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超能力という名の呪い  作者: ノーム
四章 封印前夜・前編
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53話(神サイド) 拍子抜け


「えっ!?クリストフくんって『強運』使いなの?」


「えっ……そうだけど、なにか……???」


 クリストフの周りでは、まるで転入生が来たかのように賑わっていた。

 さながらナンはたまたま転入生の席の隣になってしまった自己主張のないインキャのように、クリストフにくっついているだけで、まるで相手にされていない。

 じゃあ、僕は何か。

 そう、ただのボッチだ。


 *


「で、そんな僕に何か用ですか?」


「いや、どんな僕かは知らないが……お前、姓は?」


 突然、ボッチに声をかけてくれる人はどこかの主人公くんかヒロインちゃんと相場は決まっている、訳ではない。

 僕の場合は、目の前で仕事で疲れたおっさんのような座り方で椅子に座っている少年ーー新野凪に、苗字を聞かれた。


「いや、僕日本人じゃ……」


「分かるだろ……ミドルネームでもなんでもいいから答えろ」


「え……?エーデン、ですが」


 僕は何がなんやらといった感じで答えた。

 すると、凪はまるでビンゴでリーチになった時のような顔で頷くと、すぐさま立ち上がった。

 さながら社長から電話がきた時のおっさんのようだ。

 因みに、ビンゴでリーチになった時のような顔は、別に笑っているという訳ではない。

 「よっしゃ」、的な?


「お前は……エルメスの息子だな?義理とかではなく、正真正銘の」


「は、はい……」


 *


 そんな、まるで取り調べのような会話をした後、なぜか廊下を走らされ、凌駕に『転移』させられてここまで来てしまった。

 この凪って人、圧がはんぱないんですけど……。


「ここは……どこですか?」


 僕はあんぐりと口を開けながら、見覚えのある城という塔というかなんというか分からないのを見上げる。

 入り口の知らない女性の銅像がやけにでかい。


「『神仰教』の総本山、アスファス聖堂だが」


「ですよねー……」


 認めたくなかったため、知っていながらも質問したが……やっぱり、神仰教の本拠地だった。

 神仰教とは苦い思い出しかない。

 もう、一年前絶対に来ない!と決めたはずの場所に、また戻ってきた。


「で、僕の父さんがここの創立者兼代表って、本当なんですか?」


「ここの代表者はエラメス・エーデン。聞き覚えは?」


「父さんですね……」


 僕ははあとため息を吐き、拳を固めた。

 

「分かりました。僕は、父さんを倒します。生け捕りなんて言いません。ちゃんと、この手で……!」


 僕は手を力強く握り、肉親を倒す決意をする。

 元より父さんにお世話になった事といえば僕を誕生させてくれた事と生活費を送ってくれたぐらいだ。

 そして何より、[NoS]の仲間をたくさん殺した奴らのトップ。

 覚悟は、意外と簡単に決まった。


「いや、別にエラメスをどうこうするつもりはないぞ?」


「へ……?」


 あれ、カッコいい事言ったり思ってたらしたんだけど……結局。


「父さんに、何のようなんですか???」


 ほんとに、なんなのこの人?

 ミステリアス過ぎる。

だ……題名つけるのってむすかしい……っ!なんだよ拍子抜けって……。拍子抜けだよ……!

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