42話(神サイド) [FORTHS]の過去①②
[旧世界]。
と、目の前にいる少女……ダクネスが唱えた途端、[眼]の世界から白い世界に転移させられた。
いや、転移ではないかもしれないが。
この能力は、能力自体が簡易の[式神構築]だ。
そんな化け物じみた能力を使う少女は、君が悪い笑みを顔に貼り付けながら、甲高い声で言ってくる。
「……あなたがアルドノイズさん?」
「ああ……そうだが」
「聞いていたアルドノイズさんとはちょっと違うような……まあ、いいか」
少女は手を後ろに組みながら、楽しそうにゆらゆら揺れる。
なんというか……不気味すぎる。
まあ、いい。
今の俺はアルファブルームだ。
いくら強かろうと、相手が人間である限り、俺は負けんし死なん。
「じゃあ早速だけど、始めよっか!」
*
「なんて過去があった。……少々長く話しすぎたな」
今、目の前でアルドノイズと川合凌駕が死闘を繰り広げているのを見ながら、私はアルドノイズとその仲間達の昔話を聞かされていた。
字面だけみると本当にカオスな状況なのだが……本音を言うと、実に有意義な情報を教えてくれる昔話だった。
おそらく、今言っていた[勇者]vsアルドノイズの裏で、凌駕達はアスファスと戦っていたのだろう。
などと、そういう小さい発見を何度もさせてくれた。
実のところ、今から続く話も興味があったりする。
「構わないわよ。それで?その後アルドノイズはどうなったの?」
「いや、これで終わりだが」
「死んだって事?いや、でも今目の前で凌駕とどんぱちやってるけど……」
「いや、話がこれで終わりってこと」
……ん?
思わず返答に、首を傾げる。
「えー……ここまで話しといて?」
「おう。じゃ、またな」
「……ん?」
訳が分からないまま、私の首は切り落とされていた。
*
「「ウオオオオオオオオオオオオ!」」
両者の雄叫びだけが、この空間を支配する。
炎と根。
字面だけをみると、炎が勝ると思われがちだが……。
実際はそんな事はなかった。
なにせ根には勢いがある。
凄まじい速度と共の命の捨て身の攻撃。
そんな根が絶え間なく地から噴出される。
そのため、炎に十分に対応している。
「くそおおおおおおおおおお!」
川合凌駕は、焦っていた。
油断していた訳ではないが、想像以上にアルドノイズが強すぎた。
俺の[自由者]と同様に、アルドノイズは今アルファブルームに変化出来ないと知りながら、背筋が凍る。
「ウオオオオオオオオオオオオ!」
アルドノイズの能力はまだまだ底が見えない。
これは本気で、まずい。
しかも、この戦いの後にうるさくなるであろう宏人達[NoS]を黙らせなければならないのだ。
別に奢っている訳ではないが……ここで全てを出し切りたくない。
いや、今は本気で全力で戦っているが。
「アルドノイズウウウウウウウウ!」
俺は、尚も全力で[植樹]をアルドノイズに向けて発動する。
やっとふぉーすの過去が終わりました。いやー、数字をまるでかかっているのが一桁までしかないと知ったときは焦りましたねー。まあ、そんな訳で数字を並べて無理やり二桁にしました。え、そんなん常識?知らんわ!




