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超能力という名の呪い  作者: ノーム
三章 [FORTHS]編
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35話(神サイド) [勇者剣]と[魔王剣]


「ぐあぁぁぁぁぁあああああ!」


「はぁー!っぶねー!!!」


 勇者は今、バゲルゲン様の記憶を見ている事だろう。

 俺は、今さっき勇者に魔王剣の所持権を託したからだ。


 *


 [勇者剣]と[魔王剣]は特殊な武器であり、[所有権]という設定がある。

 [勇者剣]か[魔王剣]の所持者は頭の中で[所持権]の引き渡しの呪文を唱えながら相手の体を肉薄すると、その相手に自分の[所有権]を引き渡す事が出来る。

 もちろん、引き渡す方はその相手が自分が渡した[所有権]がある限り[その者を触る事が出来なくなる]というデメリットを負う事になってしまう。

 [勇者剣]も[魔王剣]自体も強力な武器であるため、それを相手に譲ると共に攻撃不可になるというのはデメリットが多すぎであり、メリットが皆無なため、普通はやらない。

 それでは[所有権]を渡した瞬間に殺されるというバッドエンドになる可能性すらある。

 そこで、[記憶]というものがある。

 [所有権]を手にした者は皆、その元の所有者、勇者か魔王の記憶を見ることになる。

 則ち、初代[勇者]新野久和夢(くわゆ)と初代[魔王]バゲルゲンの記憶。

 他人の記憶というのは、人間は本能的に嫌う。

 本来なら他人の記憶を他人がみるという事はありえない事だからだ。

 その上、この2人の記憶の中には、死体がたくさん残っている。

 変死。

 餓死。

 人の形を保っていない何か。

 それは、もう、道徳を無視している何かさえも。

 そのため、記憶を覗いた瞬間、気絶してしまう事になる。

 だが、なぜか記憶を見ている最中から起きて脳が完成に働くようになるまで、それぞれの[剣]が所有者を守ってくれる。

 

 [勇者剣]と[魔王剣]。


 それは、未知が満ち足りた、不思議な武器でもあるのだ。


 この様な面倒くさい設定が付いているが、その能力は折り紙付きだ。

 

 [勇者剣]

 勇者剣は、基本的に仲間と共に戦う事が前提の武器であり、単体ではそこまで強くはない。

 単体で使える能力は、[神・オーラ]。

 [神・オーラ]とは、所持者の生命が危険な状態な時だけしか使う事が出来ない能力であり、真神[神ノーズ]の力を借りることが出来る。

 そして、仲間と共に戦う事で発動する、[神・ブースト]。

 全員の身体能力の上昇や、回復能力の向上、攻撃力防御力も共に力を与えてもらえる。

 それに加え、もっとも強力な、[クロスオーバー]。

 仲間が放った能力を、自分の放つ能力と融合する、仲間と協力する事で発動出来る能力。

 能力の組み合わせ方によっては、神をも超える力を手に入れる事が出来るという、まさに神技。

 所有者を、[勇者]にする剣。


 [魔王剣]

 [勇者剣]とは違い、単体で人を超える能力を持つ魔の剣。

 [亜神・オーラ]という、所持者の生命の危機が訪れた際にだけ発動する能力であり、亜神[マトモテリオトダストル]の力を借りることが出来る。

 [亜神・ブースト]という、この剣を所有しているだけで常時発動方の能力も。

 そして、[残酷滅]。

 この能力は、所持者が自分よりも強い、と本能的に感じた相手にだけ発動する能力であり、亜神[マトモテリオトダストル]の[残酷滅]を使える。

 未だに使われたことのない、必殺であり、必滅である技。

 所有者を、[魔王]にする剣。


 *


 かつての魔王、亜神、悪魔の始祖アルドノイズの記憶が一気に流れ込む。

 

 情報量が多すぎて、頭がかち割れそうになるほどの頭痛と吐き気が襲ってくる。


 ーーそれは、自分の身体の存在が書き換えられているという事だとも知らずにーー



 

 

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