドノイズ様の手を強く握りながら、私は何か吹っ切れたように、笑顔で言った。


 *


 アルドノイズ様と私が互いに信頼し合ってから約1時間後。

 私は、先程アルドノイズ様を吹き飛ばした少女と会っていた。

 どうやらアルドノイズ様が逃げてからずっとこの路地裏にいたらしい。

 頭を抱え、体育座りの体制でぶつぶつと何かを言っていた。


「お前、何してんの?」


「……」


 私が問いかけるも、少女は反応を示さなかった。

 そんな少女に、私は無理やりぐっと顔を持ち上げて己の顔を見せた。


「……。……?……!……生きてた、の?」


 少女は半信半疑という言葉が似合うような顔をしながら言った。


「ああ。で、何してんの?」


「人、殺しちゃったかと思ったのよ」


 少女はぶつくさと不貞腐れるように言う。

 ……なんというか、ちゃんと反抗期を迎えている普通の女子だ。

 そう、あまりにも、普通だったのだ。


「……殺せないのか?人。アルドノイズ様は躊躇いもなくぶっ飛ばしていたくせに」


「……私だって思うとこがあるのよ」


 少女は、今度はちゃんと私の目を見て話す。

 こういう目を見る見ないで反応が分かりやすいところも、まるでさっきまで全ての悪魔の始祖であるアルドノイズ様を吹っ飛ばした少女とは思えなかった。


「実際、悪魔の始祖……アルドノイズ、だっけ?そいつが悪事を働いているところも見たことないし……。何よりアスファスの方が不気味だし」


「アスファス……?」


 少女の話を聞いていると、ふと、ついさっきアルドノイズ様が話していた人物名が耳に入る。

 

 アスファス。


 そいつが、アルドノイズ様を陥れた、張本人。


「お前は、アスファスの、何なんだ……?」


 そんな私の問いに対して、その少女はーー


「私?私は『NoS』所属の1番。名前は、ダフネス」


 ダフネス、と、その少女は言った。


「……」


 この時の私はまだ、知らない。


 将来、この普通の性格をした普通でない女の子が、私の、私たちサイドの、最大の敵となるということを。

 

お久しぶりです。一週間ちょっとぶりの投稿です。まあ、話のストックはあるにはあるのですが……。じゃあ、なぜ投稿できていなかったのか……。それは……没収されてたからです!普通に学校で写真(二次元キャラばっか)を眺めていたら、なんか先生が来てました。最悪でした(両方の意味で)。まあ、かわいいかわいい僕のスマホが返ってきたことなので、これからはちゃんと投稿しようと思います……!

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