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超能力という名の呪い  作者: ノーム
四章 封印前夜・前編
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50話(神サイド) 思惑


「えと……これ、どこ?」


 今、俺ーー七音字幸太郎は、高校中退以来全然使っていなかった頭を悩ませている。

 それは……。


「めちゃこの地図複雑ー。アスファスとじじいはこれ見て分かれと?」


 アスファスから貰った河合凌駕ーー『YES』が集結している場所が書かれている地図が、あまりにも複雑であったのだ。

 そんな俺に同調したのは録七要。

 苗字は六と七というあまり見た事ないものである。

 なによりも七が被っているのがいただけない。

 そんな事はともかく、要は俺と同じ、『超能力者』だ。

 あまり知識がない人がそれを聞いても何だという話だが……。

 世界に四人しかいないと謳われる最強の力を持つ存在、それが超能力者なのである。

 超能力はみんな持っているのでは?と思うだろう。

 だが、その超能力を持っているだけでは能力者だ。

 超能力者とは、超能力を卓越した力を持つ人間にだけ与えられるーーいわば称号、みたいなものである。


「たくっ……。これだから、おれすげーちからてにいれたー!だからべんきょうしなくていいんだー!って言いながら勉強を疎かにしたバカ共は。私は分かるわよ」


「それは幸太だけじゃい!俺はちゃんと高校卒業しましたー!」


 そんな俺たちに悪態を付いてきた可愛らしい童顔の少女の名は、海木璃子。

 無論、彼女も超能力者である。


「要の事はどうでもいいけど……。じゃあ、頼んだ璃子」


「まかせなっさい!」


 璃子は胸を叩き、親指を立てながら頼もしく応えた。

 ……揺れはしなかった。


「はあ……」


「要、何でため息付いてんの?」


 まあ、そんな事はともかく。

 こうして、俺たちはやっと歩み出した。

 アスファスを倒す程の、戦力を集めるために。


 *


「よろしいのですか?アスファス様」


「何がかな、エルメス」


 私が『禁止者』の権能により新野……もとい録七要、海木璃子、七音字幸太郎の三名に対してのお説教をした後。

 エルメスはそんな事を聞いてきた。

 

「もちろん、あの三人についてですが」


「裏切る可能性が高いのに、なぜあのまま逃がしたか、か?」


「ええ」


 エルメスは深く肯定した。

 まあ、分からなくもない。

 あの三人は強力だ。

 敵になるのはリスクが高い。

 では、なぜ私は彼らを逃したのか。


「それは……その方が都合が良い結果になるからな」


「そうですか。では、私は心配しなくてよいですな!」


 エルメスは快活に笑う。

 私も思わず両頬が上がる。

 

「では、行くとするか」


「はい。ですが……大丈夫なのでしょうか?」


「ああ。シンノーズは、脅威だが……驚異ではない」


 こうして、私たちはシンノーズへ会いに行った。

 昔、『アスファス申請』をシンノーズに無断で使用した件について、お叱りを受けるために。


「本当に、くだらない」


 私はボソッと呟き、エルメスと共に歩き出した。

 

 

 

記念すべき50話目!……向井宏人、主人公のはずだよね?全然出てきてなくね?

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