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超能力という名の呪い  作者: ノーム
四章 封印前夜・前編
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56話(神サイド) 邂逅

「なんでお前らが此処にいるんだって聞いてんだよ!さっさと答えろよ、太刀花創弥!アリスクラウンサシャミラー!」


「……!」


「……む?」


 突然の来訪者に、アリスはハッとした。

 そうだ、なにせ目の前に新野……今はなんとか要だったけか。

 そんななんとか要がいたのだ。

 そりゃあ驚くに決まっている。

 要は、あのエラメスと並ぶぐらいに強い、表側では人類で一二を争う強者なのだから。


「さて、なんででしょうねぇ……」


 要の問いに対して私は、自分にも言い聞かせるようにボソッと言った。

 ……別に私もしたくてやっている訳ではないのだが。


「ふむ?お前も楽しんで殺しまくってたじゃないか」


「うっさい脳筋風情が勝手に人の心読むな」


 創弥が首を傾げて言ってきたので、私はイラつくように呟いた。


 *


「……」


 七録要が一歩進むたびに、急に四方八方から下級悪魔が飛び出してき……爆発四散していく。

 そんな地獄の様な光景が、なんども繰り返される。


 『爆破者』七録要。


 この名前を知らない人類はおそらく一割にも満たないだろう。

 それは、この世界の超能力者の中でもトップクラスに強いのだから。

 まあ、知名度はエラメス・クウェスト・エーデンに比べると微かに劣るだろうが、そこはあまり関係ないだろう。

 なにせ彼は、そのエラメスにすらも及ぶであろう力を持っているのだから。


「……」


 要は、無言で、無表情で、無感情で、悪魔を殺し、殺し、殺す。


 そんな彼にとって、ほとんどの存在が塵芥に変わりがない。

 なにせ、彼の能力を目にした者はほとんど、その名の通りの塵芥と化したからである。

 

「……。……?」


 だが、要は好き好んで殺しはしない。

 『爆破者』といっても、所詮はただの大学に通っている年齢の青年だ。

 悪魔といっても生物。

 殺すたびに血が滝のようにあふれ出し、要の能力によって爆発四散した悪魔の死骸は人のと変わりない。


ーー気付くと、そこには自分だけしかいなかった。

 無論、死、は、あっちこっちにころがっているけれど。


「終わった、か……。んじゃあ幸太と璃子と一緒にさっさと退散しましょうかねぇ」


 要は自分自身に孤独ではないと言い聞かせるように大きくため息を吐きながら呟くと、くるりと戦場に背を向け、帰ろうとした。


「なっ!?」


 途端、己の背が震えた。

 ここにいては、まずいと。

 だが……。

 

「……っ!」


 不思議と、要はそのナニかを追うように走り出した。

 確かに、背は震えた。

 要が震えるくらいに、それは強いのだろう。

 だが、それは、その感じは……。


「はっはっは!」


 要の耳は、快活に笑う男の声を拾った。


「間違いない……けど、なんでだ……?」


 要は震える声を絞りだすようにひとりごちた。

 だってその声は、死んだはずの男の声だったからだ。


 そして、着いた。

 その、男の前に。


「お前……創弥、なのか?生きてた……のか?」


 要は呟いた。

 太刀花創弥、と。


 かつて悪魔、アルファブルームに殺された、元『勇者』の仲間、太刀花創弥の名を、呟いた。

前話に名前だけ出てきた吐夢狂夜という人物……なんか、すごい名前だなと、思いました……。なんか初期の頃は大分簡単な名前の奴らばっかりだったんですけどね。向井宏人とか山崎智也とか。今じゃもつ海野維祐雅やら太刀花創弥やら、挙げ句の果てにはアリスクラウン・カシャ・ミラー。まあ、ともかくこれからも頑張ります。

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