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超能力という名の呪い  作者: ノーム
間章 呪いの生誕
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60話(神サイド) セバスの過去②


 すごく凛々しく、可愛らしい少女に、化け物みたいな黒い何かが吹っ飛ばされる。

 もしかしたら、俺は魔法少女に会ったのかもしれない。

 当時の私はそう思いながら、久しぶりに、嫌悪感が勝ってあまり使わなかった自分の能力ーー『身体能力上昇・中』を呟き、発動した。


「かはぁっ!?」


 私は禍々しい何かを、すごく強そうな少女の攻撃から半ば無意識に庇った。

 身体能力を上げたおかげか、どうやらギラギラ間に合ったようであった。

 その事にどこか安堵していると……。

 いきなり、自分の体が崩れた。

 

「あ……?」


 おそるおそる自分の体を見ていくと……腹に、でかい穴が空いているという事が分かった。

 

「……え?」


 なにやら目の前の少女が狼狽えているが、知ったこっちゃなければ、そんな事に構っている余裕もない。

 

「お前は……何者だ?」


 意識がどんどんと薄くなっていく中、私の耳ははっきりと、その言葉を捉えていた。

 守ったはずの人からの、困惑と、不安と疑問が混じった声。

 おそらく少しは感謝されるだろうが、結局あいつは誰だったんだろうねーと老後の笑い話にでもされそうな展開。


 (まあ、笑い話にでも覚えていてくれる人がいるなら、俺の人生は何か意味があったんじゃないか……?)


()は……」


 そこで、私の意識はプツンと途切れた。

 

 *


「……。……?かはっ!けほっ!ごはっ!痛っ!?」


 突然、自分の体が燃えるような感覚を覚え、目を見開いたら、やっぱりちゃんと燃えていた。

 私は訳がわからず、その場からすぐさま退散しようとしたが……喉が割れるような感覚を覚えた次の瞬間には咳が止まらなくなってしまった。

 体の外側からも内側からも攻撃されているような感覚に陥り、もう、死ぬんじゃないかと思ったらーー


「すまない。まさかこんな形で悪魔化するとは思わなくてな……」


 私を燃やす元凶から守るように、見知らぬ男が私の前にたった。

 その男の影により日陰ができ、私の体がその影に収まった瞬間に、私の体は炎上するのをやめた。


「……あなた、は?」


 咳も大分治り、かすれたガラガラ声で、おそるおそるその男に聞くと。


「それはこっちのセリフでもあるのだが……。まあいい。さっきは守っていただいてすまない。悪魔のアルドノイズだ」


「……?悪魔?」


 私はその男が言った言葉に首を傾げた。

 さっきは守っていただいてすまないと感謝の言葉を受け取ったが、こんな人を守った覚えなんてない。

 さっきの黒い何かが俺は悪魔だ守ってくれてありがとうと言うのならまだ納得がいくのだが……。


「で、お前の名は何と言う?」


 悪魔はそれだけ言うと、私をじっと見つめてきた。

 結局、お前は一体何なんだという意味も込めての質問を。


「俺の名前は……」


 かすれ声ながらも、ハッキリと、その悪魔さんに聞こ、理解してもらえるよう、私は滑舌よく自分の名前を口にした。


「セバス。セバス・ブレスレット……です」

 

イェーイ!記念すべき60話です!まあ、宏人くんはあんま進歩してませんが……。話題変わりますが、今日、ノベルバでの、超能力という名の呪いが完結した!パチパチ!

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