3話(神サイド) 6番vs9番
6番[ライン・カーゴイス]
俺は幼い頃から天才だの最強だの言われながら生きてきた。
当然、言われていた俺も自分の事を最強だと思っていた。
だが…。
俺の最強はちっぽけだった様だ。
*
「何を言ってるんだ…お前は?まずそんな事が可能なのか?どうやったんだ!?……………。お前は…一体何が目的だっ!」
俺には9番が何を言っているのか分からなかった。
「質問が多いから何を答えるか俺が決める。じゃー何が目的かを教えてやろう。
ま・ず・は!お前の能力を奪うっ!」
そう言った途端、駆け出してき、
「[操作]」
そう唱えた。
だが、何も起こらず、俺を拳で殴ろうとしたが…。
「[無重力]」
急に俺の周りにある、俺以外の全ての重力が無くなった。
「相手が悪かったな。たとえ3番の…クルシュの能力を奪っても!俺にお前は勝てない!」
そう言って重力を失い空を飛んでいた9番に殴りかかろうとした瞬間。
「ああ。俺はお前に勝てないから、お前の能力が欲しい」
空から始祖が降りてきた。
それは突然に。
神から始祖の姿特徴を徹底的に教えられていたからすぐに分かった。
全身が黒く、白い髪の人間を今緊急の「器」にしている。
「器」がしばらく無いとこの世に存在し続ける事が出来ないので、自分をギリギリ抑え込む事の出来、すぐに壊れる「器」を転々としている。
と。
始祖は俺の能力なんて物ともせず…。
9番が[操作]しているのか。
悪魔は生物では無い。
だから[操作]が効く。
地に降りたった。
逃げなければ。
瞬時にそう思っだが…。
その目を見た時もう遅いと分かった。
分かってしまった。
だから、
[10 番に連絡、始祖が俺の座標に居る。]
次に繋げようと思った。
仲間に連絡したと気付いたらしい始祖は俺の右耳を殴った。
俺は地面を転がり、イヤホンは粉砕し、右耳は血だらけになった。
倒れた俺を始祖の手が俺の首を掴んだ。
ああ。
俺も此処までか。
[勝てよ]
みんなにそう言ってやった。
イヤホンはまだ機能しているのだろうか。
…もし壊れているのならテレビの砂嵐画面の音の様なのが耳に流れるだろう。
みんなの戦いの邪魔にならない事を祈る。
…みんなは無事なのか?
それは。
「アルドノイズナイス!」
俺が分かる事はないだろう…。
*
「これでやっと二人か…。あと何人だ?」
「次6番と11 番を入れて、俺を抜かすと…。あと十人だな。だけど…多分だが十二人目もいるな。それも神の切り札的存在が」
「何故?」
「俺らは神から十一個のミッションを与えられ、十人で話し合いそれぞれ一個ずつこなす。当然あと一つの高難易度のミッションが残る。今までは11番がやっていたと思ってたが…。調べた情報によると11番はどうやら[身体能力アップ特大]って能力で今まで一度も悪魔と戦った事が無かった。今思えばいくら身体能力が上がっても限度があるだろう」
「なるほどな。まぁ良い。それより次は何番にするかは実はもう決まっている」
「1番か?」
「いいや、全員だ。俺とお前で3日後の神格会議で1番から10番、全員殺す」
悪魔はそう、言い放った。
そして地面にあるラインの死体を抱える。
次の緊急の「器」はコイツだろう。
[こちら10番!………]
焦ってるねぇ。
神と悪魔。
とんでもない戦争が起こる…!