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超能力という名の呪い  作者: ノーム
三章 [FORTHS]編
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39話(神サイド) [FORTHS]の過去⑨


「がはっ!ぶ……!」


 俺の[聖水と猛炎の邂逅]と、[水世界]が創弥を襲った。

 創弥は、まず先に[聖水と猛炎の邂逅]に対し両眼展開[遮眼]、世界に俺に[暗眼]をかけるよう命令し、俺が狙いを誤る事に賭けようとしたらしいが……。

 まず、神の技を人間の[超能力]ごときで回避する事は不可能だ。

 確かに避ける事は可能だが、[超能力]では無理だ。

 そこからは天性の才能や血反吐を吐くのが当たり前の修行やらなんやらしてる奴らの世界だ。

 凡人が、しかも[超能力]というまず神から授かった力で神を凌駕する事ができると思っているらしい事が解せない。

 そしめ、まず神に状態異常など存在しない。

 目が見えなくなる?

 まず神に視力などない。

 確かに、神ともいえど攻撃を受ければ傷つき、死ぬ事さえある。

 身近な例はソクラノトスだ。

 まあ、あいつは正確にはまだ死んでないらしいが。

 俺から言わせてもらうと、外側だけ生きているのって死んでいる事より辛くない?だが。

 まあ、一応兄であるが、どうでもいい。


「なぜ……?なぜ、この[世界]の能力が一つも効かない!?」


 俺が冷酷に創弥を見下ろしていると、創弥は解せないとばかりにくらいついてきた。

 

「存在の格が違うだけだ。もう、死ね」


 俺は冷淡にそう言うと、手をパーの形にしながら、創弥の目の前に置く。

 

「[強制命令]!来い、[眼]!」


 創弥は叫ぶように[世界]を集め始める。


 まずい……!


 確かにこの存在であれば、たかが状態異常が主な攻撃手段の[眼]の世界なんて痛くも痒くもない。

 だが、いつもこの存在ではいられない。

 ここまで力を見せつけ、痛めつけてしまったため、アルドノイズの存在に戻った瞬間に殺されてしまう可能性も濃厚だ。

 絶対に、ここで殺さなければならない。


「お前、強いな」


「っあ……!」


 バンッ、と音をたてながら、俺は[圧縮弾(イッテンシュウチュウ)を撃ち、創弥の頭に丸い穴が空いた。

 そして、運動エネルギーにされるがまま、首が飛び、地面に落ちた。


 終わった。


 人間の中ではめちゃくちゃ強い方なのに、死ぬ時は呆気なかった。


「……」


 強い者を殺すと、なぜだか……変な気分になる。

 変な気分、曖昧だが、一番しっくりくる。


「創弥!」


「アルド……!アルファブルーム様」


 なぜか、創弥と智也がこの世界に入って来た。

 入って来ても……ああ、俺を心配していたのか。

 祐雅も、俺に対して殺気を放っていない事から、智也が仲間に引き入れてくれたのだろう。

 全く知らん奴だが……これからも役に立ちそうだ。


「アルファブルーム……。創弥を、殺したか?」


「ああ、俺が殺した。見れば分かるだろうに」


 怒るか、戦闘になるか。

 わざと挑発するように俺は言ったが……。


「そうか……」


 祐雅は、悲しそうにするだけだった。


「アルファブルーム様。さすがです」


 俺達の目の前には、首がなくなった創弥が、気持ち悪い眼がたくさんある床で倒れていた。

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