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超能力という名の呪い  作者: ノーム
三章 [FORTHS]編
50/301

45話(神サイド) 「悪役」を演じる者


「ん……お?」


 気付くと、いつの間にか辺り真っ暗な空間にいた。

 何も聞こえず、何も感じず、ただただ暗くて黒い場所。

 そんな特殊過ぎる所は、一つしかない。

 そして、そんな[世界]を造る人間は一人しかいない。


「快か」


「そうだ」


 俺がこの世界の扉の製造者の名前を呟くと、いきなり隣りから声が聞こえてきた。


 この声は、新野凪だ。


「式神ん中は時間流れてないからな。コストがちょうどいい式神持ってる快に頼んだ」


 あー、そういう事か。

 さすが凪だ。

 いつも俺の一歩先を見据えて行動し、俺達を導いてくれる。

 それはともかく、そのためだけに式神を展開するなんて……。とても贅沢な使い方だな。

 隣りを見ると、ちゃんとライが寝ていた。

 なんか、あの後も死んで蘇生されたかの様に顔色が悪いが……。

 まあ、気のせいだろう。

 ……気のせいであってくれ。


「休んだ事だし……早速だけど行くよ」


 俺は重い腰を上げながら、凪に言う。

 立つという動作がこれほど面倒臭いと感じた事がないほど、相当俺の体は疲れ切っていたらしく、未だに抜けていない。

 まあ、さっきほどじゃ全然ないが。


「おう、行ってこい」


 そんな俺を知って知らずか、凪は無表情ながらも手を振りながら、俺を促してくれる。

 なんというか……仲間に見送られて行くのと行かないのはかなり気分に影響が出るな。

 上下どっちかとは秘密だが。


「ああ」


 言葉を凪と交わし、さあ行くかと扉に向かって歩こうとしたところで……。

 重要であり、危険な悪魔の存在を忘れていた。


「そういや、アルドノイズは?」


「あそこ」


「……」


 やっぱり、アルドノイズはボッコボコに殴られたような風貌をしていた。

 まあ、風貌ではないのだけれど。


 *


 俺と凌駕は熱い言葉を交わし、凌駕はこの世界から出て行った。

 どうやら今回はライを連れて行かないらしい。

 まあ、こんな顔色じゃあなぁ……。

 

「んで、なんで隠れてた訳?」


 凪は座りながら、隠れていた快に話しかけた。

 

「……」


 すると、不貞腐れたような顔付きをした快が出てきた。

 素材自体が日本人の顔面偏差値を下回った顔付きであるだけ、拗ねたような顔付きになると更にそれを下回る。

 我ながら酷いと思うが……めっちゃブ○だな。

 まあ、どうでもいいが。


「どうした?」


 俺は見続けると笑ってしまう可能性がある顔を見ないように、前を向き、ノールックで問う。

 

「……凌駕は、味方なのか?」


「少なくとも、敵じゃない」


「ハッ!……そういう事を聞いてるんじゃない」


 快は面白そうに鼻を鳴らす。

 まあ、ハッキリとそう言えない自分ももどかしいが……。

 どうでもいい。

 少なくともこいつになんと思われようとも、痛くも痒くも死にもしない。

 [魔手]……。

 くだらんね。


「俺は、お前の好きな様にやればいいと思う」


「……その結果、凌駕が死んでもか?」


 俺がどうでもいい感じに応えると、快が試すように言ってくる。

 快が何を考えているか、これっぽっちも知らんが……。


「お前じゃ、凌駕は、殺せない」


 俺は、一言一句滑舌よく、快に言い聞かせた。


 これ以上、「仲間の死」というのを凌駕が味わあないように。

 今頃、[NoS]の裏切り者として恨まれているんだろうなぁ……とも思いながら、俺は快を見向きもせずに、この世界から出て行った。

 真っ暗闇から、光を求める様に。



              三章[FORTHS]編 完

これでやっと三章が終わりましたー!!!いやー長かったですね。まさかまさか過去編が現在の話数を超えてしまうとは思いませんでした。ですが……んまだ終わってません!なんと、まだまだあります!過去編!かこへん!カコヘン!ですが、三十話も四十話も主人公出さないってどゆこと?って事なので、次話からはちゃんと宏人くん出そうと思っております!宏人くんを書くのは実に一年ぶりであり、ちょっと執筆力も上がったと自負していますので、かなーり性格の改変がございますが……。これからも、超能力という名の呪いをよろしくお願いします!……コレミテルヒトイルー?

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