表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力という名の呪い  作者: ノーム
四章 封印前夜・前編
61/301

55話(神サイド) 取引


 これは、要たちがアスファスが拠点としていた京都を離れた頃。


「やあ、久しぶりだね。アリスクラウン・カシャ・ミラー」


「……」


 とある、白い、頭に天使の輪っかでも乗せなら本当に天使にしか見えないような男が静かに笑いながら手を振ると、女はため息を吐いた。


 女ーーアリスクラウン・カシャ・ミラー。


 女と言っても、まだ二十歳とそこらである。

 いつもなら、その顔にはシワ一つなく、肌は艶々しており、非常に色っぽい女性なのだが……それは、いつも、だった。

 今は額を嫌そうに、盛大にシワをおでこに一点集中で集めている。

 もう、おばちゃんと言っても過言ではーー。


「何?カミサマが私なんかになんか用?」


「そう、怒らないでくれよ。アリス」


 女は再度はあとため息を吐くと、男ーー『造神』アスファスは困ったように頬をぽりぽりと掻いた。

 よっぽど、この前の事でアスファスを信用していないらしい。

 「まあ、そんな事は当たり前か」とアスファスは小さく呟くと、アスファスは顔に笑みを貼り付けた。


「きみの私に対する疑心暗鬼はもっともだ。仕方がない。だって、きみの知り合いを皆殺しにしてしまったのだからね」


「……」


「おや、反応が薄い」


 アスファスは盛大に両手を横に払って嘲笑うかのようにアリスを見下したのだが、アリスの反応は薄く、もう何度目になるかわからないため息を吐いた。


「別に、恨んだりはしてないわよ。ただただ自分の身が可愛くて可愛くて仕方なく、私の周りの人達を殺したアンタに警戒しているだけ。まあ、あの時は違かったけど」


 アリスは頭を掻きむしりながら答えた。

 まさか、彼女がここまで心身共に疲れきっていたとは知らず、アスファスは返答に困るが……アリスの反応はアスファスが期待していたものだった。


「じゃあ、きみは別に私を恨んでいる訳でなないんだね?……もし、力を貸して欲しいっていったら、助けてくれるんだね?」


「……報酬と、メリットとデメリットによる」


 アリスは諦めたように小さく言う。

 その反応にアスファスは小さく笑い。


「デメリットは、死ぬかもしれない事だ」


「……!」


 アリスは正直に答えたアスファスに驚くかのような反応を見せる。


「メリットは、死ぬ可能性が少なくなる事だ」


「……あ?」


 ついに訳がわからなくなる。

 

「報酬は……生かさせてやる事だ」


「……」


 アスファスは白い顔を歪め、人が原始的なナニかに対する笑みを顔面に貼り付け、目を細めると。


「私の頼み事は、吐夢(とむ)狂夜(きょうや)に備える。それだけだ。……まあ、それまでもだが」


 そんな何を言っているか分からないことを連呼するアスファスに対して、アリスは……。


「やる」


 短く、そう答えた。

 その顔は恐怖に染まっていたが。


 吐夢狂夜。


 それは、アリスやアスファス()()()からしたら、絶対に生かしてはおかない男の名前だったのだから。

 

ゾロ目!55話にしてゾロ目は祝うべきだと気付きましたっ!いやーいいですねー。どんどん進んでますねー。読み返そー……!なっ!?馬鹿な!?……主人公視点だと、全然物語進んでねぇ……!てか今回の話も主人公全然関係ねぇし。ここで予告。次回、創弥、アリスと要が邂逅する!……やっぱ主人公いねぇー!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ