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超能力という名の呪い  作者: ノーム
四章 封印前夜・前編
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52話(神サイド) 溜息


「あ……?宏人、お前……どうしたんだよ?」


「ん?」


 俺が颯爽とカッコいい台詞を言いながら登場したら、智也は訳が分からないというように、困惑しながら聞いてきた。

 ……俺が、どうしたのかと。

 ふと、周りを見渡すと、結構な人数がいた。

 無論、俺が来てから誰一人と声を発していないが。

 女性陣より特に、なぜかナンチャンとストフはガッチガチに震えていた。

 まあ、こういうピンチの時ほど、凌駕に腹をぶっ刺された時の記憶が甦るからなぁ。


「質問が悪かった。お前、なんで殺気消えてんの?」


 智也は頭をガリガリと掻きむしりながら俺に問う。

 

「あー。まあ、凌駕もそこまで悪い奴じゃないらしいしな。これから確認するけど」


「……っ!お前、……」


 智也は俺の反応に戦慄した様に身を震わせた。

 だが、その反応も最もだとも思う。

 なにせ、智也は俺と同じく仲間(アルドノイズ)を人質にとられ、半強制的にこの組織へ入隊させられたのだ。

 俺は池井のお陰でこの組織の実態を見、少しずつ冷静さを取り戻しているのに対し、智也はまだ何も説明されていないのだ。


「智也、大丈夫だから、とりあえず落ち着け。まず、俺たちはお前に危害を加えようなどとは考えていないんだ」


「お前……!はあ、そっちにつくのか」


「は……?」


 智也は俺の反応をどう思ったのか、落胆するように肩を竦めた。

 そして、目を細めると。


「式神構築、獄か……」


「ダメ……!今したらっ!」


 智也が何か気になる単語を吐こうとした瞬間、長野華という弱気そうな少女がいきなり大声を出した。

 一瞬、智也は顔を歪め、どうしたものかと思考するが……。


「獄廻界」


 再度、唱えた。


「「……っ!」」


 その言葉に、長野と、その隣にいた永井美琴という少女も、顔を驚愕に染めていた。

 式神構築。

 なんか、聞いた事があるような……。


「さあ、地獄を魅せてやる」


 智也がそう呟いた同時に、世界が黒くモヤのようなモノに染まっていく。

 最初は視界の端にあったものが、どんどんと辺りを侵食していき、やがて俺たちを誘うように、身体を塗り潰してくる。

 まるで、この部屋に居る、俺、山崎智也、北岡飛鳥、クンネル、クリストフ・ナイン、永井美琴、チャン・ナンを、地獄に堕とすように。

 

 瞬間ー。


 ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!


「なっ!?」


「「「「「「……っ!?」」」」」」


 突如、頭の中まで響くような、重低音の気味が悪い音が響いた。

 この能力を使ったはずの智也でさえ戦慄していることから、何かしらの予想外の事態が起こったようだ。

 そんな事を思考した一瞬で、掃除機をかけられたかのように、黒いモヤが吸い込まれていく。


「な……んだ?」


 そうして俺たちは、黒いモヤと共にどこかに吸い込まれていった。

これ読み返してみたら……誤字脱字ひどいですね!ていうか七録要は『爆発者』から『爆破者』になっていました。……改変が多いぜ。

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