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超能力という名の呪い  作者: ノーム
三章 [FORTHS]編
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40話(神サイド) [FORTHS]の過去⑩


「アルファブルーム様。現状報告は後にして、まずは[眼]を回収しましょう」


「えっ……生理的にそれは……」


「アルファブルームめっちゃ引いたんじゃん」


 構築者が死に、少しずつ世界が崩壊していくなか、これからの事を話し合っていた。

 まず、海野維祐雅がこちら側に加わった経緯を説明してもらった。

 説得やら恐怖やらで支配している訳ではないというだけで、十分信頼出来る引き入れ方だ。

 むしろ智也の方が信用に欠けているが。

 まあ、智也がいなかったから俺は死んでいただろう。

 [勇者]は、神ノーズに[神]を殺す事を正式に認められているからな。

 もちろん[魔王剣]も対象のため、[勇者剣]と[魔王剣]をこちら側に引き込めた事は大きい。

 まあ、そんなこんな話し合った後、いきなり智也が先程からずっと俺達を見つめている、そこら辺にめちゃくちゃある[眼]を集めないかと提案してきた。


「なぜだ?今、世界が集合しているから今すぐにでも去りたいのだが」


「まだ猶予はあります。[眼]は単体だけでも十分に役立つのに加え、この世界の創造者は創弥です。[魔王剣]でこの世界の[眼]をアンデット化させると疑似人格の創弥となります。戦力としては十分過ぎるかと」


「……なんでお前そういう事色々知ってんの???」


 俺が智也に感心していると、祐雅はもっともな事を言う。

 どうでもいいが海野維って苗字珍しすぎないか?


「まあ、色々あってな……。とにかく、さっさと集めよう」


 智也は何か含む様な言い方をしていたが……今は時間が惜しいため質問はせず、[眼]を集めだした。


 *


「これで全部だろ」


「すげー……」


「……」


 祐雅が背伸びをして呟いた。

 そんな祐雅に対し智也は、口をあんぐりと開けながら称賛を口にした。

 ……俺は言葉が出なかったが。

 

 さすが[魔王]というべきか。

 すさまじい速度で[眼]を集めだした祐雅は、十分ぐらいで、何万個もあったであろう[眼]を回収した。


「これ、何個ぐらいで創弥になんの?」


「あくまで疑似人格だから創弥本人には全くならないが……まあ、二千個から三千個ぐらいじゃね?」


「ほーう、結構作れんね。他には何ができんの?」


「他には[眼]の攻撃を投げるだけで……まあ、使い捨てだけど[攻眼]や……」


 どんどん世界が崩壊していき、命令した創弥が死んだからか知らないが、ゆっくりと色々な世界が集合していくのが分かる。

 そんな中、二人は談話している。

 たまに気になる内容が入ってくるが、やはりまだ子供なのだろう。

 たまに微笑ましい会話も混ざってくる。

 そんなふうに眺めていると……。


「……っ!」


 背筋に悪寒が走った。

 これは、まずい……!


「今すぐに出口を創るぞ!」


「?……はい!」


「ああ、まずいな」


 俺が叫ぶと、不思議そうな顔をしている智也と、俺と同様に気づいていたらしい祐雅はすぐさま「扉」の制作に取り組んだ。

 

 これからの事を体験した俺は、知ることになる。

 神は、ただ人より優れているというだけのことを。

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